6月5日(火)チェンバロのレクチャーコンサート
~外国語学部総合講座~
獨協大学35周年記念館小講堂
【曲目】
♪ ペッツォルト/メヌエット ト長調、ト短調
♪ ルイ・クープラン/前奏曲 ハ長調(プレリュード・ノン・ムジュレ)
♪ フランソワ・クープラン/前奏曲 ハ長調
♪ デュフリ/三美神
♪ バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻~第1番 ハ長調 BWV846
♪ バッハ/パルティータ第4番ニ長調 BWV 828~第1曲序曲
♪ バッハ/前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調(BWV 998)Es-Dur
♪ J.C. バッハ/ソナタ ト長調 Op.5-3
♪ ヘスラー/ソナタ イ短調
♪ バッハ/ゴルトベルク変奏曲 BWV988~アリア
【レクチャー&チェンバロ演奏】
木村佐千子
大学の授業の一環として公開で行われたレクチャーコンサートを聴いた。この授業の担当教員である木村先生のお話と、ご自身の楽器を持ち込んでの演奏に加え、チェンバロ製作家の島田氏をゲストに迎え、チェンバロの仕組みや歴史、チェンバロのために書かれた音楽や作曲家のことなど、興味深い話と素敵な演奏を楽しんだ。
チェンバロの音を出す仕組みを、爪が付いた板をチェンバロから外して見せながら分かりやすく説明してくれ、弦の長さや、一つの音を鳴らす弦の数のことなど、ちゃんとわかっていなかったことも知ることができた。鍵盤を押さえる微妙な加減が、音の大きさにまで影響を与えるということも知り、チェンバロの演奏で大切な要素についての認識も改まった。チェンバロという楽器は、思っていた以上にデリケートな楽器だと知った。
演奏曲目は、バッハより前のルイ・クープランから、前古典派のクリスチャン・バッハやヘスラーまで多彩な曲が並んだ。図形楽譜のような美しい譜面から現れたルイ・クープランのプレリュードの、装飾音をちりばめた優美な調べ、デリケートな音色に相応しいアゴーギクで優しい響きが立ち上った大クープランのプレリュード、端正で落ち着いた佇まいを聴かせたリュートのために書かれたバッハの作品、モーツァルトがいかにこの作曲家から音楽のエッセンスを吸収したかがわかるようなクリスチャン・バッハのソナタなど、普段あまりなじみのない作品からも、チェンバロ音楽の魅力を味わった。
学生にとっては、生で聴く機会はなかなかないチェンバロの演奏に触れるだけでなく、レクチャーの最後に、1人ずつ全員がチェンバロの音出しをできたのはレアな忘れがたい体験となったに違いない。僕も列に並んで音を出してみたが、軽いタッチで、澄んだ美しい響きが広がる感覚は素晴らしく、また、フルオーダーメイドという、美しい装飾と絵が施された、それ自体が見事な芸術品とも言える楽器を間近で見ることができたのも感動ものだった。島田氏が、「チェンバロ製作は、木を厳選するところから、演奏に立ち会うまで、ずっと関わっていられるところが魅力」と話してくれたが、職人と芸術家が一体となって仕上げた作品であると実感した。
獨協大学は音楽科があるわけではないが、僕が在学中はバッハ研究の大家とも言える杉山先生のゼミでバッハのカンタータの神髄を学べたり、関先生の「ドイツの音楽」の授業では、ハイドンの素晴らしさに目を開かせてもらったり、卒業後も、ベルリンフィルのメンバーによるコンサートシリーズや、「歓喜に寄せて」のレクチャーコンサート、バッハコレギウムジャパンによるルターの宗教改革のレクチャーコンサートなど、公開のコンサートに参加する機会があったりで、優れた研究者・指導者の下、学生のみならず、一般の人達もが音楽芸術を学び、体験する機会が継続的に提供されているのは、創立時から教養教育が重視されてきた獨協大学ならではの特長だろう。
ルターと音楽 ~鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパン~ 2017.11.11 獨協大学天野貞祐記念館大講堂
ブログ管理人作曲によるCD
さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~(MS:小泉詠子/Pf:田中梢)
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♪ ヘスラー/ソナタ イ短調
♪ バッハ/ゴルトベルク変奏曲 BWV988~アリア
【レクチャー&チェンバロ演奏】
木村佐千子
大学の授業の一環として公開で行われたレクチャーコンサートを聴いた。この授業の担当教員である木村先生のお話と、ご自身の楽器を持ち込んでの演奏に加え、チェンバロ製作家の島田氏をゲストに迎え、チェンバロの仕組みや歴史、チェンバロのために書かれた音楽や作曲家のことなど、興味深い話と素敵な演奏を楽しんだ。
チェンバロの音を出す仕組みを、爪が付いた板をチェンバロから外して見せながら分かりやすく説明してくれ、弦の長さや、一つの音を鳴らす弦の数のことなど、ちゃんとわかっていなかったことも知ることができた。鍵盤を押さえる微妙な加減が、音の大きさにまで影響を与えるということも知り、チェンバロの演奏で大切な要素についての認識も改まった。チェンバロという楽器は、思っていた以上にデリケートな楽器だと知った。
演奏曲目は、バッハより前のルイ・クープランから、前古典派のクリスチャン・バッハやヘスラーまで多彩な曲が並んだ。図形楽譜のような美しい譜面から現れたルイ・クープランのプレリュードの、装飾音をちりばめた優美な調べ、デリケートな音色に相応しいアゴーギクで優しい響きが立ち上った大クープランのプレリュード、端正で落ち着いた佇まいを聴かせたリュートのために書かれたバッハの作品、モーツァルトがいかにこの作曲家から音楽のエッセンスを吸収したかがわかるようなクリスチャン・バッハのソナタなど、普段あまりなじみのない作品からも、チェンバロ音楽の魅力を味わった。
学生にとっては、生で聴く機会はなかなかないチェンバロの演奏に触れるだけでなく、レクチャーの最後に、1人ずつ全員がチェンバロの音出しをできたのはレアな忘れがたい体験となったに違いない。僕も列に並んで音を出してみたが、軽いタッチで、澄んだ美しい響きが広がる感覚は素晴らしく、また、フルオーダーメイドという、美しい装飾と絵が施された、それ自体が見事な芸術品とも言える楽器を間近で見ることができたのも感動ものだった。島田氏が、「チェンバロ製作は、木を厳選するところから、演奏に立ち会うまで、ずっと関わっていられるところが魅力」と話してくれたが、職人と芸術家が一体となって仕上げた作品であると実感した。
獨協大学は音楽科があるわけではないが、僕が在学中はバッハ研究の大家とも言える杉山先生のゼミでバッハのカンタータの神髄を学べたり、関先生の「ドイツの音楽」の授業では、ハイドンの素晴らしさに目を開かせてもらったり、卒業後も、ベルリンフィルのメンバーによるコンサートシリーズや、「歓喜に寄せて」のレクチャーコンサート、バッハコレギウムジャパンによるルターの宗教改革のレクチャーコンサートなど、公開のコンサートに参加する機会があったりで、優れた研究者・指導者の下、学生のみならず、一般の人達もが音楽芸術を学び、体験する機会が継続的に提供されているのは、創立時から教養教育が重視されてきた獨協大学ならではの特長だろう。
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