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古典(2)

2014-11-07 08:32:03 | ライブ・レポート

先日のブログ、古典(1)の続きです。コチラを読んでない方は、先にお読みになる事をお勧めします。

=古典(2)=

ではそもそも、僕のジャズ感を表すのに、どうして『古典』をいう言葉を用いたか…といいますと、落語を例に出したかったからです。

よくジャズと落語は似ている…と言われます。元になる話を、噺家さんの裁量で、どんなふうにでも変えていい訳です。その辺がジャズも、まず曲があって、でもプレイヤーによってアドリブでどんどん変えていく所と似ています。
どちらも本番のステージ上で完成させるので、あまり完璧には練習(稽古)で仕上げないんでしょうね。

で、ただ、今、どんな風にも変えていい…と言ったのですが、実は、落語もジャズも“何でもあり”ではだめなんだと思います。

例えば、落語で考えてみますと、落語の定義は、一人で舞台に立って、面白い事を言って笑わす…あとは何をやってもいい…とはならないと思うんです。その定義だと漫談家やピン芸人など、1人で面白い事をやる人全てを指すことになってしまうからです。
ホストみたいな格好して「ヒロシです…」とか、海パン一丁で「そんなの関係ねぇー」とか、派手なジャケットを着て「中高年の皆様…」とか言うのは、一人で舞台に立って面白い事をやっていても、決して『落語』じゃないんです。
やはり落語というのは、観る側からすると、

・舞台の上には集めの座布団1枚のみ
・お囃子で登場
・衣装は着物に羽織
・お話しの仕方は、少し江戸の町人風(上方の場合は、コテコテの関西弁)
・扇子や手ぬぐいを色んな事に使う

みたいな、何というか“型”みたいなものが必要になってくると思うんです。
例えば落語家の方でも、鶴瓶さんみたいに、司会者や俳優さんとして大活躍されている方もいますが、彼が司会している時や演技している時のパフォーマンスを誰も落語とは思わないと思うんです。

では、ジャズにとって『型』とはなんでしょう。
昨今の“ジャズとカテゴライズされている音楽”のスタイルを見ると

・アコーステック楽器中心の編成
・インスト
・アドリブがある

どうかすると、このくらいの括りしかなくて、例えば、ピアノ+ベース+ドラムスの編成、いわゆる“ピアノ・トリオ”であれば、そこでどんな音楽を演奏していても“ジャズ”と言い張られている様な気がしてます。
難解だったり、あるいは逆に、何の刺激も無いムード音楽みたいなものだったりしても、ジャズと言い張られているような気がします。
でも、その括りだと、僕はジャズにとって一番重要なものが抜けていると思うのです。
それは
“スイング感”
だと思うのです。
“スイング感”というのは、別に4ビートじゃなきゃダメだ…という訳では無いのですが、リズムの種類はラテンでもヒップホップでも構いませんが、ウキウキしていないとダメだと思うのです。
聴いている人を“楽しい気分”にさせなきゃいけないと思うのです。

ジャズというのは、もともとはダンス音楽です。
で、ニューオーリンズの娼館(売春宿)の中でエンターテイメントとして演奏されていた音楽なのです。
お高い芸術ではなく、もっと大衆的なものなのです。普通の人が聴いて「楽しい」と思えないとダメだと思うのです。
もちろん落語だってジャズだって、その後芸術的な位置を与えられているとは思います。
しかし、例えば『NHKの放送』や『国立劇場』の様なお高い所で落語会があっても、落語家の仕事は来てくれたお客様を笑わす事です。もちろん下ネタは封鎖するでしょうが、


あと、加えるならばカッコ良く…というのもあります。
色んなカッコ良さがあると思います。
まず音楽がカッコ良くなきゃ…と思います。まぁ、ただこの辺は全てのジャズ・ミュージシャンが一生をかけて追求する課題と思います。

明日からでも変えられるカッコよさとして言いたいこともあります。
“服装”です。
Facebook等で、ジャズ・ミュージシャンのライブ中の写真を見ると、普通にパーカーにチノパンでステージに上がっている写真を良く見かけます。まるでさっきまで家で「ミヤネ屋」を横になって観ていて、出掛ける時間になったんで、そのまま家を出てきた…みたいな格好です。
アメリカの一流ジャズ・ミュージシャンは、みんなビシッとスーツで決めています。みんなカッコいいです。
よく
「1950年代は、黒人のジャズ・ミュージシャンはスーツを着ないとステージに上げてもらえなかった」
なんて事を言う方もいますが、これは完全に屁理屈です。屁みたいな理屈です。
なぜなら、当時の白人ジャズ・ミュージシャンだってスーツを着ているじゃないですか。
現在でも、NYでジャズを聴きに行った時はウィントン・マーサリスやケニー・バロン、ハンク・ジョーンズ等のミュージシャンは、みんなスーツでビシっと決めていました。
もちろん、彼らの出演している店が、世界的に有名なライブハウスなので、TPOを考えてのスーツなのかもしれませんが、とにかく、服装は大事なのです。

前に若手ミュージシャンとそんな話をしたら、
「だって福山雅治さんもTシャツにGパンでステージに上がっているじゃないですかぁ」
と返してきた方がいました。これも完全な屁理屈ですね。屁のような理屈です。
まず、福山さんがやっている音楽がジャズじゃないし、お前と福山さんでは、顔が違うだろう。
あと彼の「TシャツにGパン」は、お前の3年くらい前にユニクロで買った様なヨレヨレのTシャツにGパンとは絶対に違う…と言ってやりたかったですが、喧嘩になるのも嫌なのでやめました。

では、ジャズ・ミュージシャンを落語家に置き換えてみましょう。
落語家がTシャツにGパンで高座に上がっても、お客さんは誰も聴いてくれないですよ。

落語は江戸時代に完成された古典芸能です。
しかし、時代に合わせてスタイルを少しずつ変えながら、でも本筋は大きく変えずに、江戸時代からのスタイルを継承しています。まぁもちろん江戸時代に落語を見ていないので、実は大きく変わっているかもしれませんが…。
ただ自分の子供の頃、40年くらい前からは、落語のスタイルは大きくは変わっていません。
しかし、ジャズ、少なくとも『最先端のジャズ』というのは、僕の子供の頃に聴いていたジャズの要素を全く継承していないような気がします。
それと共に、ジャズの人気は完全にすたれているような気もします。地上波はもちろん、BSでもジャズの番組は滅多に放送されてません。有料放送のWOWWOWやCS放送では、まだ少しされているようですが、それは視聴者がお金を払っている訳で、スポンサーが付いていない…ともいえる訳です。スポンサーが付かない…という事は、ジャズは大衆にアピールしない…とクライアントや広告代理店が判断している訳です。
これでいいのでしょうか?

(続く)


という事で、本日は、浅草『SHIZUKAⅡ』に出演します。平田ちひろ(vo)さんとの共演です。
お客様に楽しんで頂ける様なジャズをやりたいと考えています。
詳しくは、コチラのブログをご覧ください!








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