6月27日(日)異素材コラボレーションvol.18
(気まぐれ室内楽コンサート)
~ ハイドンルネサンス“O” ~
雑司が谷音楽堂
【曲目】
1.ハイドン/弦楽四重奏曲第1番変ロ長調Op.1-1/Hob.Ⅲ.1「狩」
2.ハイドン/弦楽四重奏曲第67番ニ長調Op.64-5/Hob.Ⅲ.63「ひばり」
3.モーツァルト/弦楽四重奏曲第20番ニ長調K.499「ホフマイスター」
【演 奏】
Vn:石川恵理子、長谷川淳子/Vla:千葉麗子/Vc:大庭美和子
時々一緒に室内楽を楽しんでいるハセジュンさんに誘ってもらい、奥さん、息子と3人でチャリをこいで、鬼子母神に近い雑司が谷の住宅街にある雑司が谷音楽堂にハセジュンさんが出演するカルテットを聴きに行った。雑司が谷音楽堂は個人がやっているっぽい50人ぐらいで満席になるこじんまりとしたホール。木とレンガ調のプレートを組み合わせた内装も素敵だ。バルコニー席で聴いたが、ハイドンの1曲目、4人のユニゾンで曲が始まるや、豊かで瑞々しい響きが上までビンビンと届いてきた。
このホールの響きが素晴らしいのと同時に、アンサンブルの素晴らしさを感じた。ハーモニーの4つの構成音を各パート一人ずつが担当し、常にアンサンブルとしてのバランスと調和と呼吸が問われるカルテット作品は、どんなときでも誰ひとり気を抜けないし、アンサンブルの緻密さが求められる。このホールに響いた4人が奏でる音はとても美しく、芯のある存在感と輝きがあった。テンポの変化や間の取り方、アーティキュレーションなどについても綿密に考えられ、明確なメッセージが伝わってきた。
ハイドンの、まだカルテットの形式が完全に固まる以前のディヴェルティメント的な要素もある第1番が、全体としてはとてもカッチリした印象を伝えていたのも、彼女たちの音楽への誠実さと確かな腕前によるものだろう。第3楽章「アダージョ」、石川さんのヴァイオリンが美しくカンタービレを奏でるあいだ、下3声は殆ど常に同時進行でハーモニーを作って行くが、この響きがまたきれいだった。3人の間の音量のバランスの良さと正確な音程が保たれ続けなければ、こんなキレイな響きは生まれない。
続くハイドンの「ひばり」はスケールの大きい演奏だったが、なかでもフィナーレの二重フーガの勢いと緊迫感が素晴らしかった。聴く者をどんどん前のめりにさせる力がある。美しいハーモニーを奏でるだけでなく、ポリフォニックなパート間のやり取りも見事。
後半のモーツァルトでは、内声やバス(チェロ)の動きの変化がより高まり、ハーモニーの陰影も濃くなってくる。そうした細かいニュアンスを自然に出す難しさはあるが、フィナーレで、まるでモーツァルトのオペラの終盤でよく感じるのと同じ、ハッピーエンドに向かうワクワク感がとても良かった。
今日の演奏から、彼女達の音楽への真摯さがひしひしと伝わってきた。こうした響きのいいホールで演奏していると、頑張りすぎずに余韻を空間に解き放って自分達の響きを楽しむ余裕が生まれ、更に自然なニュアンスを伝える演奏が出来てくることと思う。またこのカルテットを聴きたい。
(気まぐれ室内楽コンサート)
~ ハイドンルネサンス“O” ~

雑司が谷音楽堂
【曲目】
1.ハイドン/弦楽四重奏曲第1番変ロ長調Op.1-1/Hob.Ⅲ.1「狩」
2.ハイドン/弦楽四重奏曲第67番ニ長調Op.64-5/Hob.Ⅲ.63「ひばり」
3.モーツァルト/弦楽四重奏曲第20番ニ長調K.499「ホフマイスター」
【演 奏】
Vn:石川恵理子、長谷川淳子/Vla:千葉麗子/Vc:大庭美和子
時々一緒に室内楽を楽しんでいるハセジュンさんに誘ってもらい、奥さん、息子と3人でチャリをこいで、鬼子母神に近い雑司が谷の住宅街にある雑司が谷音楽堂にハセジュンさんが出演するカルテットを聴きに行った。雑司が谷音楽堂は個人がやっているっぽい50人ぐらいで満席になるこじんまりとしたホール。木とレンガ調のプレートを組み合わせた内装も素敵だ。バルコニー席で聴いたが、ハイドンの1曲目、4人のユニゾンで曲が始まるや、豊かで瑞々しい響きが上までビンビンと届いてきた。
このホールの響きが素晴らしいのと同時に、アンサンブルの素晴らしさを感じた。ハーモニーの4つの構成音を各パート一人ずつが担当し、常にアンサンブルとしてのバランスと調和と呼吸が問われるカルテット作品は、どんなときでも誰ひとり気を抜けないし、アンサンブルの緻密さが求められる。このホールに響いた4人が奏でる音はとても美しく、芯のある存在感と輝きがあった。テンポの変化や間の取り方、アーティキュレーションなどについても綿密に考えられ、明確なメッセージが伝わってきた。
ハイドンの、まだカルテットの形式が完全に固まる以前のディヴェルティメント的な要素もある第1番が、全体としてはとてもカッチリした印象を伝えていたのも、彼女たちの音楽への誠実さと確かな腕前によるものだろう。第3楽章「アダージョ」、石川さんのヴァイオリンが美しくカンタービレを奏でるあいだ、下3声は殆ど常に同時進行でハーモニーを作って行くが、この響きがまたきれいだった。3人の間の音量のバランスの良さと正確な音程が保たれ続けなければ、こんなキレイな響きは生まれない。
続くハイドンの「ひばり」はスケールの大きい演奏だったが、なかでもフィナーレの二重フーガの勢いと緊迫感が素晴らしかった。聴く者をどんどん前のめりにさせる力がある。美しいハーモニーを奏でるだけでなく、ポリフォニックなパート間のやり取りも見事。
後半のモーツァルトでは、内声やバス(チェロ)の動きの変化がより高まり、ハーモニーの陰影も濃くなってくる。そうした細かいニュアンスを自然に出す難しさはあるが、フィナーレで、まるでモーツァルトのオペラの終盤でよく感じるのと同じ、ハッピーエンドに向かうワクワク感がとても良かった。
今日の演奏から、彼女達の音楽への真摯さがひしひしと伝わってきた。こうした響きのいいホールで演奏していると、頑張りすぎずに余韻を空間に解き放って自分達の響きを楽しむ余裕が生まれ、更に自然なニュアンスを伝える演奏が出来てくることと思う。またこのカルテットを聴きたい。
いいことばかり書いてくださって・・・
すでに本番の録音を聞いた身といたしましては、脚色しすぎです、と思うのですが・・・。
今後も同じメンバーでやっていくと思いますので、成長を見守っていただけたら嬉しいです。