小説王 早見和真 302頁 読了!Σ( ̄□ ̄;)133★★★★
このタイトル。この装丁。読み手を目一杯煽ってますねえ。
惜しくも急逝した土田世紀の編集王の熱をそのまま、
今の閉塞した出版会文学会に叩き付けぶちまけした。
小学校の時の学級新聞部での親友の男友達が、いい大人になって
挫折と鬱屈をくぐり抜けて自分の存在そのものを小説の創造に賭する。
蒼き小説家と若き編集者。
情熱と更に熱い執筆への執着。
挫折感と失落感と高揚感と解放感。
重しとなる編集長。
センセイと呼ばれながら創作に全精力を注ぎこむ人気作家
「あの候補の中で どうにか 小説の体をなしているのは君のものだけだった。
でも、それはあくまで体だけだ。小説じゃない。
その意味では一番タチの悪い作品だったとも言える。
君、書くことを舐めてるだろ?
何かを劇的に変えない限り書き続けることは出来ない。
心がないんだよッ!
お前の小説モドキでは、読者の心 を震わせられないッ!!」
他にも思わず音入れしたくなる激熱ゲキアツ台詞がいっぱいです。
あの土田さんの魂魄が早見さんに憑依したように、
脳内スクリーンに編集王の名シーンが次々にフラッシュされます。
読んでないひとも本好きならば充分煽られること請け合い。
ひょっとすると又吉ハンが火花で書きたかった世界ってコレだったん
じゃないか?ってすら思いたくなりました。
熱をもって暑さを制す。梅雨明けにナイスなセレクトの一冊でした。
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