6月8日(木)コンチェルト・イタリアーノ スペシャル・アンサンブル
~~イタリアバロック Mazzo di Madrigale(世俗歌曲の花束)~~
ヤマハホール
【曲目】
♪ モンテヴェルディ/「優しい心と恋の炎」、「あの高慢なまなざし」、「苦しみが甘美なものなら」、「ああ、お前は何と愛らしいのか」
♪ カプスベルガー/ラルペッジャータ、パッサカリア
♪ モンテヴェルディ/「それは本当なのか」、「私はとても愛らしい羊飼いの少女」
♪ ♪ ♪
♪ モンテヴェルディ/「甘美な光で」、「おお、燃えさかる炎」
♪ フレスコバルディ/パッサカリアによる100のパルティータ
♪ モンテヴェルディ/「恋文」、「ああ、恋人はどこに」、「おお、私は傷つき倒れる」、「西風(春風)が戻り」
【アンコール】
♪ モンテヴェルディ/「ポッペアの戴冠」~「ずっとあなたを見つめ」
S:モニカ・ピッチニーニ、アンナ・シンボリ/テオルボ:ウーゴ・ディ・ジョヴァンニ、クレイグ・マルキテッリ/Cem:リナルド・アレッサンドリーニ
モンテヴェルディ生誕450年の今年は、モンテヴェルディの良さそうなコンサートに出来るだけ足を運ぼうと思っている。今夜は、その最初に訪れるコンサートとなった。コンチェルト・イタリアーノの本来の姿は、もう少し規模の大きな古楽室内合奏団なので、今夜の演奏会はそのメンバーと共演者から成る「スペシャル・アンサンブル」という名目で行われた。
響きも雰囲気もいいヤマハホールで聴いたコンチェルト・イタリアーノの奏でるモンテヴェルディの世界は、期待通り素敵だった。プログラムの中心に据えられたのは、モンテヴェルディを代表する世俗歌曲であるマドリガーレ。
チェンバロと2本のテオルボの伴奏により、2人のソプラノ歌手、ピッチニーニとシンボリが、それぞれソロで、或いはデュオで歌う殆どの曲は、熱く狂おしい愛の歌。ピッチニーニが高貴な輝きがキラリと光る歌唱で、胸の奥に熱く届く恋慕を伝えれば、シンボリはじんわりと包み込むような温かさで愛を歌う。チェンバロと、その左右に配置されたテオルボの響きが、古のロマンの香りを運んでくる。最大5人によるアンサンブルは、風が木立を揺するように心地よく、匂やかで、適度な刺激が加わり、たくさんのプログラムが「もうおしまい?」と思うほど時間を忘れて聴き入ってしまった。
とりわけ印象深かったのは、ピッチニーニが切々と歌った「恋文」。心の奥に秘められた思いが美しい文字となって現れるような、格調と心情が伝わってきた。アンコールで演奏した「ポッペーアの戴冠」から、デュオによる終曲のラブソングは、それまでのマドリガーレとはまた異なる趣きで、心にストレートに溶け込み、奥まで染み入ってきた。
器楽だけの演奏も良かった。テオルボ2本で演奏されたカプスベルガーの曲では、柔らかで繊細な味わいがあり、後半にアレッサンドリーニがチェンバロで演奏したフレスコバルディの曲は、プログラム解説に「実験的な作品」と書かれていたが、パッサカリアというリピートが主体の音楽が、時おり異世界を覗くような遠隔調へ旅をするように聴こえたのが面白かった。
このような小編成のアンサンブルを、ヤマハホールのような響きの良い小さな空間で聴けるのは贅沢。全ての歌曲の丁寧な歌詞対訳が用意されていたのも良かった。
CDリリースのお知らせ
さびしいみすゞ、かなしいみすゞ ~金子みすゞの詩による歌曲集~
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け
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♪ カプスベルガー/ラルペッジャータ、パッサカリア
♪ モンテヴェルディ/「それは本当なのか」、「私はとても愛らしい羊飼いの少女」
♪ モンテヴェルディ/「甘美な光で」、「おお、燃えさかる炎」
♪ フレスコバルディ/パッサカリアによる100のパルティータ
♪ モンテヴェルディ/「恋文」、「ああ、恋人はどこに」、「おお、私は傷つき倒れる」、「西風(春風)が戻り」
【アンコール】
♪ モンテヴェルディ/「ポッペアの戴冠」~「ずっとあなたを見つめ」
S:モニカ・ピッチニーニ、アンナ・シンボリ/テオルボ:ウーゴ・ディ・ジョヴァンニ、クレイグ・マルキテッリ/Cem:リナルド・アレッサンドリーニ
モンテヴェルディ生誕450年の今年は、モンテヴェルディの良さそうなコンサートに出来るだけ足を運ぼうと思っている。今夜は、その最初に訪れるコンサートとなった。コンチェルト・イタリアーノの本来の姿は、もう少し規模の大きな古楽室内合奏団なので、今夜の演奏会はそのメンバーと共演者から成る「スペシャル・アンサンブル」という名目で行われた。
響きも雰囲気もいいヤマハホールで聴いたコンチェルト・イタリアーノの奏でるモンテヴェルディの世界は、期待通り素敵だった。プログラムの中心に据えられたのは、モンテヴェルディを代表する世俗歌曲であるマドリガーレ。
チェンバロと2本のテオルボの伴奏により、2人のソプラノ歌手、ピッチニーニとシンボリが、それぞれソロで、或いはデュオで歌う殆どの曲は、熱く狂おしい愛の歌。ピッチニーニが高貴な輝きがキラリと光る歌唱で、胸の奥に熱く届く恋慕を伝えれば、シンボリはじんわりと包み込むような温かさで愛を歌う。チェンバロと、その左右に配置されたテオルボの響きが、古のロマンの香りを運んでくる。最大5人によるアンサンブルは、風が木立を揺するように心地よく、匂やかで、適度な刺激が加わり、たくさんのプログラムが「もうおしまい?」と思うほど時間を忘れて聴き入ってしまった。
とりわけ印象深かったのは、ピッチニーニが切々と歌った「恋文」。心の奥に秘められた思いが美しい文字となって現れるような、格調と心情が伝わってきた。アンコールで演奏した「ポッペーアの戴冠」から、デュオによる終曲のラブソングは、それまでのマドリガーレとはまた異なる趣きで、心にストレートに溶け込み、奥まで染み入ってきた。
器楽だけの演奏も良かった。テオルボ2本で演奏されたカプスベルガーの曲では、柔らかで繊細な味わいがあり、後半にアレッサンドリーニがチェンバロで演奏したフレスコバルディの曲は、プログラム解説に「実験的な作品」と書かれていたが、パッサカリアというリピートが主体の音楽が、時おり異世界を覗くような遠隔調へ旅をするように聴こえたのが面白かった。
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