戦場のコックたち 深緑野分 349頁を読む(ーωー)
終戦の日に合わせて読み終えるべく進めていましたが、
ちょっと手こずりました。
翻訳物を読むように読書ペースをシフトするのにもたついてしまったせいです。
ヨーロッパ戦線での調理担当兵と仲間たちが戦闘とは別に遭遇
する小さな事件、使用済みのパラシュートを集める兵の話や
だれも食べたくないほど不味い乾燥卵が大量に消えた事件、などの真相と背景を謎解きしてゆきます。
すぐに思い浮かばないけど、どこかの連ドラで見たような微妙な既視感を感じます。
戦場という大きな不条理であり大きな謎、何故自分は殺し殺され合わなければならないのか?
常に心の奥底では疑問を呈しながらも、戦場調理兵という日常に不可分な職務を担当する主人公には、戦争という極限状態にバランスを取るように小さな謎を解くといった代償行為が必要なのだと言いたいのでしょう。。。
わかるんですけど、、!
戦場だったらもっと大事なこと考えろヨ!、とツッコみたくなってしまうのです。
生きるとか死ぬとか、殺すとか敵と味方とか、戦争の大義は?とか。色々ある中で、食いもんのことかよ?って正直思う。
その辺りのこの物語の基本スタンスが気になってしまい、謎解きはまあ面白いのですが、ちょっと物語に没入できずイラっ、モヤっとしてしまった。
戦場での料理の数々は題材として興味深い、
美味しそうなものも不味そうなものもあり
砂を噛むような味気無いものや苦いものも登場する。
謎解きよりも僕にはこれらの食、や料理に惹かれた。
でき得ればこれらの主題にもっと焦点を当て、この面から
戦争や人間の本質を浮き上がらせるといったスタンスでこの物語を読みたかった。と偉そうに感想を抱いてしまった。
どうぞ御容赦願いたい、深緑さん、ごめんなさい。
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