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漫画レビュー 荒川弘 銀の匙

2022-06-29 15:59:44 | 書評 読書忘備録


「銀の匙 1巻」  荒川 弘   192頁

このシリーズ読み直し中ですが 初めて読んだ時とだいぶ感想が変わってきた
最初は「鋼の錬金術師の作者が意表をついて農業高校のユーモア漫画を持ってきた!」と思い、週刊サンデー連載で毎回呑気に笑わせていただいていた

だがこの物語も主人公八軒も実はハガレンのエドワードエルリックとなんら変わることなく、真剣に(と書いてマジ、と読む)闘っているように見えてきた

そりゃあそうだ、自分だって高校ボーイズの頃は毎日が一杯一杯で、いつもなにかに苛立ち、なにかをぐるぐると探し回り、
常に愚にもつかない真理めいたことを考え求め続けていた
自分だって八軒だって、いや全世界の若者はその時、闘っているのである
相手がホムンクルスか?勉強か?人間関係か?自分の人生か?が異なるだけなのだ

高校受験前に両親の期待に過剰に応えようとして燃え尽き症候になってしまった主人公は逃げるように寮付きの蝦夷農高校に入学する。
体力測定で一周20kmあるキャンパスを走り、世紀末覇者が乗るような巨大な馬に遭遇し、モビルスーツもかくやというような多機能コンバインが往来している。
このテーマパークのような高校の環境であるが授業は生き物の生死に直面する畜産酪農のシビアな世界であるし、集まった級友たちも多くは斜陽の家業の後継者であった。自ずから彼らは将来や自分の目標や仕事に常に直面してゆくのだ。

気が付けば私の家の長女も早いもので中学三年生の1学期が終わろうとしている
日々の勉強や部活に邁進しながらも、進むべき行き先の学校を絞り込まなければならない時期になってきてしまった。
父親として自分も数多ある高校の中から彼女の人生にとってベストな選択は何処か?について色々調べることを始めた。

成績や偏差値ももちろん良いに越したことはないが、このシリーズの八軒のように良い出会い、良い学びが出来る場所を探してやりたいと思う。
できれば本人とも時間を取って、現地に行ってみて、この人生の選択について話し合ってゆきたいと思う。
学校での勉強以上に彼女にはこの選択には時間をかけ、考えを巡らす必要があると思うからだ。
内緒であるが自分としてはビブリオバトル部のモデル校になっていそうな国際色豊かな某都立高に進んでもらいたい、と思っている。
だがこればっかりは本人次第なので、これから徐々に見学なり視察を重ね彼女のモチベーションを高めてゆきたい。

今年受験なさる皆さんのご家庭はいかがだろうか?
一緒にあと半年、頑張りましょう。



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