落合直文は、明治を代表する歌人である。
次の歌が代表作である。
……
父君よ今朝はいかにと手をつきて問ふ子を見れば死なれざりけり
明治の親子である。
長い病床にある父に、子が挨拶に行く。
いつもの習慣かもしれない。
あるいは、母に命じられたのかもしれない。
いずれにせよ、父は、ほっと一息をつく。
あるいは、重病のため、夜中「死にたい」と思い続けていたのかもしれない。
また、子に挨拶されたとき、まさに「死のう」と思っていたのかもしれない。
いずれにせよ、
子の、愛情に満ちた、
礼儀正しい仕草と態度に、
胸を突かれたのである。
この子達を残しては逝けない。がんばらなくては。
病床の父は、改めて、生への意欲を蘇せられたのであった。
子は、宝。
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