10月25日(土)ピアノ:児玉麻里/児玉 桃
~児玉 桃 メシアン・プロジェクト2008 第3回~
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
【曲目】
1. ラヴェル/組曲「マ・メール・ロア」
2.モーツァルト/2台のピアノのためのソナタ ニ長調K.488
3. メシアン/アーメンの幻想
メシアン生誕100年を記念して児玉桃が内外のアーティストと組んで5回シリーズで行なっているプロジェクトの第3回、児玉麻里とのピアノデュオ リサイタルを聴いた。
まずは連弾でラヴェルの「マ・メール・ロア」。ピアノの澄んだ音色、くっきりと浮かぶメロディー、淀みなく洒脱に流れる音楽が清々しい。とりわけテンポが速いというわけではないが、スイスイと軽やかに進んで行く印象う受け、とても心地よい「マ・メール・ロア」。
続くモーツァルトはテレビの「のだめ」でやったのが記憶に新しいが、昔から大好きな曲。だが、生の演奏で通して聴くのは初めてかも。児玉姉妹の演奏は素晴らしかった。テンポの良さ、切れ味の良さ、センスの良さ… 音楽が嬉々として笑い、微笑み、しゃべりかけてくる。相変わらず美しい音色で活き活きと、自然に前へ前へと進む。
2台のピアノならではのダイナミズムにも堪能。とてもシンフォニックでもあるが、重い大オーケストラの音ではなく、精鋭を集めた室内オーケストラを聴いているよう。最初のトゥッティに続きオーボエがテーマを吹き、ファゴットが相の手のリズムで応える、それに弦が絡んでいく… そんなイメージがリアルに浮かぶ色彩感とイマジネーション溢れるモーツァルト。こんな演奏でこの曲を聴きたかった!
休憩を挟んでこのプロジェクトの肝心のメインの曲となった。前半ではプリモ、第1ピアノを弾いていた児玉桃が第2ピアノ(向かって右)を担当。この曲では主に第2ピアノが音楽の幹になる部分を演奏し、第1ピアノがそれを装飾するようになっているためだろう。
前半同様の切れ味が良く鋭いタッチに加え、強烈なパンチを交えて眩いばかりの色彩を描いて行く。メシアンは聴覚として音を聴くと視覚として色彩が浮かぶ「共感覚」の持ち主ということでも知られるが、そんなメシアンの視覚に映ったであろう鮮やかで変化に富んだ極彩色の色彩が次々と現れてくるよう。
終曲「成就のアーメン」での目も醒める強烈な色彩、町中の教会の鐘が鳴らされ、それらが重なり合ってけたたましいまでに鳴り響くような最後のシーンは圧倒的。音楽で何か超自然的な効果を生み出し、畏怖を感じさせて信仰に帰依させる音楽としても効果抜群だろう。このデュオの実力とセンスがここでも文句なしに発揮された。
(告白)
演奏会のために降り立った与野本町のホームで幼なじみの「会長さん」に偶然会った。「メシアンみたいな陶酔系の音楽は聴いていて陶酔して眠くなるから気をつけないと…」と休憩時間に会長さんに話したのだが、この演奏の後で「これなら眠くならなかったでショ?」と聞かれ、「うん」とつい答えてしまったのだが、実は途中でちょっと眠くなってしまった。正直に答えられずゴメンナサイ。。。メシアンの長い曲はやっぱりどこかで眠くなってしまうのが悔しい。
~児玉 桃 メシアン・プロジェクト2008 第3回~
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
【曲目】
1. ラヴェル/組曲「マ・メール・ロア」
2.モーツァルト/2台のピアノのためのソナタ ニ長調K.488
3. メシアン/アーメンの幻想
メシアン生誕100年を記念して児玉桃が内外のアーティストと組んで5回シリーズで行なっているプロジェクトの第3回、児玉麻里とのピアノデュオ リサイタルを聴いた。
まずは連弾でラヴェルの「マ・メール・ロア」。ピアノの澄んだ音色、くっきりと浮かぶメロディー、淀みなく洒脱に流れる音楽が清々しい。とりわけテンポが速いというわけではないが、スイスイと軽やかに進んで行く印象う受け、とても心地よい「マ・メール・ロア」。
続くモーツァルトはテレビの「のだめ」でやったのが記憶に新しいが、昔から大好きな曲。だが、生の演奏で通して聴くのは初めてかも。児玉姉妹の演奏は素晴らしかった。テンポの良さ、切れ味の良さ、センスの良さ… 音楽が嬉々として笑い、微笑み、しゃべりかけてくる。相変わらず美しい音色で活き活きと、自然に前へ前へと進む。
2台のピアノならではのダイナミズムにも堪能。とてもシンフォニックでもあるが、重い大オーケストラの音ではなく、精鋭を集めた室内オーケストラを聴いているよう。最初のトゥッティに続きオーボエがテーマを吹き、ファゴットが相の手のリズムで応える、それに弦が絡んでいく… そんなイメージがリアルに浮かぶ色彩感とイマジネーション溢れるモーツァルト。こんな演奏でこの曲を聴きたかった!
休憩を挟んでこのプロジェクトの肝心のメインの曲となった。前半ではプリモ、第1ピアノを弾いていた児玉桃が第2ピアノ(向かって右)を担当。この曲では主に第2ピアノが音楽の幹になる部分を演奏し、第1ピアノがそれを装飾するようになっているためだろう。
前半同様の切れ味が良く鋭いタッチに加え、強烈なパンチを交えて眩いばかりの色彩を描いて行く。メシアンは聴覚として音を聴くと視覚として色彩が浮かぶ「共感覚」の持ち主ということでも知られるが、そんなメシアンの視覚に映ったであろう鮮やかで変化に富んだ極彩色の色彩が次々と現れてくるよう。
終曲「成就のアーメン」での目も醒める強烈な色彩、町中の教会の鐘が鳴らされ、それらが重なり合ってけたたましいまでに鳴り響くような最後のシーンは圧倒的。音楽で何か超自然的な効果を生み出し、畏怖を感じさせて信仰に帰依させる音楽としても効果抜群だろう。このデュオの実力とセンスがここでも文句なしに発揮された。
(告白)
演奏会のために降り立った与野本町のホームで幼なじみの「会長さん」に偶然会った。「メシアンみたいな陶酔系の音楽は聴いていて陶酔して眠くなるから気をつけないと…」と休憩時間に会長さんに話したのだが、この演奏の後で「これなら眠くならなかったでショ?」と聞かれ、「うん」とつい答えてしまったのだが、実は途中でちょっと眠くなってしまった。正直に答えられずゴメンナサイ。。。メシアンの長い曲はやっぱりどこかで眠くなってしまうのが悔しい。