8月18日(水)八ヶ岳カラマツチェンバロ コンサート 
八ヶ岳高原音楽堂
♪バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻~第1番プレリュードハ長調BVW846
♪クープラン/蝶々
♪ダカン/かっこう
♪ラモー/一つ目巨人
♪ダングルベール/プレリュード ハ長調
♪モーリー/ナンシー
♪フローベルガー/ラメント ~皇帝フェルディナント4世に寄せる~
♪ペリー&キングスレイ/バロック・ホーダウン(エレクトリカルパレード)
♪バッハ/フランス組曲第5番ト長調BWV816~アルマンド、クーランド、サラバンド、ガボット、ジーグ
♪バッハ/イタリア協奏曲ヘ長調BVW941~第1楽章
【アンコール】
♪アラン・メンケン/リトル・マーメイド~アンダー・ザ・シー
Cem:鈴木愛美
去年の夏、八ヶ岳高原音楽堂を初めて訪れた。森の風景と一体になったような音楽堂での、地元のカラマツで制作されたチェンバロによるコンサートに魅せられ、今年も清里滞在中に高原音楽堂に出かけた。

今日のチェンバリストは鈴木愛美さん。国や時代によって、作風や楽器の特徴や名称も異なるこの楽器の多彩さに注目して曲目が組まれ、楽しく分かりやすいお話を交えながらの演奏会。チェンバロの発音のしくみを実物のパーツを見せて説明してくれたり、タッチの強さで音量の変化を出せない代わりに、二段鍵盤やストップを使って音色や音量の変化を出せることを実演してくれたりした。
鈴木さんは、柔らかで優美な表情をベースに、生き生きした瑞々しい演奏で、カラマツチェンバロの持ち味を堪能させてくれた。久保田彰氏の制作した、瀟洒なゴールドの外装が気品を醸し出すカラマツチェンバロは、透明で繊細な音色が高原の爽やかな空気や森の情景にピッタリ。演奏中も背後の大きな窓から森の様子を見ることができ、風が木々を大きく揺すったり、雨音が聞こえるほど激しい雨が降ったり、陽が射してパーッと明るくなったりと、風景と音楽が一体となるのが実感できた。

バッハで始まり、クープラン、ダカンが雅やかに活き活きとした息遣いで演奏されたあと、ラモーの「一つ目巨人」では、楽器の様々なストップを駆使して、いかつい大胆な表現で「化け物」を印象付けた。この演奏の最中に背景の大きな樹が強風で激しく揺れて演出効果を高めた。続くダングルベールのプレリュードは、鈴木さんのお話によれば、当時流行った謎解きのような記譜から演奏する一風変わった作品。雅楽の音取り(ねとり)のように即興的に音が立ち昇り、背景の森に吸い込まれていくような自然で優美な一品。
イギリスのヴァージナルと呼ばれるチェンバロのために書かれたモーリーの作品で、攻めのアクティブな演奏を聴かせたあとは、夭折した皇帝への追悼として書かれたというフローベルガーの「ラメント」。ハ長調という明るい調性が選ばれながら、しっとりと優しい哀愁に溢れた音楽。「天国への階段」を表わしたという最後の象徴的なスケールからは柔らかな光が感じられ、気づくとさっき激しく降っていた雨が止んでいた。
次はガラリと趣を変えてエレクトリカルパレード。こういう曲があると新鮮で楽しい。鈴木さんのノリノリで軽快なビートが気分を高めた。
バッハで始まったコンサートは、色々な国や時代を巡って再びバッハに戻ってきた。僕がよく弾いているフランス組曲の5番をやってくれたのは嬉しかったし、このチェンバロの特性を活かしたイタリア協奏曲はコンサートの締めに相応しい選曲。アンコールでは、再びディズニーの世界に誘ってくれたうえに、このチェンバロの機能として紹介してくれたリュートストップを使って、楽器の持ち味を身近に感じさせてくれた。
コンサートのあとは、高原ロッジのカフェでお茶をして、敷地内の遊歩道を散歩して演奏会の余韻を楽しんだ。普段のコンサートではできない体験ができるのも、ここでのコンサートの魅力だ。

散策コースを歩いて訪れた美鈴池
八ヶ岳カラマツチェンバロ コンサート ~佐藤理州~ 2020.8.20 八ヶ岳高原音楽堂
#文化芸術は生きるために必要だ
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「紅葉」(メゾソプラノ、チェロ、ピアノ連弾用アレンジ)
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け

八ヶ岳高原音楽堂
♪バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻~第1番プレリュードハ長調BVW846
♪クープラン/蝶々
♪ダカン/かっこう
♪ラモー/一つ目巨人
♪ダングルベール/プレリュード ハ長調
♪モーリー/ナンシー
♪フローベルガー/ラメント ~皇帝フェルディナント4世に寄せる~
♪ペリー&キングスレイ/バロック・ホーダウン(エレクトリカルパレード)
♪バッハ/フランス組曲第5番ト長調BWV816~アルマンド、クーランド、サラバンド、ガボット、ジーグ
♪バッハ/イタリア協奏曲ヘ長調BVW941~第1楽章
【アンコール】
♪アラン・メンケン/リトル・マーメイド~アンダー・ザ・シー
Cem:鈴木愛美
去年の夏、八ヶ岳高原音楽堂を初めて訪れた。森の風景と一体になったような音楽堂での、地元のカラマツで制作されたチェンバロによるコンサートに魅せられ、今年も清里滞在中に高原音楽堂に出かけた。

今日のチェンバリストは鈴木愛美さん。国や時代によって、作風や楽器の特徴や名称も異なるこの楽器の多彩さに注目して曲目が組まれ、楽しく分かりやすいお話を交えながらの演奏会。チェンバロの発音のしくみを実物のパーツを見せて説明してくれたり、タッチの強さで音量の変化を出せない代わりに、二段鍵盤やストップを使って音色や音量の変化を出せることを実演してくれたりした。
鈴木さんは、柔らかで優美な表情をベースに、生き生きした瑞々しい演奏で、カラマツチェンバロの持ち味を堪能させてくれた。久保田彰氏の制作した、瀟洒なゴールドの外装が気品を醸し出すカラマツチェンバロは、透明で繊細な音色が高原の爽やかな空気や森の情景にピッタリ。演奏中も背後の大きな窓から森の様子を見ることができ、風が木々を大きく揺すったり、雨音が聞こえるほど激しい雨が降ったり、陽が射してパーッと明るくなったりと、風景と音楽が一体となるのが実感できた。

バッハで始まり、クープラン、ダカンが雅やかに活き活きとした息遣いで演奏されたあと、ラモーの「一つ目巨人」では、楽器の様々なストップを駆使して、いかつい大胆な表現で「化け物」を印象付けた。この演奏の最中に背景の大きな樹が強風で激しく揺れて演出効果を高めた。続くダングルベールのプレリュードは、鈴木さんのお話によれば、当時流行った謎解きのような記譜から演奏する一風変わった作品。雅楽の音取り(ねとり)のように即興的に音が立ち昇り、背景の森に吸い込まれていくような自然で優美な一品。
イギリスのヴァージナルと呼ばれるチェンバロのために書かれたモーリーの作品で、攻めのアクティブな演奏を聴かせたあとは、夭折した皇帝への追悼として書かれたというフローベルガーの「ラメント」。ハ長調という明るい調性が選ばれながら、しっとりと優しい哀愁に溢れた音楽。「天国への階段」を表わしたという最後の象徴的なスケールからは柔らかな光が感じられ、気づくとさっき激しく降っていた雨が止んでいた。
次はガラリと趣を変えてエレクトリカルパレード。こういう曲があると新鮮で楽しい。鈴木さんのノリノリで軽快なビートが気分を高めた。
バッハで始まったコンサートは、色々な国や時代を巡って再びバッハに戻ってきた。僕がよく弾いているフランス組曲の5番をやってくれたのは嬉しかったし、このチェンバロの特性を活かしたイタリア協奏曲はコンサートの締めに相応しい選曲。アンコールでは、再びディズニーの世界に誘ってくれたうえに、このチェンバロの機能として紹介してくれたリュートストップを使って、楽器の持ち味を身近に感じさせてくれた。
コンサートのあとは、高原ロッジのカフェでお茶をして、敷地内の遊歩道を散歩して演奏会の余韻を楽しんだ。普段のコンサートではできない体験ができるのも、ここでのコンサートの魅力だ。

散策コースを歩いて訪れた美鈴池
八ヶ岳カラマツチェンバロ コンサート ~佐藤理州~ 2020.8.20 八ヶ岳高原音楽堂
#文化芸術は生きるために必要だ
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「紅葉」(メゾソプラノ、チェロ、ピアノ連弾用アレンジ)
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け