合わない。
元夫と…。
離婚前からも、私の食事が口に合わなくなって、
仕事帰りにスーパーでよくお惣菜を買っていましたね。
こちらへ来てから、しばらくは何も買って来なかったのですが、
今では当たり前のようにお惣菜を買ってきます。
以前はそうではありませんでした。
私の作るご飯を「美味しい、美味しい」と言ってくれ、
なんでも食べてくれました。
けれど、四十すぎた頃から、自分で食事を作るようになり、
別々で食べるように…。
それも私が、家庭生活を維持するのが難しいと感じた一因でした。
同じ釜の飯という言葉がありますが、
同じご飯を食べなければ、ちょっと家族の成員としては、
成り立たない気がしていますね。
こちらも努力をしなければいけないのですが、
なかなか元夫の気にいる食事を作るのは難しかったですね。
どうしたらいいのか分かりません。
本当、どうしたらいいか…。
これまでは、こちらへ来るのは楽しかったのですが、
今では、島の自分の家を懐かしく思ってしまいます。
自分で作る野菜スープや、さしておいしくもないと思っていた
ご飯を1人で、のびのびと作る楽しみを早く再開したいと思っています。
なんだかんだ言っても、やはり私の家は、今は島のあの小さな古家なんですね。
そう思いました。
でも、元夫との関係は良好です。
申し訳ないくらい、私に気を使ってくれているのが分かります。
「また、来て欲しいから、君にはいい面だけを見せているんだ」と言っていました。
いい面も悪い面も、この二十七年間、さんざん見てきたのが、夫婦ではありませんか。
今更何を言っているんだと思いましたが、そんなに気を遣わせているのが、
申し訳なく思いました。
なので、
「あなたのいい面も悪い面も私はよく知っているので、
もう私に気を遣わないで」と言いました。
「大丈夫だから」と。
日曜日に、彼がコーヒーを淹れてくれました。
離婚前は美味しかったのですが、
今回は、ちょっと味が違うなと思いました。
彼はいつものように淹れてくれたんですよ。
いつものように、エスプレッソを本格的に淹れてくれ、
それに、ミルクでは味に深みが出ないからといって、
粉のクリープを入れるものでした。
でも、今回はそのクリープの味が、なんだかインスタントの味に
感じられ、あまり美味しいとは思えませんでした。
厳選した彼の味なのに、もう私の口には合わなくなっているなと感じました。
そうやって、時の流れと共に、私たちは離れていくのでしょうね。
そんな気がしました。
彼が私の料理が口に合わなくなったように、
私も彼のやり方を尊重しつつも、
自分ならやらないなと思っています。
今なら、すんなりと別れられるように思います。
あれほど別れが辛くて、身を切られるようだったものが、
時を経るごとに、1人の人間として、お互い立って、
また友達としてやっていけるようになるのだなあと思います。
元夫もずいぶん明るくなりました。
しょぼくれた中年男性ではなく、イキイキとした1人の
紳士として戻ってくれました。
それが私は何より嬉しいです。
私にとって、彼が相変わらず大切な人には変わりありません。
けれど、関係性は少しずつ変わってきていると感じました。
もう、夫婦としての熱いつながりはなく、
優しい友達としての関係が残りました。
私はそれを大切にしていきたいと思っています。
去っていったものに、涙をしつつ、
今もこれを書いています。
四年前のあの決断に後悔がないかと言えばそんなことはなく、
迷いに迷い、先月まで、また彼とヨリを戻そうかとも考えていました。
けれど、今回、また一緒に暮らしてみて、
やはり綻びは出てくるものだなあと、
それも、離婚前に感じていたものの再来だなあと思っています。
続きだなぁと…。
ならば、仕方ない。
私は、やはり、自分の道をいくしかありませんね。
迷わず行けよ、
行けば分かるさ、
ですね。
けれど、元夫の大切さ、
優しさを決して忘れずに、
良い関係を続けていけたらいいなと思っています。
彼が困った時には、一番の理解者、友でありたいと考えています。
どうして、いつも、このことを考えると涙が出てしまうのでしょう。
私と彼とに、そして私たちの子供の未来に、
幸がありますように。
誰にとっても苦しい、苦しい四年間でした。
☆それでは今日も良い1日を。
感謝します。
全てはうまくいっている。
ありがとうございます。