いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

小野茂樹の遺歌集~黄金記憶~

2019-01-05 22:14:30 | 短歌


くさむらへ草の影射す日のひかりとほからず死はすべてとならむ

‥‥‥

小野茂樹は、
死のモチーフを持つ歌人であった。
観念の詩でなく、
若くから多くの死に
直面させられたからである。
33歳で交通事故にあって早逝したが、
優れた歌を遺したのも事実である。

つぎのような歌群を遺したことから
彼が死に近い情緒を心にしみて感じてでいたことがわかる。

‥‥‥

隆みより日に乾きゆく川の砂まのあたりわれは父の死を見ず

崖の照りかがよふ谷の緑をゆきこの地に還す葬列に会ふ

母は死をわれは異なる死をほもひやさしき花の素描を仰ぐ

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