思いつくまま

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香山リカ著『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)を読む。

2010年05月15日 00時58分58秒 | 読書
この本は昨年夏以降ベストセラーだった。もちろん本屋で立ち読みくらいはしたが、買うまでには至らなかった。ちょうど図書館にこの本が何冊かあって、残り1冊だけが貸し出されずに置いてあったので、それじゃあしっかり読もうと思って借りてきた。

今の生活はどうかと訊かれれば「普通」と答えるが、「幸せ」かと訊かれれば答えはノーと言わざるをえない。結局レールから外れてしまうと「ふつうの幸せ」というのはなかなかむずかしい。

第1章「恋愛にすべてを捧げない」、恋愛をしたことによってかえって寂しさが増すというのは、自分にはなかなか理解しがたい。飯島愛さんはそれで死んでしまったのか。
第2章「自慢・自己PRをしない」、たまたま職場で臨時の従業員を雇った時に、応募してきた何人かの履歴書を立場上拝見したが、皆すごい前向きなPRをしてきたのには笑えた笑えた。
特に就職難の今の時代は、就活ではとにかく猛アピールをしないとダメらしいが、そんな自己主張の強い人ばかりが入社してきたら、組織としてはうまくいかないと思う。控えめで地味だけどコツコツと仕事をこなしてくれるような存在も絶対に必要なんだってば。
第3章「すぐに白黒つけない」、売春・援助交際の時に魂が傷つくかどうかとか、タトゥーを消したがる女性とか、リカさんの例えがイマイチで、それと白黒はっきりつけることとの関連がよくわからなかった。自分はすぐに何でも白黒付けちゃうけどね。
第4章「老・病・死で落ち込まない」、って言われても病気になったり死が目前に迫れば誰でも落ち込むさ。
第5章「すぐに水に流さない」、いやな記憶は簡単に水に流せるものじゃあないよ。機会があったらいつか復讐してやろうとか、自分は昔からいろんなことをずっ~~~~~~と根に持っていることあるもんなぁ。中学生の時、放課後に掃除をしている時に、サボっているということで頭をポカンと叩いてきた美術のセンコー、未だに許せネェ。 誰が見てもちゃんとオレは掃除をしてただろぅ。 オレは掃除することが好きなんだよ。
第6章「仕事に夢をもとめない」、就職する時には、ここの会社に入って将来こういうことがしたいって夢があったけど、結局そういうことをやっている部署には異動の希望を出してもお呼びがかからず、全く縁が無くここまで来てしまった。 今後も無いだろうし、今さら行ってもたぶん戦力にならないだろう。
今は生活をするために働いてはいるが、宝くじで億円当たればスパッと辞めてしまうだろう。億円だと微妙だな、5千万円でも微妙、1千万円くらいではとても辞められそうにないなぁって感じ。
第7章「子どもにしがみつかない」、昔は女性が結婚・出産すると仕事を辞めなければならなかったけど今は逆に優遇されている、とシングルのアラ50のリカさんの言うことはヒガミとも取れるなぁ。
皇太子妃の雅子様も「歌会始」では愛子様のことばかり詠まれているようだ。
親は子どもを愛するけれど子はそうではない、そうかもしれないなぁ。
第8章「お金にしがみつかない」、自分はこれまでにも何度も言ってきたことだが、お金は無いより有るにこしたことはないが、有るだけでは幸せにはなれない。
第9章「生まれた意味を問わない」、なぜ生きるのかと問いかけてはいけない。生きる意味がわからないと生きていてはいけないわけじゃあないし、逆に意味が解かったらそれは怖いかもしれない。
本当に昔はよく悩んださぁ、精神修養の場にいた時は特にね、でも今は吹っ切れてるなぁ。
過去の参照http://blog.goo.ne.jp/ms1229jp/e/436135b73e76e34be54bea36da9c9ab6
第10章「<勝間和代>を目指さない」、頑張れば夢は本当に叶うのか、いくら頑張ったって全員が1番になれるわけではないし、無理なことは無理なんだし、自分のせいではなくても不運にも事故に遭うことだってあるしって、リカさんの言ってることには賛同できる。でも、だから頑張らないって言い訳ばかりしていないで、勝間さんを見習って少しは頑張ってみてもいいじゃんか。
ただし、勝間さんに「断る力」って言われても、庶民には断る以前にそもそも依頼が来ないって。

この本って今読んでみて思うのは、何でそんなに売れたのかなぁってこと。確かにしがみつかないで生きていけば楽な感じはするけど、なかなかそんな中途半端なことばかりでは満足できなかったりして、かえってストレスがたまるってこともある。
でも、ほどほどがイイんじゃないの。

この本が元になって、香山リカさん勝間和代さんの対談が実現したのだ。
http://blog.goo.ne.jp/ms1229jp/e/8a59ca47f3e564552427e2f35d5d96f2
コメント
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