10月19日(日)CHOR WAFNA 第30回定期演奏会
武蔵野市民文化会館小ホール
【曲目】
1.メンデルスゾーン: 男声合唱の2つの宗教合唱作品Op.115/男声合唱のための4つの歌Op.75
2.三沢治美(編曲):男声合唱のためのヒットメドレー「COLORS(カラーズ)」
~野ばら、木綿のハンカチーフ、プレイバック part2、ありがとう、青い山脈、年下の男の子、サウスポー、瑠璃色の地球~
Pf:武部純子
3. 多田武彦:男声合唱組曲「わがふるき日のうた」
4. 木下牧子:混声合唱とパイプオルガンのための「光はここに」
Org:中野ひかり
【アンコール】
1. メンデルスゾーン/主よ、この時代に
2. 木下牧子/夢みたものは
【指揮】川合良一/鬼塚裕一郎(2)
男声合唱団コール・ヴァフナの定期演奏会は、このところずっと出勤日と重なってしまって行けなかったが、今回久々に聴くことができた。今年は5年毎の節目の演奏会ということで、4ステージ構成の多彩なプログラムの最後には恒例の混声合唱のステージ付き。
いつも柔らかで熟成されたハーモニーを聴かせてくれるヴァフナ、最初のメンデルスゾーンでは少々硬さが見られたが、第2ステージの「COLORS」では、その前のドイツ語の呪縛から解放されたこともあってか、いつものヴァフナの安定感を取り戻し、柔らかく瑞々しいハーモニーを聴かせてくれた。
昭和歌謡からアイドル歌手の歌まで揃った多彩なメドレーで綴られた曲集の、それぞれの曲のノリノリ具合やお色気度などがうまく捉えられ、曲ごとの色合いや気分の変化が見事に表現され、聴き手をその歌が流行っていた時代へと自然に誘ってくれた。更に武部さんの繊細なピアノが歌に素敵なグラデーションを与える。「プレイバック」や「年下の男の子」なんかは全員で振付を揃えて「見せて」もくれたが、「照れ」を廃してきちんと決めるので清々しい風が吹く。指揮の鬼塚さんの後ろ姿からも楽しそうな表情が伝わってきた。最後の「瑠璃色の地球」などのしっとり系バラードではヴァフナお得意の「歌」をしみじみと聴かせてくれ、楽しくかつ心に沁みるステージとなった。
多田武彦では熟成した声とハーモニーで、三好達治の言い知れぬ寂寥感溢れる世界をしみじみと届けてくれたあとは、お待ちかねのオルガン付き混声ステージ。35名の女声パートが加わり、男声パートも増強され、総勢60名を超える合唱となったが、ヴァフナの本来の持ち味が損なわれることなく、柔らかで繊細なハーモニーが会場を包んだ。女声パートの澄んだ伸びやかな声はとても新鮮。清澄で印象深いオルガンの調べと共に合唱が熱く表情豊かに語りかけてきた。温かい空気を包み込むようにアカペラで歌われた3曲目「ひとり林に…」の美しさも忘れ難い。
これは5年に一度のイベント気分では決して到達できない完成度の高い充実したステージ。ここまでのレベルを実現できたのは、日頃から高いレベルで活動するヴァフナの、第30回という記念すべき演奏会を成功させようと取り組んできたメンバー一人一人の熱意と努力が、大勢の臨時メンバーが加わった大集団を一つの合唱団として束ねた川合先生による指揮で結ばれた結晶と言える。
前回の5年前の混声ステージに参加した身としては、その時一緒に歌ったメンバーが大勢ステージで演奏を届ける側にいるのを、今回自分は客席に座って聴いていることの「居心地の悪さ」を感じつつも、感動を与えてくれた素晴らしい団員達に心からの拍手を送った。
武蔵野市民文化会館小ホール
【曲目】
1.メンデルスゾーン: 男声合唱の2つの宗教合唱作品Op.115/男声合唱のための4つの歌Op.75
2.三沢治美(編曲):男声合唱のためのヒットメドレー「COLORS(カラーズ)」
~野ばら、木綿のハンカチーフ、プレイバック part2、ありがとう、青い山脈、年下の男の子、サウスポー、瑠璃色の地球~
Pf:武部純子
3. 多田武彦:男声合唱組曲「わがふるき日のうた」
4. 木下牧子:混声合唱とパイプオルガンのための「光はここに」
Org:中野ひかり
【アンコール】
1. メンデルスゾーン/主よ、この時代に
2. 木下牧子/夢みたものは
【指揮】川合良一/鬼塚裕一郎(2)
男声合唱団コール・ヴァフナの定期演奏会は、このところずっと出勤日と重なってしまって行けなかったが、今回久々に聴くことができた。今年は5年毎の節目の演奏会ということで、4ステージ構成の多彩なプログラムの最後には恒例の混声合唱のステージ付き。
いつも柔らかで熟成されたハーモニーを聴かせてくれるヴァフナ、最初のメンデルスゾーンでは少々硬さが見られたが、第2ステージの「COLORS」では、その前のドイツ語の呪縛から解放されたこともあってか、いつものヴァフナの安定感を取り戻し、柔らかく瑞々しいハーモニーを聴かせてくれた。
昭和歌謡からアイドル歌手の歌まで揃った多彩なメドレーで綴られた曲集の、それぞれの曲のノリノリ具合やお色気度などがうまく捉えられ、曲ごとの色合いや気分の変化が見事に表現され、聴き手をその歌が流行っていた時代へと自然に誘ってくれた。更に武部さんの繊細なピアノが歌に素敵なグラデーションを与える。「プレイバック」や「年下の男の子」なんかは全員で振付を揃えて「見せて」もくれたが、「照れ」を廃してきちんと決めるので清々しい風が吹く。指揮の鬼塚さんの後ろ姿からも楽しそうな表情が伝わってきた。最後の「瑠璃色の地球」などのしっとり系バラードではヴァフナお得意の「歌」をしみじみと聴かせてくれ、楽しくかつ心に沁みるステージとなった。
多田武彦では熟成した声とハーモニーで、三好達治の言い知れぬ寂寥感溢れる世界をしみじみと届けてくれたあとは、お待ちかねのオルガン付き混声ステージ。35名の女声パートが加わり、男声パートも増強され、総勢60名を超える合唱となったが、ヴァフナの本来の持ち味が損なわれることなく、柔らかで繊細なハーモニーが会場を包んだ。女声パートの澄んだ伸びやかな声はとても新鮮。清澄で印象深いオルガンの調べと共に合唱が熱く表情豊かに語りかけてきた。温かい空気を包み込むようにアカペラで歌われた3曲目「ひとり林に…」の美しさも忘れ難い。
これは5年に一度のイベント気分では決して到達できない完成度の高い充実したステージ。ここまでのレベルを実現できたのは、日頃から高いレベルで活動するヴァフナの、第30回という記念すべき演奏会を成功させようと取り組んできたメンバー一人一人の熱意と努力が、大勢の臨時メンバーが加わった大集団を一つの合唱団として束ねた川合先生による指揮で結ばれた結晶と言える。
前回の5年前の混声ステージに参加した身としては、その時一緒に歌ったメンバーが大勢ステージで演奏を届ける側にいるのを、今回自分は客席に座って聴いていることの「居心地の悪さ」を感じつつも、感動を与えてくれた素晴らしい団員達に心からの拍手を送った。