昨年の春のこと。
『姉』と仰ぐ友人から、沖縄の旅のおみやげをいただきました。
旅の思い出を詰め合わせた、南国の風や海を感じる、きれいでかわいいたくさんの小物の中に、棒が1本。
その棒には小さな数枚の葉がついていて、水を含んだ少量の土の中には細い根っこも見えます。
それをくるんでいた素朴な手書きのパッケージには、当該の花の写真が無造作に留められていて、そのあまりの不思議なかたちに目が釘づけになりました。
そこでいそいそと手のひらサイズの植木鉢に植えつけて、たくさんの陽に当てて毎日見守っていると、健康優良児のごとくすくすくと育ち。
あっという間に鉢からはみ出た根を痛めぬよう、ひとまわり大きな鉢に植え替えて、晩秋からは室内で保護。
そうして一年と少し経った昨日、かつて『棒』だった樹は初めての花を咲かせました*
風鈴ブッソウゲ(仏桑花)です。
風鈴ハイビスカスと呼ばれることもある、ハイビスカスの仲間。
昔、家族が購読していた植物誌で写真を見たことはありましたが、実物を目にするのは初めてで、もうびっくりの連続。
なに、この不思議なかたち?
なに、この素敵な色?
深い切れ込みだらけの、反りあがった花びら…これってどうなってるの?
そしてその真ん中から長く垂れ下がるしべは風に揺れて…まさに『風鈴』のよう。
なに、この植物、かわいい!!
一日中、うっとりと矯めつ眇めつして過ごし。
翌朝再び見たら、もうしぼんでいました。
ハイビスカスと同じく、一日花だったようです。
…なんだかとっても名残惜しい。
もうちょっと見ていたかったな。
来年はもっとたくさんの蕾をつけてくれるように、たくましく(笑)大切に育てます*
※ このブログを綴り始めて、今日でちょうど十年。
毎日書いているわけではないので、この数字にあまり意味はないのかもしれません。
それでもこの3650日を、ここでひっそりと楽しんで過ごせたことを、私はしあわせに思います。
3600余の日々のなかには苦闘の時も、青天の霹靂のような事柄も、もろ手を挙げて喜ぶ日もありましたが、いま振り返れば総じて穏やかな日々でした。
ここはそんな自分の来し方の記録であり、気持ちの開放場所でもあり、同時にさほどの意味もない「ねぇねぇ聞いて!」と独り語るだけの場所でもあります。
3651日目の明日からも、気負わず肩ひじ張らずの「ねぇねぇ聞いて!」の気楽さで、綴っていけたらいいなと思っています*