相棒１３－８　「幸運の行方」

2014-12-10 22:02:09 | Weblog
今日の相棒は久しぶりに、大型組織犯罪や国際事件とはかけ離れた市井の人々の普通の生活の中の事件だった。舞台や背景も登場人物も、普通の町の商店街の質屋さんや呉服屋さん、お金のない学生といった人々。初期の相棒の味が感じられて面白かった。

今回の特命の二人の仕事は街の防犯パトロール員。話の出だしは質屋さんの店主が幼馴染の呉服屋のけしからん場面を盗み撮りしたところから。なんとなく一昔前のホームドラマ風の始まりだが、そこはやはり相棒、まさかの思いがけない事件が起こる。

質屋さんといえば最近は跡継ぎがいなくて廃業する店もあり、昔より数も減っていると聞いたことがある。古い商店街のお店というのは、八百屋さんでも和菓子屋さんでもお風呂屋さんでも、質屋さんでも昔から何代も続いているところがあるのだ。

銀座のお風呂屋さんの金春湯は知人の実家だが、江戸時代から続くお風呂屋さんだ。うちのほうの駅前の八百屋さんでも最低三代はつづいているという。都心では昔からの先祖代々の営業を続けられるところは数えるほどだが、ちょっと離れた郊外や下町の商店街だったら、まさに今も今日の話に登場したような質屋さんや、呉服屋さんもまだありそうだ。

とはいえ、時代も変わってそれぞれの商店街も生き残りに大変らしい。高円寺の知人から今の高円寺商店街の変化を聞いてがっかりしたことがあった。

相棒世界の商店街の主たちものんびりした日常からあわただしい危険な世界に放り込まれるわけで、それでも最後は事件も解決し、まあまあのラストでやれやれだ。

昔ながらの人情とか近所同士の付き合いなどは、古臭いかもしれないけれど、まったくなくなってしまったりすると、人間関係はさぞやギスギスしたものに変わってしまうのだろうなあと思った。