1971年製と言うバイクのシートです。
今回の依頼はお客様が自分で調達してきた純正品(?)のカバーに、
中身のウレタンを製作&カバーリングです。
このシートは前半分が100㍉厚、後ろ半分が80㍉厚と言うことで
前側は60㍉チップウレタンに硬質ウレタン40㍉、後側は60㍉チップウレタンに硬質20㍉を
重ねて突き合わせて製作することにしました。
パンフレームの凹凸にあわせて、チップウレタンを抜いていきます。
外形をフレームにあわせてカットして形状を整えていきます。
エアーサンダーでサンドペーパーの粒度を変えながら仕上げていきます。
厚みの異なるウレタンのつなぎ目は不織布を貼って段差感を失くします。
そして、パンフレームとの段差、全体のアタリ感を柔らかくするため、5㍉のウレタンを
全体に巻いて貼っていきます。
以前、張り替えたシャリーのシートもそうでしたが、鉄のパンフレームはタッカー針を
使わず、フレームをプレス加工時に爪を抜いてあり、その爪にカバーを突き刺して折り曲げて
張っていきます。
今回は状態が良く、欠損している爪はありませんでした。
この作業は、靴職人がよく使う、通称「ワニ」と呼ぶペンチを使います。
このバイクはオフロード系と言うことで念のため、パンフレーム底穴でウレタンが
ドン! と突いたときに切れたり削れたり劣化を防ぐために、極厚の綿布を間に
仕込んでおきました。
で、これにて完了
走ることが出来るまで、エンジンのオーバーホールや、他の部品のレストアに
まだまだ日数がかかるとの話でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます