1月8日(土)Duo Axia 山口徳花(Vc)/伏木唯(Pf)
ベートーヴェン・チクルス vol.1~ピオティータ・レジデント・アーティスト就任記念~
スタジオピオティータ(下高井戸)
【曲目】
1.ベートーヴェン/ピアノとチェロのためのソナタ第1番 ヘ長調 Op.5-1
2.ベートーヴェン/ピアノとチェロのためのソナタ第3番 イ長調 Op.69
【アンコール】
♪ ベートーヴェン/歌曲集「遥かなる恋人に」~第6曲「この歌を受け取って」
山口徳花さんと伏木唯さんによるチェロとピアノのユニット”Duo Axia”が、2年ぶりにコンサートを行った。会場は下高井戸の閑静な住宅街にある個人宅の素敵なスタジオ。ここのオーナーさんがDuo Axiaにほれ込んで、コロナ前に企画したベートーヴェンのチェロソナタ全曲演奏シリーズがようやく実現した初回を聴いた。曲目はソナタの1番と3番のみという比較的短いプログラムだったが、大変充実した演奏内容で、アンコールも含めて大満足だった。
Duo Axiaの2人の演奏は作品に真っ直ぐに向き合い、正攻法でストレートなメッセージを伝えてくることが大きな特徴だが、今夜のベートーヴェンの2つの傑作でもその姿勢を崩すことなく、堂々としたベートーヴェン像を表現した。
それは決して真面目腐ったお堅いベートーヴェンではなく、生き生きとしたもの。第1番を聴いていたら船旅のイメージが浮かんできた。キラキラと波しぶきを上げて快適に疾走する推進力は、その船に同乗しているようなリアル感を与えてくれた。伏木さんのピアノはそんな波のようにキラキラと輝き、冴えと粋を感じさせ、山口さんのチェロは一つ一つの音やフレーズに魂が込もり、前向きなメッセージを投げかけてきた。
2人は、メロディーをハモるときも、対話を交わすときも波長がぴったり。第3番でのスリリングな応酬では、緻密でかつ情熱がほとばしる演奏に、聴いていて前のめりになってしまう。それは2人の見ている方向が一致しているためだろう。音楽がどんな勢いでどこへ向かうかをはっきりと見極め、迷うことなく自然な息遣いで定められた焦点へ進んで行く。自由奔放というよりある種の緻密さがあるおかげで、作品全体の美しい形が見えてくる。スリリングだけれど安心して聴いていられるのはそのためかも知れない。
2つのソナタの充実した演奏のあとのアンコールではリラックスムードも加わって、情感たっぷりに2人で愛と憧れを歌い上げた。山口さんのチェロは、この歌曲の(実際の歌詞を知っていたわけではないが)言葉が伝わってくるように雄弁で、艶があった。
この演奏会シリーズはあと2回でチェロソナタをコンプリートするとのこと。残りは3曲のため、どれかソナタ1つがもう1度演奏され、それを聴衆にアンケートで募っていた。面白いアイディアではあるが、ベートーヴェンのソナタ以外のピアノとチェロのための優れた3つの変奏曲を各回に配するのもありでは?演奏会の長さとしてもちょうど良くなりそうだし。いずれにしても次回がまた楽しみだ。
Duo Axia vol.6 ~2020.2.19 渋谷ホール新宿~
山口徳花 Solo Bach Project – Vol.6 ~2020.12.28 ガルバホール新宿~
山口徳花&守重結加 デュオ ~2018.10.7 練馬区立美術館~
♪山口徳花さん出演のYouTubeを聴く
トリオ「森の詩」(MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美)
「子守歌」(Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美)
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「Andiamo in Italia! ~イターリアへ行こう!」
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け
ベートーヴェン・チクルス vol.1~ピオティータ・レジデント・アーティスト就任記念~
スタジオピオティータ(下高井戸)
【曲目】
1.ベートーヴェン/ピアノとチェロのためのソナタ第1番 ヘ長調 Op.5-1
2.ベートーヴェン/ピアノとチェロのためのソナタ第3番 イ長調 Op.69
【アンコール】
♪ ベートーヴェン/歌曲集「遥かなる恋人に」~第6曲「この歌を受け取って」
山口徳花さんと伏木唯さんによるチェロとピアノのユニット”Duo Axia”が、2年ぶりにコンサートを行った。会場は下高井戸の閑静な住宅街にある個人宅の素敵なスタジオ。ここのオーナーさんがDuo Axiaにほれ込んで、コロナ前に企画したベートーヴェンのチェロソナタ全曲演奏シリーズがようやく実現した初回を聴いた。曲目はソナタの1番と3番のみという比較的短いプログラムだったが、大変充実した演奏内容で、アンコールも含めて大満足だった。
Duo Axiaの2人の演奏は作品に真っ直ぐに向き合い、正攻法でストレートなメッセージを伝えてくることが大きな特徴だが、今夜のベートーヴェンの2つの傑作でもその姿勢を崩すことなく、堂々としたベートーヴェン像を表現した。
それは決して真面目腐ったお堅いベートーヴェンではなく、生き生きとしたもの。第1番を聴いていたら船旅のイメージが浮かんできた。キラキラと波しぶきを上げて快適に疾走する推進力は、その船に同乗しているようなリアル感を与えてくれた。伏木さんのピアノはそんな波のようにキラキラと輝き、冴えと粋を感じさせ、山口さんのチェロは一つ一つの音やフレーズに魂が込もり、前向きなメッセージを投げかけてきた。
2人は、メロディーをハモるときも、対話を交わすときも波長がぴったり。第3番でのスリリングな応酬では、緻密でかつ情熱がほとばしる演奏に、聴いていて前のめりになってしまう。それは2人の見ている方向が一致しているためだろう。音楽がどんな勢いでどこへ向かうかをはっきりと見極め、迷うことなく自然な息遣いで定められた焦点へ進んで行く。自由奔放というよりある種の緻密さがあるおかげで、作品全体の美しい形が見えてくる。スリリングだけれど安心して聴いていられるのはそのためかも知れない。
2つのソナタの充実した演奏のあとのアンコールではリラックスムードも加わって、情感たっぷりに2人で愛と憧れを歌い上げた。山口さんのチェロは、この歌曲の(実際の歌詞を知っていたわけではないが)言葉が伝わってくるように雄弁で、艶があった。
この演奏会シリーズはあと2回でチェロソナタをコンプリートするとのこと。残りは3曲のため、どれかソナタ1つがもう1度演奏され、それを聴衆にアンケートで募っていた。面白いアイディアではあるが、ベートーヴェンのソナタ以外のピアノとチェロのための優れた3つの変奏曲を各回に配するのもありでは?演奏会の長さとしてもちょうど良くなりそうだし。いずれにしても次回がまた楽しみだ。
Duo Axia vol.6 ~2020.2.19 渋谷ホール新宿~
山口徳花 Solo Bach Project – Vol.6 ~2020.12.28 ガルバホール新宿~
山口徳花&守重結加 デュオ ~2018.10.7 練馬区立美術館~
♪山口徳花さん出演のYouTubeを聴く
トリオ「森の詩」(MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美)
「子守歌」(Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美)
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「Andiamo in Italia! ~イターリアへ行こう!」
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け