思いつくまま

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勝間和代著『チェンジメーカー』(講談社)を読む。

2010年05月01日 00時00分00秒 | 読書
やっぱり本を読んだら、記録しておかないとね、どんどん忘れちゃうから。
2月に出たこの本、勝間さんのTwitterやブログ、動画などで紹介されていたので読みたかったが、図書館に置いてあったので借りてきた。

「チェンジメーカー」、自分の力で日本の未来、世界の未来を変える変革者という意味らしいが、自分にはもちろん無理がある。でも少しは見習いたい!!って感じで読んでみた。

2008年の日本人の平均年齢は44歳、アメリカは36歳、良い意味でも悪い意味でも日本は高齢者の国なのだ。そこではびこるのがシルバー資本主義、お年寄りに手厚く、若者には冷たい社会構造になっているようだ。
しかし、勝間さんは、老人は変化対応力・失敗力・我慢力がないと手厳しい。
また、高齢化している政治家に対しても「なごり政治」ばかり、すなわち昔そう決まったものが「なごり」で残ってしまっていると言い訳ばかりしているとバッサリ。
確かに、若者に尊敬する人物を尋ねるとイチローや北野武などの名前が挙がるが、政治家では小泉純ちゃん以外は全く名前が挙がらない、そんな尊敬されていない職業の政治家に優秀な若者がなろうとするはずが無いという不の循環に陥っていると分析している。
これを変えるために、インターネット選挙を解禁し、若者に投票に行こうと呼びかけている。他にも政治の世界に数値目標を導入しようとか、ブログやTwitterなどのソーシャルメディアを活用して政権与党の政治を監視しようとか提案している。

それからテーマががらりと変わって、勝間さんの結婚観、この人自身は2回も離婚しているのに、考えていることが本当によく理解できる。「35歳独身限界説」、35歳を過ぎると結婚している人としていない人では、結婚していない人のデメリットが顕在化してくるのがちょうどこの頃であるというのも的を射ていると思う。
ワーク・ライフ・バランスを考えたり、他人との学び合いの機会を得たり、社会の多様性(ダイバーシティ)に対する理解も深まる。
また、女性が求める「年収600万円以上」の男、25歳~34歳ではたった%しかいないのに、高望みしすぎだとも言っている。
ジャンケン、ジャンケン、またジャンケン、何度失敗しても、何度でもトライしようじゃないか。バットを振って三振ならしょうがないけど、見送り三振はいかんぜよ。

労働一神教から抜け出せ、長時間労働をやめたほうが効率よく仕事がこなせる。
転職するならば、コモデティ(どこにでもある)企業ではなくてスペシャリティな企業へとか、終身雇用が非正規雇用を生み出したとか。
スキルアップを目指すのなら、①他業界の事例を勉強し、自分の業界でも利用できるアイデアを深める、②自分の仕事のマニュアルを作り、体系化・普遍化する、③取引先の社員を自社のメンバーだと仮定して仕事をせよとか、ビジネスモデルが有効かどうかは、①買い手側の交渉力、②供給側の交渉力、③新規参入の有無、④代替品の脅威、⑤業界内の競争状況の5つで判断できるとか、環境変化に対応するために4つのポイント、すなわち、①変化を味方にする、②早めに変化に対応する、③自己否定をする、④ビジネスモデル(カネもうけ)を生む仕組みを作ることが大事だとか、本当にあれこれいろいろな提言をしてくれている。

GE(ゼネラル・エレクトリック)や任天堂は、「自己否定」をし続けて成功している会社で、失敗が成功の母なら、同時に成功は失敗の母ということで、自己否定を習慣化することも進めている。
経営者の視点から考えるために、心・技・体、①心=長期的なビジョンと目標を持つ、日常業務を超えた視点で仕事を見る、②技=マーケティングを実行して顧客を開拓し、財務で価値を測る、③体=自分がやるのではなく、周りにやりきらせる実行力を持つこと、という3つの枠組みを理解する。

人間は、自分会社を経営しているようなものだから、自分の人生でも上に述べてきたようなことがすべて当てはまるので、常に実践していくことが「チェンジメーカー」になれる。
他にも、「ボウリングの1番ピン」となれとか、仕事はチーム化・見える化を進めろとか次から次へと実践できそうな提言をしてくれている。

最初に書いたように、なかなか自分からチェンジメーカーになろうとすることはむずかしいが、できることから少しづつやってみて、少しでも上を目指そうというモチベーションが湧いてくる本だった。
コメント
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