6月2日(土)現田茂夫 指揮 早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団
~第78回定期演奏会~
杉並公会堂
【曲目】
1.リスト/交響詩「前奏曲」
2.ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」序曲
3.ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op.68
去年の春と冬の定期演奏会を聴いた早稲フィルは、小学校の音楽観賞教室で毎年お馴染みのオーケストラだったこともあり、今回は息子も誘って親子3人で出かけた。
前半は、前奏曲系が2つ並ぶプログラム。「前奏曲」とは言っても、リストの「レ・プレリュード」は、人生を俯瞰した壮大な交響詩。現田/早稲フィルは、ピッチカートによる緊張と静寂から、壮麗なテーマを堂々とした風格で立ち上がらせた。弦の刻みの荒々しい野性味が、波乱の人生を物語るようで、早々とトリハダが立った。ただ、様々な人生のシーンが描かれたこの作品は変化や起伏が多く、それら全てをリアルに表現するのは難しい部分もあり、音を置きに行く慎重さが気になることもあった。
その点、次の「ナブッコ」は、音楽の作りや表現が明快なこともあり、オケの乗りや食いつきが良かった。冒頭のトロンボーンとチューバのアンサンブルも見事だったし、「行け、我が想いよ…」のメロディーもいい感じで歌っていた。それに、弦の上を弓が小刻みにバウンドするスピッカート(?)も息が合うなど、演奏の躍動感や勢いが冴え、オペラが始まる心踊るワクワク感を体現してくれた。
メインのブラ1は早稲フィルの実力が最大限に発揮された白熱の演奏。ティンパニの連打で始まる序奏から心は演奏に釘付けになった。過去2回聴いた定演でも感じたことだが、早稲フィルは、団員が物怖じすることなく果敢に音楽に飛び掛かり、大きな呼吸でダイナミックな表現を聴かせるところが素晴らしい。弦の各パートが自分の出番を待ち構えて、一丸となって食らいつく様子はリアリティに溢れ、大きな風に麦畑が波打つ様子が思い浮かぶ。
こういう姿勢で演奏に臨めるのは、現田さんの指揮の下、団員の結束力が強いからというのはもちろんだが、それぞれが自信を持って演奏に臨んでいるからこそできるのだろう。金管アンサンブルの充実した響きや、木管の各プレイヤーの表情も堂に入っていた。特に、オーボエの味わい深いソロと、大健闘のホルンが印象に残った。第2楽章での御供さん(コンマス披露?)のヴァイオリン・ソロも、伸びと力強さがあった。
若きブラームスが、このシンフォニーを仕上げるために長い年月をかけて心血を注いだ気概とエネルギーが、そのままの姿で目の前で展開されているような若さと情熱に溢れた演奏に、気持ちが高揚して体が熱くなった。エキサイティングで見事なブラ1に感動した。
早稲田大学フィルハーモニー管弦楽団第77回定期演奏会 2017.12.27 杉並公会堂
ブログ管理人作曲によるCD
さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~(MS:小泉詠子/Pf:田中梢)
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~第78回定期演奏会~
杉並公会堂
【曲目】
1.リスト/交響詩「前奏曲」
2.ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」序曲
3.ブラームス/交響曲第1番ハ短調Op.68
去年の春と冬の定期演奏会を聴いた早稲フィルは、小学校の音楽観賞教室で毎年お馴染みのオーケストラだったこともあり、今回は息子も誘って親子3人で出かけた。
前半は、前奏曲系が2つ並ぶプログラム。「前奏曲」とは言っても、リストの「レ・プレリュード」は、人生を俯瞰した壮大な交響詩。現田/早稲フィルは、ピッチカートによる緊張と静寂から、壮麗なテーマを堂々とした風格で立ち上がらせた。弦の刻みの荒々しい野性味が、波乱の人生を物語るようで、早々とトリハダが立った。ただ、様々な人生のシーンが描かれたこの作品は変化や起伏が多く、それら全てをリアルに表現するのは難しい部分もあり、音を置きに行く慎重さが気になることもあった。
その点、次の「ナブッコ」は、音楽の作りや表現が明快なこともあり、オケの乗りや食いつきが良かった。冒頭のトロンボーンとチューバのアンサンブルも見事だったし、「行け、我が想いよ…」のメロディーもいい感じで歌っていた。それに、弦の上を弓が小刻みにバウンドするスピッカート(?)も息が合うなど、演奏の躍動感や勢いが冴え、オペラが始まる心踊るワクワク感を体現してくれた。
メインのブラ1は早稲フィルの実力が最大限に発揮された白熱の演奏。ティンパニの連打で始まる序奏から心は演奏に釘付けになった。過去2回聴いた定演でも感じたことだが、早稲フィルは、団員が物怖じすることなく果敢に音楽に飛び掛かり、大きな呼吸でダイナミックな表現を聴かせるところが素晴らしい。弦の各パートが自分の出番を待ち構えて、一丸となって食らいつく様子はリアリティに溢れ、大きな風に麦畑が波打つ様子が思い浮かぶ。
こういう姿勢で演奏に臨めるのは、現田さんの指揮の下、団員の結束力が強いからというのはもちろんだが、それぞれが自信を持って演奏に臨んでいるからこそできるのだろう。金管アンサンブルの充実した響きや、木管の各プレイヤーの表情も堂に入っていた。特に、オーボエの味わい深いソロと、大健闘のホルンが印象に残った。第2楽章での御供さん(コンマス披露?)のヴァイオリン・ソロも、伸びと力強さがあった。
若きブラームスが、このシンフォニーを仕上げるために長い年月をかけて心血を注いだ気概とエネルギーが、そのままの姿で目の前で展開されているような若さと情熱に溢れた演奏に、気持ちが高揚して体が熱くなった。エキサイティングで見事なブラ1に感動した。
早稲田大学フィルハーモニー管弦楽団第77回定期演奏会 2017.12.27 杉並公会堂
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