いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

対局日誌70 ~印象に残る対局~昇段の1番

2019-04-22 09:59:35 | 対局日誌


38年前、
わたしは、藤沢の湘南将棋道場に通っていた。
有段者となり、
小学校4年生のM君とよく指した。
彼も、だんだん上達し、
1級になっていた。

「奨励会に入るの?」
「才能ありません」
「どっちが先に奨励会にはいるかな?」

などと冗談を言いながら。

ある日、
静かに1局指した。

負けた。

実は、そのとき知らなかったのだが、
昇級の一番だったのだ。
M君は、初段になった。

師匠の佐伯昌優先生。
「おめでとう。」

そうだったのか。

昇段の1番を、わたしに指させてくださったのか。

自然に、
「ありがとうございます」
という言葉が出た。

ほんとうに、うれしかった。





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