12月28日(日)
La lumière musicale
~2008年の感謝と愛を込めて~
ラ・フォルテ
【出演】
S:松井亜希/MS:坂上賀奈子/T:小俣貴弘/Bar:加耒 徹/Pf:辻田祐希
【曲目】
1.ブラームス/おお、美しき夜
2.ブラームス/姉妹
3.ブラームス/ワルツOp.39-15
4.メンデルスゾーン/詩篇42より「鹿が谷川の水を慕い求めるように」
5.クィルター/若者と恋する狼が
6.クィルター/来たれ、死よ
7.ヴォーン・ウィリアムズ/静かな午後
8.バーバー/この輝ける夜に
9.ラヴェル/クープランの墓より「リゴドン」
10.サン=サーンス/牧歌
11.フォーレ/黄金の涙
12.フォーレ/タランテラ
13.フォーレ/ラシーヌ賛歌
【アンコール】
「日本の四季メドレー」から秋、冬 他
ジブリ美術館にほど近い静かな場所にあるイタリアン・レストラン「ラ・フォルテ」の地下の50人ほどの客席が入れるこじんまりした素敵なコンサートサロンで行なわれた芸大出身の若手演奏家によるコンサートに出かけた。
ソプラノの松井亜希さんが「一年の感謝を込めて」ということで企画し、日頃から共演する機会も多い仲間を集め、歌曲中心のプログラムが組まれた。「客席とステージが一体となる小さな空間に相応しい選曲」ということで、オペラではなく温かい「心」をしみじみと歌うような歌曲が、デュオや四重唱、ソロなどいろいろな組み合わせで歌われ、その間にピアノ・ソロが入るというとても多彩でありながら落ち着いた統一感のある素敵なプログラム。
ドイツ歌曲、英米の歌曲、フランス歌曲という3部構成だったが、まず選曲がいい。誰でも知っている曲といえばピアノソロのブラームスのワルツぐらいで、初めて聴くような曲もたくさんあったが、どれもとても魅力的な曲だ。オープニングのブラームスの「おお、美しき夜」はブラームスの歌では有名な方だが、続く「姉妹」は多分初めてきいた。活き活きして微笑ましくてかわいらしい。メンデルスゾーンの「詩篇」はしっとりした本当に美しい曲。
そして英米の歌曲はまさに発見の連続。クィルターなんて作曲家の名前自体聞いたことがなかったが、その音楽はすぅっと心に入ってくる。メロディーが親しみやすいだけでなく、そんな平易な音楽が心を打つのはやっぱり作曲家のセンスだろう。フランスの歌ではフランス語の響きのせいもあるのだろうが、一段と柔らかな歌声がサロンを包んだ。
どの曲もとても心に響き、楽しむことができたのは良い曲が選ばれていたのと同時に演奏が素晴らしかったから。都心からちょっと離れた住宅街の一角の小さなサロンでこんなにも質の高い演奏会が聴けるなんて幸せだ。毎晩都内の有名ホールであまたの演奏会が行なわれているが、今夜のような心に沁みるコンサートにはそうは出会うことはできない。4人の歌手とピアニストが心を込めて届けてくれた音楽はそのまま聴くものの心に響いた。
それぞれのソロも素晴らしかったし、アンサンブルでの演奏もよかった。同じ空気を感じて一緒にその空気を震わせて温めているような一体感。アンコールの最後に演奏した「日本の四季メドレー」では懐かしい旋律が次々と出てきて、ピュアなハーモニーで本当に心のこもった歌とピアノの調べに胸がじーんとした。
普段とちょっと違うアットホームなコンサートが今年最後の演奏会となったが、温かいものをたくさんもらって家路についた。来年も素敵な演奏に出会えそうないい気分になった。
La lumière musicale
~2008年の感謝と愛を込めて~
ラ・フォルテ
【出演】
S:松井亜希/MS:坂上賀奈子/T:小俣貴弘/Bar:加耒 徹/Pf:辻田祐希
【曲目】
1.ブラームス/おお、美しき夜
2.ブラームス/姉妹
3.ブラームス/ワルツOp.39-15
4.メンデルスゾーン/詩篇42より「鹿が谷川の水を慕い求めるように」
5.クィルター/若者と恋する狼が
6.クィルター/来たれ、死よ
7.ヴォーン・ウィリアムズ/静かな午後
8.バーバー/この輝ける夜に
9.ラヴェル/クープランの墓より「リゴドン」
10.サン=サーンス/牧歌
11.フォーレ/黄金の涙
12.フォーレ/タランテラ
13.フォーレ/ラシーヌ賛歌
【アンコール】
「日本の四季メドレー」から秋、冬 他
ジブリ美術館にほど近い静かな場所にあるイタリアン・レストラン「ラ・フォルテ」の地下の50人ほどの客席が入れるこじんまりした素敵なコンサートサロンで行なわれた芸大出身の若手演奏家によるコンサートに出かけた。
ソプラノの松井亜希さんが「一年の感謝を込めて」ということで企画し、日頃から共演する機会も多い仲間を集め、歌曲中心のプログラムが組まれた。「客席とステージが一体となる小さな空間に相応しい選曲」ということで、オペラではなく温かい「心」をしみじみと歌うような歌曲が、デュオや四重唱、ソロなどいろいろな組み合わせで歌われ、その間にピアノ・ソロが入るというとても多彩でありながら落ち着いた統一感のある素敵なプログラム。
ドイツ歌曲、英米の歌曲、フランス歌曲という3部構成だったが、まず選曲がいい。誰でも知っている曲といえばピアノソロのブラームスのワルツぐらいで、初めて聴くような曲もたくさんあったが、どれもとても魅力的な曲だ。オープニングのブラームスの「おお、美しき夜」はブラームスの歌では有名な方だが、続く「姉妹」は多分初めてきいた。活き活きして微笑ましくてかわいらしい。メンデルスゾーンの「詩篇」はしっとりした本当に美しい曲。
そして英米の歌曲はまさに発見の連続。クィルターなんて作曲家の名前自体聞いたことがなかったが、その音楽はすぅっと心に入ってくる。メロディーが親しみやすいだけでなく、そんな平易な音楽が心を打つのはやっぱり作曲家のセンスだろう。フランスの歌ではフランス語の響きのせいもあるのだろうが、一段と柔らかな歌声がサロンを包んだ。
どの曲もとても心に響き、楽しむことができたのは良い曲が選ばれていたのと同時に演奏が素晴らしかったから。都心からちょっと離れた住宅街の一角の小さなサロンでこんなにも質の高い演奏会が聴けるなんて幸せだ。毎晩都内の有名ホールであまたの演奏会が行なわれているが、今夜のような心に沁みるコンサートにはそうは出会うことはできない。4人の歌手とピアニストが心を込めて届けてくれた音楽はそのまま聴くものの心に響いた。
それぞれのソロも素晴らしかったし、アンサンブルでの演奏もよかった。同じ空気を感じて一緒にその空気を震わせて温めているような一体感。アンコールの最後に演奏した「日本の四季メドレー」では懐かしい旋律が次々と出てきて、ピュアなハーモニーで本当に心のこもった歌とピアノの調べに胸がじーんとした。
普段とちょっと違うアットホームなコンサートが今年最後の演奏会となったが、温かいものをたくさんもらって家路についた。来年も素敵な演奏に出会えそうないい気分になった。