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RESONA MUSICA ブラームスの夕べ

2011年09月24日 | pocknのコンサート感想録2011
9月24日(土)RESONA MUSICA Brahms Abend
自由学園明日館講堂


【曲目】
1. ブラームス/哀悼の歌 Op.82
2. ブラームス/ジプシーの歌 Op.103
3.ブラームス/愛の歌 Op.52
4.ブラームス/新・愛の歌 Op.65
【アンコール】
ジプシーの歌~終曲


【演奏】RESONA MUSICA
S:石井朝奈、谷垣千沙、村元 彩夏、渡邉万里奈
A:遠藤 亜希子、梁取 里、吉成文乃
T:河野浩亮、濱田翔、濱松孝行
B:新見準平/松井永太郎/渡辺祐介
Pf:斎藤優奈/畠山正成


この前の日曜日、息子のピアノの発表会を聴き、僕も父子連弾でステージに乗った明日館での演奏会。出演メンバーのayanoさんからお誘いを受けて聴きに来た。 RESONA MUSICAは初めて聞くグループだが、メンバーの名前を見たら、カンタータクラブや、藝大の演奏会で何度も素晴らしいソロを聴いたことのある歌い手がズラリ。

13人による合唱は、とにかくみんな声が良く出ていて、響きがゴージャス。「合唱」というより、なんだろう・・・ 13重唱とでも言うべきかも。合唱の響きに埋没することなく、一人一人が極めて能動的に歌い、かつ有機的なアンサンブルを行なうヴォーカル集団といった趣き。各パートの表現の幅がとても広くて深く、響きが豊かで、四重唱の魅力と、合唱の魅力を併せ持ったスーパーアンサンブルだ。

こうしたアンサンブルには、「ジプシーの歌」や「愛の歌」が良く似合う。演奏は、歌詞の内容に呼応して、様々な表情を見せるが、どの作品でも、若々しい息吹で、情熱的なラブソングを熱く歌いかけてくるのがいい。「愛の歌」と「新・愛の歌」では、曲によってメンバーが次々とソロを披露するのだが、一人一人、いろいろ個性が光っていて面白いし楽しかった。メンバー全員がこうしてソロをきっちりこなせるのもスゴイ。ノリがよく、軽やかで、テンションも高いピアノも良かった。

素晴らしい声楽アンサンブルでブラームスをたっぷり楽しんだが、更に欲を言わせてもらえば・・・

とてもいい表情で歌いかけている人もいれば、譜面からなかなか顔を上げてくれない人もいた。せめて、呼びかける場面などは、聴衆に向かって歌いかけてくれると、益々訴える力が強まってくると思う。特に「ジプシーの歌」でアンサンブルを度々フィーチャーするテノールの歌には、もっと男の色気があるといい。

ドイツ語の発音はきれいだったが、子音がはっきり聞こえないことがよくあった。言葉には、その言葉固有の響きが、意味と直接結びついているものが多い。そんな言葉では特に発音を大切にしてほしい。
例えば、"Wonne(喜び)"という言葉、これは、"Wo-"の摩擦音をもっと出して、"-nne"で思いっきり弾けると、ワクワクした喜びが伝わってくると思う。
"strahlen(光が射す)"という言葉は、"str-"がクリアに聞こえて、"-ahlen"が清々しく伸びると、鮮やかな明るい光を感じる、といった具合。その他、schön, hübsch, dunkelなどなど、歌っているのも、聴いているのも日本人であっても、ブラームスが、言葉の意味だけでなく、言葉固有の響きを思い描きながらその言葉に音を与えたのは間違いないと思うので、それをとことん突き詰めると、更に完成度が増してくると思った。

演奏会の終わりに、「次回はバッハのモテット全曲を予定しています」と紹介があった。バッハのスペシャリストもメンバーに多いこのアンサンブルなら、きっと素晴らしい演奏になるだろう。楽しみだ。

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