facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

台北 ~古くて新しくて楽しくて美味しい町~

2017年09月07日 | おもしろすぎる台湾
2015年3月31日(火)

台湾旅行最終日。飛行機は夕方6時過ぎの便なので、それまで目いっぱい楽しもう。今日は一日台北市内。まずは行きつけの朝ごはん屋さん(永和豆漿)で一日の元気を蓄える。朝の身体に豆漿は優しく沁み込んで来る! 帰りにお店の人たちと記念写真。「明年見!(また来年!)」と挨拶を交わして、台北の街へと繰り出した。


孔子廟
最初にやって来たのは孔子廟。捷運(MRT)淡水線の圓山站(駅)から歩いて5分。以前にも来たことがあるが、息子が受験の年を迎えるので、学問の神様にあやかって再訪。立派な門構えの台北孔子廟は、台湾を代表する孔子廟だ。




境内に入るとお姐さんが寄って来て「日本人?これから映画をやるから早く早く!」と一生懸命誘ってきた。15分ぐらいだというので観ることにした。立派なシアターに案内され、3D用メガネを受け取り着席。今どきの映画館みたいな立派な椅子だ。

映画はCGを駆使して、孔子廟と孔子の教えについて、日本語字幕付きでわかりやすく、楽しく、アドベンチャー風の物語に仕立てられた子供向けのプログラム。立体で迫力の映像のうえに、振動やスチームや風を起こしてリアルに体験できるエキサイティングな4Dシアターのアトラクションは大人でも楽しめて勉強にもなった。


台湾のお寺はこれでもか!というほどの彫刻や装飾が施されたところが多いが、孔子廟は台南もそうだが建物の配置もシステマチックだし、装飾もほどほどで、全体的にすっきりした印象がある。これも孔子の教え、儒教が関係しているのかも知れない。




境内ではボランティアの人達が短冊に毛筆で願い事を書いてくれたり、日本語の歌を歌ったりしていた。うちらもそれぞれ願い事を書いてもらった。息子は「学業前進」、いい言葉をもらった!


お年寄りのボランティアが日本人の女の子たちと日本語で楽しそうにおしゃべりしていた。日本語世代の方のようで、日本からの訪問者に嬉しそうだった。

台湾のお寺では、親切に案内してくれる人がいたり、お線香やお粥を無料で配っていることが多い。ここ孔子廟はその中でもとりわけ訪れる人を歓迎してくれるお寺だ。ボランティアが沢山いて、本格的な4Dシアター映画を無料で体験でき、日本語のパンフレットも何種類ももらった。

こうした働きかけは布教という意味でも有効だろうし、自らの徳を高めることにもなるのだろうが、台湾では、純粋に信仰による無償の善意として伝わってくる。これが台湾人の優しさの源のような気がする。とてもほっこりとした気分で孔子廟を後にした。

迪化街
台北に来れば必ず訪れる問屋街の迪化街。食品を扱う問屋ではカラスミやドライマンゴー、瓜子(カボチャの種)などの買い物で外せないし、名物「平安亀」やパイナップルケーキ、緑豆糕などなど中華菓子では欠かせない李香亭もある。それに、最近は老朽化して空き家状態だった古い建物が次々とリノベされ、レトロな感じを残しつつシャレたお店が出来ているので散歩が楽しい。


そんなリノベスポットの一つとして、洋風の素敵なギャラリーがオープンしていた。


展示されていたのは台湾の作家が制作した色鮮やかな多色刷りの版画作品。受付の人も誰もおらず、静かな室内で1枚ずつ作品を見て回った。




こちらは昔から続く桶屋さん。木の香りが漂ってくる。


そして、いつも立ち寄る奥さんお気に入りの竹細工のお店。しっかり作られていて形も良く、それに1つ100元(400円弱)とお手頃のものが多い。ここで小物を購入。ネットで紹介されたのか、日本人のお客が随分増えた気がする。




更に進むと、中華風の古めかしい店構えだけれど、キレイに修復されたお茶屋さんが目に留まったので入ってみた。表には「臻味茶苑」の看板。


すると、お店のご主人らしきおじいさんが流暢な日本語で話しかけて来て、建物について、お店の家具・調度類について、壁や天井のことなど、あちこち案内しながら説明してくれた。この建物は「林五湖本館」という名前だそうで、その屋号の看板が屋内に掲げられていた。


この建物も含めた並びの3軒は150年以上前に建てられ、迪化街で最も古くて歴史的な価値があり、政府の保存協力要請を受けて補助金をもらって修復したという。

閩南式(みんなんしき)という中国の古い伝統的な様式の特徴は、三進式といって、通りから奥へ3つの建物が繋がり、途中に中庭があるスタイル。その中庭も見せてくれた。建物が軒を連ねる通りの奥にこんな空間があったとは意外!

終戦まで日本に住んでいて、その後台湾に戻ってきたという85歳のおじいさんは、自分のことを「日本人だった」と言い、「昭和6年生まれ。日本と台湾は心が繋がっています。台湾は日本に感謝しているんです。だから震災のときも一番に援助をしたんです。過去にはいろいろあったこともあるけれど、それは昔の話。それに戦争だから仕方なかった…」


日本へ熱い思いを寄せてくれるのは、前に三峡で会ったおじいさんと同じで、「日本語世代」と呼ばれる人たちに共通する日本への思いなのかも知れない。
「コリアはダメ!日本が作ったものをみんな壊してしまうし、日本語がわかる人もわざと使わない。」
同じ時期に植民地として統治した台湾と韓国では、日本への感情が余りにも異なるのは、両国の歴史や背景の違いがあるはずだが、統治時代のものも含めて日本をここまで大切にしてくれる台湾には敬意さえ感じる。

お茶屋さんなのにお茶の購入を勧められることもなく、その上娘は落款入りの出来立ての書の作品までもらってしまった。なんて親切な!
「ここを通ったらまたいつでも寄ってくださいね。」とおじいさんに見送られて店を後にした。


(後日談)
翌年、またおじいさんに会いたくて、日本のお菓子を手土産にこの店を訪れたがおじいさんは見当たらないどころか、お店にいた人に訊ねても「そういう方はこの店にはいません。」と言われた。もう少し詳しく説明したら、「ああ、そうした日本人が来ると喜んで話しかけるお年寄りは何人も店に出入りしてますけど、この店の人ではありません。」とのこと。そうだったのか… それでお茶を売ろうとしなかったのか。でもまた会いたいな。


お寺の前に張り子のかわいいオブジェが並ぶ霞海城隍廟の近くでカラスミや瓜子などの乾物を買い、奥さんは永楽市場で端切れを買い、タクシーで西門紅楼近くの靴屋さん「小格格鞋坊」へ。


小格格鞋坊はチャイナシューズのお店で、奥さんの希望で訪ねた。穏やかな老夫婦が営むお店には、手作り感覚のかわいらしい&オシャレなチャイナシューズがたくさん並んでいた。奥さんは目移りしながらも気に入った一足を買い求めた。見ていた娘も欲しくなり「買ってもらっちゃった!」
お店が紹介されている「るるぶ」を見せたら10%オフにしてくれた!


靴屋さんのすぐ近くにある西門紅楼は、日本統治時代に公営市場として建てられた。八角形でレンガ造りの特徴ある外観は、当時から一際人目を引き続けてきた。今ではリノベされて、映画館やライブハウス、イベント会場、カフェやショップなどが入る人気のスポット。館外のマーケットも楽しい。


お昼は捷運の善導寺駅から歩いて、あっちゃんが紹介してくれた水餃子のお店「巧之味手工水餃」へ。ここは「旅々台北」などでも紹介されている人気店で、行列が出来ていた。日本語が上手なお姐さんに言われ、先にメニューを見て注文。10分ほどで席に案内されると、すぐに料理が出てきた!


3種類(キャベツ、ニラ、ホタテ)の水餃子はどれもプリプリでまろやかで深みもあって超美味!他に頼んだ小菜や魚団子スープ(丸子湯)もうまかった。餃子が美味しくて追加で頼んでしまった。お姐さんに「お口に合いましたか?」と聞かれ、「本当に美味しかった!」と言ったら嬉しそうにして「どこでここを知りましたか」など聞かれた。笑顔がとっても感じ良くて日本語も堪能!ホテルから近いし、また来よう!

帰国便の時刻までにまだいろいろできそうなので、昨年惜しくも閉店してしまったお土産屋さん「大友特産」のおじさんを訪ねてみることにした。閉店後のお店のシャッターに貼られていた住所のメモを頼りにタクシーに乗った。タクシーはその住所の集合住宅のところで下してくれた。インターホンでしゃべったら、おじさんは「山に行って」お留守とのこと。残念…

だけどおばさんが下まで来てくれて、少しだけどお話ができた。手土産を渡し、一緒に写真を撮った。おじさんも元気とのこと、来年は会いたいな。



まだ時間があるので「美味しい珍玉奶茶(タピオカミルクティー)を飲もう!」ということで、捷運で一駅移動し、中山站から歩いて5分ほどのところにある春水堂へ。ここは3年前にも来た台中に本店がある珍玉奶茶の専門店。

「着いた!」と思ったらお店の名前が違う!? お店で訊ねると「変わった」とのこと。でも店内の様子は春水堂のときと変わってないし、珍玉奶茶もあるというので入ることにした。

1人100元のミニマムチャージと言われ、お腹空いてないけど食べ物も頼むことになったが、珍玉奶茶はタピオカたっぷりで美味しかった。台湾旅行の最後でやっとありつけた珍玉奶茶!台湾に来たらやっぱこれを飲まないとね。



そろそろ空港へ行かねばならない時間に。。。 荷物を受け取りにホテルに戻り、そこの売店で最後のお買い物。そして捷運に乗って松山機場へ。車窓から台北101が見えていたのが、地下に入って見えなくなったころから既にウルウル。。
沢山のお土産と沢山の楽しい思い出を乗せて離陸。もう涙ぽろぽろ。。台湾から帰るときはなぜだかいつもこうだ。ありがとう台湾!また来るよ!!



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