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蓮の会ホールオペラ公演「カヴァレリア・ルスティカーナ」&「パリアッチ」

2013年09月29日 | pocknのコンサート感想録2013
9月29日(日)蓮の会ホールオペラ
~ヴェリズモオペラ第一弾~

蕨市立文化ホールくるる

【演目1】
マスカーニ/「カヴァレリア・ルスティカーナ」
【配役】
サントゥッツァ:小谷円香、トゥリッドゥ:小林浩、アルフィオ:旭潔、ローラ:京島麗香、ルチア:横関文子 他
【演目2】
レオンカヴァッロ/「パリアッチ(道化師)」
【配役】
カニオ:小林浩、ネッダ:岩崎京子、トニオ:旭潔、ベッペ:大石将史、シルヴィオ:笹倉直也
【ピアノ】大賀美子

意欲的なオペラ公演を行っている「蓮の会」によるオペラ二本立て公演。どちらも浮気に嫉妬、復讐といった赤裸々で過激なストーリーが短い時間でまとめられているので、テンポ感や明暗のコントラスト、感情の振幅などを演奏や演技でいかに強く印象づけられるかが大切だが、「蓮の会」のキャストはどちらの作品でも熱唱、熱演で強いインパクトを与えることに成功した。

なかでも両作品に出演した蓮の会の座長でもある旭さんは、歌でも演技でも存在感は格別。旭さんがステージにいるだけで場の空気が濃厚になる。そして、張りのある力強く磨かれた声で歌われる歌には役のキャラクターがぎっしり詰まり、客をオペラの渦中へと引き込んでしまう。パリアッチでのピエロの衣装もお似合いだったが、それとは裏腹の感情の噴出は怖いほどだった。

もう一人ダブルで出演したテノールの小林さんは、ここぞという聴かせどころで声が後退してしまうところは惜しいが、スタミナは十分で安定感は抜群、そして白熱の演技力は凄みがあって観ていて身震いしてしまった。その他のキャストも大変よく健闘していた。

大賀さんのピアノは、感情が激しく交錯し、極限まで高揚して行く場面をリアルにドラマチックに表現して素晴らしかった。歌い手達の士気も大いに高めたに違いない。譜めくりのタイミングが見ていてとても気になったが、逆に譜めくりって仕事も重要なんだな認識できた。

舞台装置や照明はシンプルで、演壇みたいな卓を様々な用途に工夫して使うなどしていたが、最大の見ものは「パリアッチ」第2幕。ステージ背後の引き戸が開くと、背面いっぱいに大勢の観客が現れた。大鏡を使った演出だが、劇中劇の様子がリアルに再現されて見事だった。

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