「女将さん 朝です


おっとびっくり…

きみのアジトは空き家じゃないのかい。
「お布団がですね」

「なかなか良いんで


ああ 雨上がりで座布団乾いたのね。ほったらかしですまんね。
ぶっち君の頃から 中古の座布団はそこに置くのが
癖になってるんです

特にあんたのためというわけでは…
「僕のためですよね


いるよね こういう勘違い野郎。幸せだねー。
「お礼ですが~」

ごろん


「踏んでいきませんか」

あーいるいる こういうやつ。ほんと幸せだねー。
最初は逃げてたくせにね。今や 踏まれるのが癖になったらしい

変態め


「もっと~


出勤前の貴重なお花見時間なの。あっちへお行き。
ま~ 八重のチューリップの美しいこと…



赤いチューリップが 風で折れていました。花瓶に活けねば。
綺麗でしょ


「ふーん?」

「踏みます?」

いや 踏まない。 赤いラナンキュラスもそろそろ開きすぎ。
チューリップと一緒に 摘もうかな。

ムスカリは 枯れると葉っぱだけが残って。刈らなきゃな。

おのれは

そこまでして構ってほしいのか。どういう芸なんだ。
こうして 平日にも休日にも 朝な夕なにどこからともなく
時々足元にやってきては 私に踏めと言う。
はたから見たら虐待やがな

「踏みません?」

足の間から出てくんな!

位置変えて和むな!


大丈夫かお前。 野良生活ナメてんのか

保護とか去勢とかする前に 性格的に心配になってきました。
どなたか この男を家に入れて一生踏んでやってください!
今のうちにご予約を どなたか・・・・

「踏んでいいですよ





私の調教の仕方が悪かったか
ドMな踏まれ猫になってしまいました。
暴れ猫マリオ君よりマシなのか
よくわかりませんが
どうしたものかなと呆れています
頭がお花畑野郎です。