つる姫には、息子がおります。
その息子は、大学のアウトドア系のサークルに入り
日本各地を歩いて旅をしたり、一人でヒッチハイクをしたりと
今では、つる姫以上にいろんな場所を知っています。
その息子が「雨晴海岸がいいよ」と教えてくれたのです。
雨晴海岸は、高岡から氷見線で20分くらいのところにあります。
つる姫は、そこで夜明けを見ようと思ったのです。
でも、天気予報では、明け方まで雨らしい。
雲があれば、朝陽をみる事はできません。
しかし、つる姫はとりあえず始発電車で雨晴海岸まで行こうと決めて
4時半にアラームをセットして眠りました。
今日のホテルは、お客さまのマナーもよく
ぐっすり眠れました。
まあ、たぶん夜遊びする所がないから、みんな早寝したのでしょうけど 笑
翌朝は、バッチリ4時半に起きて出かける支度をしました。
そうこうしているうち、少し空の様子が見えてきました
星は見えないものの、月がぼんやりと見える程度の雲が広がっている感じです。
でも、一人旅。
迷う事はありません。
つる姫は部屋のカギをフロントに預けて
高岡を6時発の始発電車に乗りました。
電車の外はまだ夜みたいです。
ぼんやりの月が電車を追いかけてきます。
雨晴の駅に着く頃、空が明るくなり始めました。
白い息を吐きながら海岸に向かいます。
明け方の海岸を歩くなんて、たぶん初めてかも知れない。
風は穏やかで、さほど寒くはありません。
おおお・・・心の中で感嘆の声
雲はありますが、オレンジ色の空が
山と空とを区切っています。
素敵な明け方の海岸を、今一緒に歩きたい人はいません。
豊さま以外 爆
言葉にすると台無しになりそうな
明け方の海岸。
波の声だけが聞こえます。
小さな島の黒いシルエットが
海に浮かんできました。
振り向くと、反対側の海の上には
灰色の雲が広がっていますが
何とも言えない海の色です。
杭かと思っていた影は、人でした。
朝日を写しに来たようで、話しかけてきました。
「いつもは20人くらい人が来るのに
今日はどうしたのかと心配していた」
どうやら、朝日撮影のスポットのようです。
カメラを持っていなければ警戒しましたが
こんな朝早くに海岸に来る、写真の好きな人に
悪人はいません。たぶん。
朝日が昇る地点を教えてもらって、岩の上で夢中でシャッターを切りました。
立山連峰の向こうからゆっくりと朝のお日様がやってきます。
岩にあたる波のしぶき
大きな波が一つ、前を通り過ぎて海岸に向かいます。
海をオレンジ色に染めて
いよいよお日様が現れるのでしょうか
日の出です
オレンジ色の光の筋が
まっすぐにつる姫に向かって伸びてきます。
すると
海を覗き込んで立っている
天使のような光
振り返った海の色も優しい色に変りはじめました
きっと、つる姫はこれをみるために北陸に来たんです。
夢中で写真を撮っていたら、体はすっかり冷え切っていました。
先ほどのカメラのおじさんにお礼を言って、まもなくやってきた高岡行きの電車に乗ります。
車なら白川郷の方まで行かれるといいですよ。
おじさんの言葉が、頭の隅っこに残っていましたが
車じゃないから無理だ。
そう思いつつ一旦ホテルに戻り、
バイキングの朝ごはんを、たらふく食べました。
味の事には、触れませんよ。
さあ、氷見線にもう一度乗って、終点の氷見まで行って
ゆっくりと美味しい海鮮料理を食べて、海岸を散策しよう♪
駅まで3分の道を歩きながら、そう決めたつる姫。
もう能登の二の舞はしない。
が!
つる姫はこの後また、とんでもない行動に・・・
つづく
今日も笑顔で過ごせますように。
感謝をこめて つる姫