11月15日(金)アンドレス・オロスコ・エストラーダ 指揮 NHK交響楽団
《2024年11月Cプロ》 NHKホール
【曲目】
1.ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲
2.ヴァインベルク/トランペット協奏曲変ロ長調 Op.94![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart.gif)
(アンコール)
♪ フリードリヒ/a song for Japan![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_heart.gif)
Tp:ラインホルト・フリードリヒ
3.ショスタコーヴィチ/交響曲第5番ニ短調 Op.47
11月のN響定期は3つのプログラムそれぞれを別の指揮者が受け持ち、CプロのエストラーダはN響初登場。コンマス席には読響にいた長原さんが座った。
エストラーダの指揮は大きな振りで音楽を的確に示し、立体的に表現する。N響から出てくる音はピュアで、演奏はスマートで颯爽としていた。鋭さや集中力にも並々ならぬものが感じられた。終演後は、一旦収まった拍手がまた盛り返して「一般参賀」となったし、SNSでは絶賛のコメントで溢れたが、僕の心にはあまり響かなかった。
タンホイザー序曲は機能的で整然とした演奏だったが、この曲はもっと熱気ムンムンで濃厚に表現して欲しかったし、特にショスタコーヴィチではエストラーダがこの音楽から何を伝えようとしているのか、感じ取ることが難しかった。
例えば第2楽章の開始は低弦が怒涛のようにアグレッシブに攻めて来て身を乗り出して聴き入るも、その後は抑制的になってしまったり、第3楽章では水を打ったような静寂な緊迫感が支配したが、それが盛り上がって熱く迫ってくるはずのところが煮え切らなかったり。終楽章の最終盤ではズシリと迫るものがあったが、この曲が成立した背景を知ってからは、颯爽とした機能美のパフォーマンスではない、作曲者の心の葛藤や反骨精神が感じられる演奏をどうしても求めてしまい、それが感じられない演奏には心が動かなかった。
ヴァインベルクのコンチェルトでは、フリードリヒのトランペットが見事だった。名手ということでテクニックが申し分ないのは想定内だが、懐の深い頼もしさとか、歌いまわしへのこだわりとか、温かな人情が感じられるところに、フリードリヒのただならぬ器の大きさを感じた。
このCプロの2回のステージが、長年N響ファゴット奏者として貢献してきた菅原恵子さんにとって最後になることをXで知った。菅原さんがカーテンコールで一人立ったときは、ねぎらいの気持ちを込めて拍手を送ることができた。知っている聴衆は多いようで菅原さんに大きな拍手とブラボーが送られた。ただ、他のオケがやっているような、会場でのお知らせ掲示はないし、機関誌「フィルハーモニー」にも何も記されていない。以前ブログにも書いたが、広報は団員の情報をXだけでなくもっと積極的に発信してもらいたい。それが聴衆のN響への親近感にも繋がると思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/ef/7951811c3655f8cee5f5f8a5f9e74d07.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/cf/6a76a608e2cadbe2517eaa34775e74a4.jpg)
残すは一日となった菅原さん。明日は花束贈呈があるかな![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
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エストラーダの指揮は大きな振りで音楽を的確に示し、立体的に表現する。N響から出てくる音はピュアで、演奏はスマートで颯爽としていた。鋭さや集中力にも並々ならぬものが感じられた。終演後は、一旦収まった拍手がまた盛り返して「一般参賀」となったし、SNSでは絶賛のコメントで溢れたが、僕の心にはあまり響かなかった。
タンホイザー序曲は機能的で整然とした演奏だったが、この曲はもっと熱気ムンムンで濃厚に表現して欲しかったし、特にショスタコーヴィチではエストラーダがこの音楽から何を伝えようとしているのか、感じ取ることが難しかった。
例えば第2楽章の開始は低弦が怒涛のようにアグレッシブに攻めて来て身を乗り出して聴き入るも、その後は抑制的になってしまったり、第3楽章では水を打ったような静寂な緊迫感が支配したが、それが盛り上がって熱く迫ってくるはずのところが煮え切らなかったり。終楽章の最終盤ではズシリと迫るものがあったが、この曲が成立した背景を知ってからは、颯爽とした機能美のパフォーマンスではない、作曲者の心の葛藤や反骨精神が感じられる演奏をどうしても求めてしまい、それが感じられない演奏には心が動かなかった。
ヴァインベルクのコンチェルトでは、フリードリヒのトランペットが見事だった。名手ということでテクニックが申し分ないのは想定内だが、懐の深い頼もしさとか、歌いまわしへのこだわりとか、温かな人情が感じられるところに、フリードリヒのただならぬ器の大きさを感じた。
このCプロの2回のステージが、長年N響ファゴット奏者として貢献してきた菅原恵子さんにとって最後になることをXで知った。菅原さんがカーテンコールで一人立ったときは、ねぎらいの気持ちを込めて拍手を送ることができた。知っている聴衆は多いようで菅原さんに大きな拍手とブラボーが送られた。ただ、他のオケがやっているような、会場でのお知らせ掲示はないし、機関誌「フィルハーモニー」にも何も記されていない。以前ブログにも書いたが、広報は団員の情報をXだけでなくもっと積極的に発信してもらいたい。それが聴衆のN響への親近感にも繋がると思う。
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残すは一日となった菅原さん。明日は花束贈呈があるかな
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