抜けるような青空の日。
里山に眠る家族に会いに行ってきました。
報告したかったあれやこれやを伝えたり、そこから派生した思い出話でケラケラ笑ったり。
平日の誰もいない、明るく広々とした公園墓地で、思う存分語り合いました。
――で。 そのあとは、おべんとうを携えての恒例の里山散歩*
10月だというのに気温が34度もあったこの日は、時折吹く風にこそほんのりとした秋を感じられるものの、空にはいくつもの入道雲。
そして日差しも、まるっきり夏。
私たち人間は暑さでふうふう言うはめになりましたが、それでも里山の木々や草花は秋への歩みを進めていました。

散策前の腹ごしらえに(笑)、持参したおべんとうを広げようと木陰に腰を下ろしたら、視線のすぐ先に何やら鮮やかな色。

色を変えた木の葉でも落ちているのかと近づいてみれば…なんと! ほおずき!
そういえば、5月にもこの場所でおべんとうを食べたときに、白い花が群れて咲いているのを見たんだっけ。
それを思い出して、他にも実ってはいないかと辺りを見回ってみましたが、数週間前に下草が刈られたようで(人の手が入ってこその『里山』ですものね)、残っているのはこれだけでした。

あざみ。
この花の色と形が、たまらなく大好きです。

これは…イタドリの実かしら。
種の周りの白い翼が、まるで花のようですね。

頭の上には、樫の木の大きなどんぐり。
これ以外にも、この山はいろんな種類のどんぐりの宝庫なので、熟れて落ちたころに甥や姪といっしょに拾いに来たいなぁ。

天を仰いでどんぐりを眺めつつ、ゆるゆると歩いていたら。
突然、目の前に花の園!
ヒヨドリバナの群生です。
幼いころから幾度となく来ている場所なのに、こんな景色は初めて見ました。
里山は、訪れる時期がほんの少し違うだけで咲く花も足元の景色も変わるので、ほんとうにおもしろい*
(ほんとはこの景色を下から撮りたかった…
でも下には道がない上に、この斜面の傾斜もとても急で、下りられなかったの…)

…なんてことを思いながら、花園に目を奪われつつ歩きだしたら、一歩踏み出したところにこれがいて。
思わず「びゃっ!」と、素っ頓狂な声が出てしまいました。

マムシグサの実です。
ものすごく強面(笑)
そしてこの面に違わず、有毒です。
もう少し秋が深まると、これが真っ赤になって、また一段とグロテスクに。

ちなみに、実になる前の花はこれ。 (2019年5月 同里山にて)
こんなにすらりとした個性的な(見ようによっては美しい)姿をしていますが、これの属するテンナンショウ属はみな雌雄異株で、雌花はなかなかにえげつない構造の持ち主です。

楽しみにしていた山萩は、見頃を過ぎていて、ちょっとがっかり。
連日のこの暑さじゃ、しかたないかな。


アスファルトとコンクリートのジャングルに戻る前に、森の日陰でグールダウン。
こういう景色を見ると、心の底からほっとします。
またね。 また来ます。
次にはどんな花や景色が見られるかしら。