facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

沼尻竜典指揮トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ

2006年01月20日 | pocknのコンサート感想録2006
1月20日(金)第一生命ホールのニューイヤーコンサート
第一生命ホール

【曲目】
1. モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲K.492
2.チャイコフスキー/組曲第4番ト長調Op.61「モーツァルティアーナ」
3.J.シュトラウスⅡ/歌劇「こうもり」序曲
4.        /ペルシャ行進曲
5.マスネー/歌劇「タイス」より瞑想曲 Vn:佐分利恭子
6.J.シュトラウスⅡ/ワルツ「春の声」Op.410
7.        /ポルカ「浮気心」Op.319
8.        /皇帝円舞曲Op.437
9.        /ワルツ「美しき青きドナウ」Op.314    
アンコール:
1.J.シュトラウスⅡ/トリッチ・トラッチ・ポルカ
2.J.シュトラウスⅠ+Ⅱ/ピッチカートポルカ
3.J.シュトラウスⅡ/ラデツキー行進曲

【演 奏】
沼尻竜典指揮トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ


今年最初のコンサートは招待券を戴いて第一生命ホールのニューイヤーコンサート。指揮者の沼尻さんの呼びかけで10年前に結成されたというトウキョウ・モーツァルトプレイヤーズによる幕開けは、モーツァルト・イヤーに相応しくフィガロの序曲。密度が濃くて磨かれた光沢があり落ち着いた響きは、デジタル的でないLPレコードのような味がある。そしてとても軽やかで、一瞬のうちのフォルテからピアノへの変わり身の速さやふわっとしたレッジェッロな感覚が気持ちいい。弦は遠くまで音が伸び、管はとても柔らかくブレンドされた至福の「フィガロ」だった。
続くチャイコフスキーの「モーツァルティアーナ」は一度聴いてみたいと思っていた曲。モーツァルトのチャームポイントを魅力あるオーケストレーションで味わえる一品。とりわけ終曲の「主題と変奏」は充実した内容。フィガロでも感じたが、ジューシーな瑞々しさ、竹を割ったような思いっきりの良さや、クライマックスに向けてどんどん高まる集中力も素晴らしい。これも沼尻さんの持ち味だろう。
後半はニューイヤーコンサートらしくシュトラウス中心のプログラム。腕とセンスの良いメンバーが奏でるシュトラウスは気負いがなく乗りが良く、曲の楽しい気分がとてもよく伝わってくる。「日本人である私たちがわざとウィーン訛りで演奏したら反っておかしい」と沼尻さんがプログラムに書いていた通り、目だって手を加えることはしない演奏だったが、このメンバーならもう少し「作った」演奏をしてもきっと様になって面白いはず。その証拠に「アンコールの意味合いも含めて(沼尻さん談)」遊び心も入れて演奏された「青きドナウ」は、序奏の後のワルツの開始部分や、フレーズの出だしなど、心憎いような「ウィーン節」が随所に見られ大変魅力的だった。ホルンをはじめニュアンス豊かで安定した管楽器群が素敵な味付けをしてくれたのも嬉しい。そして3曲のアンコールで、大人し目だった聴衆もどんどん乗ってきて「ラデツキー」では大いに盛り上がった。
沼尻竜典/トウキョウ・モーツァルトプレイヤーズの演奏はとても気に入った。今度はオールモーツァルトプログラムがいいかな・・・

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コニカミノルタ カメラ完全撤退 | トップ | 祝!! モーツァルト生誕250周... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

pocknのコンサート感想録2006」カテゴリの最新記事