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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ・オーケストラ

2008年07月09日 | pocknのコンサート感想録2008
7月9日(水)クリスティアン・フンケ(Vn)/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ・オーケストラ
~平日の午後に味わう至福の時間 ベスト・オブ・バロック~

東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
【曲目】
1.ヘンデル/「水上の音楽」組曲第1番へ長調~Allegro-Andante-Allegro
2.ヴィヴァルディ/協奏曲集「調和の霊感」~第8番イ短調
3.パッヘルベル/カノン
4.ヘンデル/オンブラ・マイ・フ
5.バッハ/管弦楽組曲第3番~アリア
6.バッハ/管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067
7.バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
8.バッハ/ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
【アンコール】
ヘンデル/「ソロモン」~第3幕の前奏曲「シバの女王の入城」

平日の午後に仕事を休んで優雅にバロック音楽を楽しむのはいい。まずはホール近くの「かに道楽」でちょっと贅沢なランチをとり、夫婦でバッハゆかりの地であるライプツィヒから来日したゲバントハウスバッハオーケストラの演奏会を楽しんだ。

このオケは「ライプツィヒのバッハ演奏の伝統を受け継いだ」モダン楽器によるモダン演奏のアンサンブル。「歌」と「豊かな響き」を大切にした演奏はどこまでも耳に心地良い。「バッハ演奏の伝統」とか「ライプツィヒ」という言葉からは、くすんだ渋い色合いを思い浮かべてしまうが、聴こえてくる響きは艶やかで明るい。そしてしっかりした語法、伝統的な修辞法を織り込んで、ただの癒し系の心地よさではなく、くっきりとした足跡を残していく。そうした堅実な姿勢はとりわけ後半のバッハの3つのまとまった作品で印象に残った。

アンサンブルの響きも充実しているし、リーダーのフンケのヴァイオリンを始め、フルート(ブランデンブルク協奏曲4番もフルートを使用)、ホルン、オーボエなどのソロ楽器奏者達の腕前も達者だ。こうしたタイプの演奏は、CDのベストセラーを出したり、満員のお客を集めたりすることにはあまり縁がないかも知れない。しかし、伝統に身を委ねるだけでなく切磋琢磨してその伝統に命を吹き込む姿勢を失わなければ、これから先、例えばピリオド奏法が更なる変化を遂げて行ったとしても、その前もそれから後も変わらぬバッハの町の伝統に育まれてきた生き証人として、その存在価値は衰えることはないと思う。

演奏会のあとは、今度は子供たちも連れて好例の浅草ほおずき市へ繰り出した。休暇ってのはいいもんだ。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
平日の午後に (一静庵)
2008-07-10 23:03:07
コンサート会場でお目にかかるとは思いませんでした。1日中ご家族とお過ごしになったのですね。私も帰りがけに地下鉄で、ほうずきの鉢を持っている人を見かけました。
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Re: 平日の午後に (pockn)
2008-07-11 17:11:16
私もビックリでした。一静庵さんとは度々演奏会場でお目にかかりますが、クラシックという結構狭い世界、会場に居合わせている人のかなり多くの方とは、度々同じ場でご一緒しているのかも知れませんね…
返信する

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