2月21日(金)下野竜也 指揮 NHK交響楽団
《2025年2月Cプロ》 NHKホール
【曲目】
1.スッペ/喜歌劇「軽騎兵」序曲
2.サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲 第3番ロ短調 Op.61
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Vn:三浦文彰
3.スッペ/喜歌劇「詩人と農夫」序曲
4.オッフェンバック/ロザンタール編/バレエ音楽「パリの喜び」(抜粋)
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2月のN響C定期は下野竜也の指揮。音楽鑑賞教室などでお馴染みのスッペの序曲が2曲入るなど、親しみやすいプログラムを内容の濃い演奏で楽しんだ。
最初の「軽騎兵序曲」は音がギュッと詰まった高い密度の響きが脈々と息づき、引き締まった能動的な演奏を聴かせてオープニングを飾った。もう一曲のスッペの序曲「詩人と農夫」でも下野の指揮が冴え、楽しく心躍る快演を聴かせた。
サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲では、三浦文彰の濃厚で熱い音で奏でるアグレッシブなヴァイオリンに引き込まれた。三浦のヴァイオリンは、攻めの姿勢のオケに埋もれることなくスポットライトが当たったような存在感を示し、柔軟でしなやかで逞しい。第2楽章での柔らかな感触の甘美な表情、その終わりにビロードのような音色で繰り返されるアルペッジョは天上的で幻想的な美しさを湛えていた。三浦の多彩な魅力が多方面で発揮されたサン=サーンスだった。アンコールは残念ながらなし。
プログラムの最後を飾ったのはオッフェンバックのオーケストラ小品を集めた賑やかで楽しい組曲。運動会でかかるような元気いっぱいの曲が多いなか、しっとり聴かせる曲もある。下野は全身を大きく使った機敏でしなやかな指揮で、ここでも濃密で熱量の高い能動的な演奏を聴かせた。単なるお祭り騒ぎで終わらせず、無駄のない集中力で艶やかな音が生き、それぞれの音楽の気分を伝えた。
N響はとにかく上手い。こういう曲目で上手すぎると反ってつまらなくなるのではという気もしていたが、上手い演奏ならではの、的確に核心を突いてウィットに富んだ演奏がはじけ、気分を高揚させてくれた。下野は音楽に対する鋭い嗅覚を持ち、その音楽の持ち味を凝縮して開花させる術を心得ている。定期会員でなければ聴くことはないプログラムだったが、ここまで楽しませてもらえて得した気分になった。
このC定期がトロンボーンの𠮷川武典さんにとっての最後の定期になるとN響のXで知ったので、終演後にステージ上で𠮷川さんが立ったときは大きな拍手を送った。プログラムの「フィルハーモニー」は団員の退団について相変わらず何も伝えないのは残念。翌日のCプロ2日目は𠮷川さんへの花束セレモニーがあり、三浦さんのアンコールもあったそうで、N響定期は2日目の方が色々とメリットが多いと思った。
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2月C定期が現役最後の定期出演となるトロンボーンの𠮷川武典さん
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小林研一郎指揮 読売日響(Vn:三浦文彰) ~2020.7.21 サントリーホール~
N響 2019年4月B定期(下野竜也 指揮) ~2019.4.25 サントリーホール~
2014年10月B定期(下野竜也 指揮) ~2014.10.30 サントリーホール~
下野竜也指揮 新日フィル ~2014.2.21 東京芸術劇場~
メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲他(Vn:三浦文彰)~2012.4.4 石橋メモリアルホール~
N響公演の感想タイトルリスト(2017~)
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《2025年2月Cプロ》 NHKホール
【曲目】
1.スッペ/喜歌劇「軽騎兵」序曲
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2.サン=サーンス/ヴァイオリン協奏曲 第3番ロ短調 Op.61
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Vn:三浦文彰
3.スッペ/喜歌劇「詩人と農夫」序曲
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4.オッフェンバック/ロザンタール編/バレエ音楽「パリの喜び」(抜粋)
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2月のN響C定期は下野竜也の指揮。音楽鑑賞教室などでお馴染みのスッペの序曲が2曲入るなど、親しみやすいプログラムを内容の濃い演奏で楽しんだ。
最初の「軽騎兵序曲」は音がギュッと詰まった高い密度の響きが脈々と息づき、引き締まった能動的な演奏を聴かせてオープニングを飾った。もう一曲のスッペの序曲「詩人と農夫」でも下野の指揮が冴え、楽しく心躍る快演を聴かせた。
サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲では、三浦文彰の濃厚で熱い音で奏でるアグレッシブなヴァイオリンに引き込まれた。三浦のヴァイオリンは、攻めの姿勢のオケに埋もれることなくスポットライトが当たったような存在感を示し、柔軟でしなやかで逞しい。第2楽章での柔らかな感触の甘美な表情、その終わりにビロードのような音色で繰り返されるアルペッジョは天上的で幻想的な美しさを湛えていた。三浦の多彩な魅力が多方面で発揮されたサン=サーンスだった。アンコールは残念ながらなし。
プログラムの最後を飾ったのはオッフェンバックのオーケストラ小品を集めた賑やかで楽しい組曲。運動会でかかるような元気いっぱいの曲が多いなか、しっとり聴かせる曲もある。下野は全身を大きく使った機敏でしなやかな指揮で、ここでも濃密で熱量の高い能動的な演奏を聴かせた。単なるお祭り騒ぎで終わらせず、無駄のない集中力で艶やかな音が生き、それぞれの音楽の気分を伝えた。
N響はとにかく上手い。こういう曲目で上手すぎると反ってつまらなくなるのではという気もしていたが、上手い演奏ならではの、的確に核心を突いてウィットに富んだ演奏がはじけ、気分を高揚させてくれた。下野は音楽に対する鋭い嗅覚を持ち、その音楽の持ち味を凝縮して開花させる術を心得ている。定期会員でなければ聴くことはないプログラムだったが、ここまで楽しませてもらえて得した気分になった。
このC定期がトロンボーンの𠮷川武典さんにとっての最後の定期になるとN響のXで知ったので、終演後にステージ上で𠮷川さんが立ったときは大きな拍手を送った。プログラムの「フィルハーモニー」は団員の退団について相変わらず何も伝えないのは残念。翌日のCプロ2日目は𠮷川さんへの花束セレモニーがあり、三浦さんのアンコールもあったそうで、N響定期は2日目の方が色々とメリットが多いと思った。
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2月C定期が現役最後の定期出演となるトロンボーンの𠮷川武典さん
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小林研一郎指揮 読売日響(Vn:三浦文彰) ~2020.7.21 サントリーホール~
N響 2019年4月B定期(下野竜也 指揮) ~2019.4.25 サントリーホール~
2014年10月B定期(下野竜也 指揮) ~2014.10.30 サントリーホール~
下野竜也指揮 新日フィル ~2014.2.21 東京芸術劇場~
メンデルスゾーン/弦楽八重奏曲他(Vn:三浦文彰)~2012.4.4 石橋メモリアルホール~
N響公演の感想タイトルリスト(2017~)
pocknのコンサート感想録について
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