5月28日(日)川合良一指揮 東京理科大学管弦楽団
~創団70周年記念演奏会~
東京文化会館
【曲目】
1.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
2.チャイコフスキー/組曲「くるみ割り人形」Op.71a
3. チャイコフスキー/交響曲第4番ヘ短調 Op.36
【アンコール】
チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」~「パ・ド・ドゥ」
東京理科大学管弦楽団は今年でなんと創団70年を迎えるそうで、その記念すべき演奏会が、クラシック音楽の殿堂として名高い東京文化会館で行われた。開演時刻前から入場を待つ行列が、館外の西洋美術館の方まで連なっていてビックリ。やっと入場して取れた席は既に3階。開演した頃は5階席まで超満員になった。これでは入れない人も沢山いたのでは?と思っていたら、やはりかなりの数の人達が入場できなかったらしい。となると、気になってしまうのは、客席に何か所も設けられていたカメラ席。1台のカメラで20席分は使っていて全部で100席ぐらいは空いていた。これを開放することはできなかったのだろうか?それにしても、アマ・プロ問わず、ここまで満員になるオーケストラのコンサートは最近では記憶にない。とにかくスゴイ人気だ。
そんな超満員の聴衆を前に、川合先生指揮の理科大オケの演奏は立派だった。これまでに聴いた演奏会では、メインの曲は力みなぎる充実した演奏を聴かせることが多い一方で、前半の曲目では物足りなさを感じることも少なくないが、今日は前半も丁寧な音作りで良い音を響かせた。
最初に演奏したドビュッシーの「牧神」は、大人数が乗っていたにもかかわらず、透明な響きで爽やかな色彩感を感じさせた。パフォーマンス的には目立たない管のパートもキチンと音を出し、室内楽的な調和が聴かれた。
続くチャイコフスキーの「くるみ割り人形」では、どの曲もそれぞれの特徴が良く出た演奏で、情景をイメージできた。オケのメンバーもきっと、クリスマスイブの夜に繰り広げられるファンタジックな人形たちの踊りを思い浮かべていたと思うが、更に踏み込んで、クララ自身になって物語の中に入り込んでもいい。最後の「花のワルツ」なんて、ノリノリで身体を揺らしながら演奏するぐらい「見せる」パフォーマンスをすると、演奏も更に乗ってくるのでは、と思った。その意味で、コントラバスの青木さん?の「全身で音楽を奏でています!」というパフォーマンスは素晴らしい(それに気づいたのはこの後からだが)。
後半はチャイ4。この音楽には完全燃焼して突進する勢いが求められるが、川合/理科大オケは、ひとたび火が点けば連鎖的にエネルギーを増大させ、集中力を高めつつ、熱く畳みかけて圧倒してくる。そんなシーンに幾度も出会い心を動かされた。その一方で、この音楽のもう一つの大切な要素である、切ないほどの歌心を聴かせるところでは、もっと役者になり切って、それこそアグレッシブに自分をアピールして欲しいなと思った。それができると、力強い突進力と切ない歌心がかみ合って一つの流れを作り、更なる高みへと聴き手の気持ちを導いてくれるに違いない。
東京理科大学管弦楽団 第53回定期演奏会 2012.11.23 練馬文化センター
CDリリースのお知らせ
さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~
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東京理科大学管弦楽団は今年でなんと創団70年を迎えるそうで、その記念すべき演奏会が、クラシック音楽の殿堂として名高い東京文化会館で行われた。開演時刻前から入場を待つ行列が、館外の西洋美術館の方まで連なっていてビックリ。やっと入場して取れた席は既に3階。開演した頃は5階席まで超満員になった。これでは入れない人も沢山いたのでは?と思っていたら、やはりかなりの数の人達が入場できなかったらしい。となると、気になってしまうのは、客席に何か所も設けられていたカメラ席。1台のカメラで20席分は使っていて全部で100席ぐらいは空いていた。これを開放することはできなかったのだろうか?それにしても、アマ・プロ問わず、ここまで満員になるオーケストラのコンサートは最近では記憶にない。とにかくスゴイ人気だ。
そんな超満員の聴衆を前に、川合先生指揮の理科大オケの演奏は立派だった。これまでに聴いた演奏会では、メインの曲は力みなぎる充実した演奏を聴かせることが多い一方で、前半の曲目では物足りなさを感じることも少なくないが、今日は前半も丁寧な音作りで良い音を響かせた。
最初に演奏したドビュッシーの「牧神」は、大人数が乗っていたにもかかわらず、透明な響きで爽やかな色彩感を感じさせた。パフォーマンス的には目立たない管のパートもキチンと音を出し、室内楽的な調和が聴かれた。
続くチャイコフスキーの「くるみ割り人形」では、どの曲もそれぞれの特徴が良く出た演奏で、情景をイメージできた。オケのメンバーもきっと、クリスマスイブの夜に繰り広げられるファンタジックな人形たちの踊りを思い浮かべていたと思うが、更に踏み込んで、クララ自身になって物語の中に入り込んでもいい。最後の「花のワルツ」なんて、ノリノリで身体を揺らしながら演奏するぐらい「見せる」パフォーマンスをすると、演奏も更に乗ってくるのでは、と思った。その意味で、コントラバスの青木さん?の「全身で音楽を奏でています!」というパフォーマンスは素晴らしい(それに気づいたのはこの後からだが)。
後半はチャイ4。この音楽には完全燃焼して突進する勢いが求められるが、川合/理科大オケは、ひとたび火が点けば連鎖的にエネルギーを増大させ、集中力を高めつつ、熱く畳みかけて圧倒してくる。そんなシーンに幾度も出会い心を動かされた。その一方で、この音楽のもう一つの大切な要素である、切ないほどの歌心を聴かせるところでは、もっと役者になり切って、それこそアグレッシブに自分をアピールして欲しいなと思った。それができると、力強い突進力と切ない歌心がかみ合って一つの流れを作り、更なる高みへと聴き手の気持ちを導いてくれるに違いない。
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