BACHARACH
8月7日(木)
~8月8日(金)
フランクフルト空港→バッハラッハ
日本から長い空の旅の末に到着した日は、できるだけ早く落ち着きたい。でもフランクフルトみたいな都会ではなく、小さくてメルヘンチックで、静かな町がいい。おいしいワインもあるといい。マインツやヴィースバーデンでも良いが、もっとこじんまりしていて、できれば今まで訪れたことがないところがいいな…
フランクフルトから行きやすいそんな町はないかと、ライン河畔を中心に探してみた。ボッパルトやザンクト・ゴアールは行ったことはないがもうひとつ町並みに魅力が欲しい。リューデスハイムは以前行ったことがあって賑やかで楽しかったけれど、ここは友人のドイツ人はクソミソに言ってたし…
ドイツ語のサイトでBacharachという町を見つけた。町の名前はこれまで旅行ガイドなどで見たことがなかった。ネットで日本語の旅行レポートがいくつかヒットして、木組みの家の町並みがとてもいい感じ。フランクフルト空港から1時間程度で行くことができるし、おいしいワインも飲めそうだし…
こうしてヨーロッパ旅行の初日の滞在先はライン河畔のバッハラッハという町に決めた。
フランクフルト空港駅のローカル線用の地下ホームから普通列車に乗るのだが、切符売り場が見つからず、ホームにあった自販機で切符を買おうとしたら現金を受け付けてくれない。困っていると、地元に住んでいる風の小さい子連れの日本人家族のお父さんが声をかけてくれ、自分のプリペイドカードで僕たち家族分の切符を買ってくれた。細かいお金がなく多めに渡そうとしたら「端数分はいいですよ」と言ってくれた。旅の最初で早速現地の人の(しかも日本人)親切に預かってしまった!感謝!!この電車で乗り換え駅のビンゲン(Bingen)へ向かった。
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この電車が遅れたせいでビンゲンで接続するはずの電車に乗れず、1時間近く待つことに。。でも、ビンゲンのホームの目の前はライン川、その背後にはお城も見え、景色がキレイだった。
ようやくやってきた電車に乗り、10分ほどで5時半にバッハラッハ到着。静かな駅だ。乗ってきた電車を見送るホームのうしろの丘の上にはお城が見える。
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駅前は殺風景だが、駅前の通りを泊まる予定のホテル方面へ歩いて行くと、木組みのメルヘンチックな町並みが現れた。観光客も行き交って楽しそう。
ホテルはこの町のメインストリートに面していて、窓辺にキレイな花が飾られた木組みの古い家並みがズラリと並んでいる。ワインの名産地だけに、その背後にはぶどう畑の斜面が迫っている。町のパンフレットによれば、バッハラッハは中世の13世紀初頭から、ワインの生産と交易で栄えていたという。中世の面影が色濃く残っている。
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ドイツ大好きの娘(遠くの人影)は写真を撮るのに夢中で散歩について来やしない…
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「A」の頭文字をあしらった薬屋さんの看板。「バッカス薬局(BacchusApotheke)」とはワインの名産地にちなんだ命名か?
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そしてワインレストランではワイン用陶器のピッチャーが看板に!
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ドアノブにニワトリが… かわいい
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丘の上から街を見下ろすお城は、駅のホームから見えたバッハラッハの町のシンボルでもあるシュターレック城。
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レストランの店先で休憩中のお店のご夫婦の間に割り込んで記念写真!
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この辺りはライン川クルージングのハイライトの区間だけあって、大型の観光船が次々と行き交う。そして、ライン川は昔から重要な物資の輸送に使われていて、それは今でも変わらない。観光船を更に上回る数の大小の貨物船も頻繁に行き来していた。
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ライン河畔に住む人たちを昔から悩ませていたのが、春先によく起こる川の増水による洪水だ。これは今でも食い止めることはできていない。歴史的な洪水は、こうして建物の壁に水位が記され、年号が刻まれて記録されている。ちなみにここには「1988年3月」と記されていた。
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レストラン「ポストホフ」 Posthof Bacharach
空はまだまだ明るいがもう8時も回ったし、そろそろ夕食にしようか… と街中を歩いて、いい雰囲気でワインもいろいろ試せそうな"Posthof"というレストランを見つけた。左手前の木組みのファサードがせり出した切妻屋根のある大きな入口を入っていくと、中はお店の名前に"Hof(中庭)"とあるように、広い中庭で食事やワインを楽しむ人達で賑わっていた。
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ここは中世の頃、町の教会の牧師館として使われ、18世紀には今で言えば郵便業が営まれていたのが「ポストホフ」という店の名前の由来とのこと。歴史を感じる館の中庭席で、地元バッハラッハ産のワインとおいしい料理を楽しんだ。
ワインは成人の3人がそれぞれ別のグラスワインを注文。僕が飲んだのは "Oberweseler Riesling trocken"。リースリングというと「甘い」イメージだが、辛口のリースリングは地元ならではかも。フルーティーで新鮮で本当に美味しかった!ほかの人のワインも試したがどれもが絶品!あまりお酒が飲めない奥さんも「超おいしい!」と喜んでいた。
そして僕が食べたお品はお店の名前を冠した"Posthofbraten"。タマネギソースのかかったお肉の串焼きとベイクドポテト。ワインにとてもよく合った!
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ゆっくりワインと食事を楽しんでお店を出た9時頃、ようやく空も暗くなってきた。夕暮れどきにライトで照らされた町並みを眺めながら少しぶらぶらした。
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翌朝は早起きして、朝食前に一人ホテルの近くでスケッチ。空気がひんやりして爽やか。気温は17度。猛暑続きの東京から来た身としてはこれだけで夢のよう。
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朝食を済ませてまず向かったのは丘の上のお城。高いところに何かあれば行ってみたくなるのは山好きの僕の習性だが、一緒について来た家族もここは気に入ったに違いない。
メインの通りから脇の坂道を登っていけば、ライン川とバッハラッハの町が手に取るように見えるようになってくる。かつて、フランスの文豪ビクトル・ユゴーが「太陽が雲をかすめて空の天窓から町を照らせば、バッハラッハは類を見ないほどの魅力を放つ」と、旅の日記帳に記したというこの町は、本当に息を呑むほど美しい。
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お城へ続く田舎道の脇には野イチゴがたくさん実っていた。甘酸っぱくてジューシーな実を口に放り込みながら道を上るにつれて、お城がだんだんと迫ってくる。
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シュターレック城 Burg Stahleck
薄暗い門をくぐり抜けると、中世の騎士物語に出てきそうなお城の塔が聳え…
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お城のテラスに出ればこの眺め!
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テラスにはカフェもあって、ユースホステルの宿泊客以外でもお茶を飲みながら中世のお城と素晴らしい眺望を心ゆくまで楽しむことができる。
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お城の敷地は思った以上に広く、探検気分であちこち歩いてみた。
昨日電車を乗り換えたビンゲンから、ライン川に沿って約65キロ北上したコブレンツまでの「ライン渓谷中流上部」地域は世界遺産に指定されていて、ここを船や鉄道で旅すれば次々と古城を目にする。ここシュターレック城もその一つというわけだが、こんなお城がいくつもあるなんて何だかワクワクする。ドイツがメルヘンの国と呼ばれるのも納得!
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古城からの帰り道は、城壁に沿って造られている木立の中の遊歩道を歩いた。木漏れ日とマイナスイオンと小鳥の鳴き声のなかのちょっとしたハイキング気分が味わえる。
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ヴェルナー礼拝堂 Die Wernerkapelle
遊歩道を下り町に近づいてきて、この町の大聖堂・ペータース教会がすぐ下に見えるあたりに、骨格だけの廃墟のような礼拝堂が建っている。これはバッハラッハを象徴する建物と言われていて、中世のこんな悲しい話が残されている…
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この話は町のインフォメーションサイトのドイツ語の説明の抄訳だが、ということはこれは廃墟のように見えるがまだ再建途中ということ?あるいは、完成した姿は見る人がそれぞれに心に思い描いてください、ということなのかも…
ペータース教会 Die Peterskirche
ヴェルナー礼拝堂から石段を下って行けば、すぐに街の中心にあるペータース教会に行き着く。ライン川沿いの周辺にある他の町の教会と同じく、渓谷の地形で平地があまりなく、斜面にしがみつくように建てられている。
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建設は西暦1100年頃から始まり、完成したのは14世紀というが、ヨーロッパの教会は気が遠くなるほど長い年月をかけ、何世代にもわたって建設される例は珍しくない。そのため建物の様式もいくつもの時代が反映され、このペータース教会も後期ロマネスクとゴシック様式が混在しているという。内部では中世に描かれた美しいフレスコ画を観ることができる。
山の上のお城まで行き、遊歩道をぐるりと歩いて再び街中へ戻ってきたところで、休憩にアイス!日本にもワサビ味とかどぶろくアイスといったご当地アイスがあるのと同じで、バッハラッハの美味しいワインの銘柄(ブドウの種類)の一つである「バッハラッハ・リースリングワインアイス」というのがあったのでこれにした。これはまさしくリースリングだった!
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"Eigene Kreation"は「特製」といったところ
アイスを食べたあとは、しばらくそれぞれ別行動をとった。僕と奥さんは最初一緒に買い物をして、ブドウの柄のテーブルクロスを購入。そのあとは一人で、町外れのまだ歩いていないところを散歩した。
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木組みの家は町の中心部だけでなく町外れにもたくさんあって、ワイン畑の広がる丘陵地帯の背景ととてもマッチして惚れ惚れする美しさ。
屋根付きの城壁と見張りの塔が見えるが、バッハラッハの城壁はこの地方の町のなかでもとりわけ保存状態が良いとのことで、町をぐるりと取り囲んでいて、城壁の上は遊歩道にもなっている。この遊歩道へ行きたかったのだが、入口が見つからない。。
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ハイキングのための標識があちこちにある。10キロを超えるコースや、なかには20キロにも及ぶ本格的なハイキングコースもある。時間があればハイキングもしてみたかったな(炎天下は暑そうだが。。)
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お昼にまた家族みんなが集合して、泊まったホテルの隣りのカフェ・レストランで昼食。僕が頼んだのはパリッとした皮の焼きビーフソーセージとザワークラウト(Rindwurst mit Sauerkraut)、そして昼間っからまたバッハラッハワイン!だってライン地方のワインはこれで飲みおさめだからね。
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ライン河畔を旅するならバッハラッハは一番のオススメですよー!
ルクセンブルク ~天然の起伏が生きる緑の首都~
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8月7日(木)
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フランクフルト空港→バッハラッハ
日本から長い空の旅の末に到着した日は、できるだけ早く落ち着きたい。でもフランクフルトみたいな都会ではなく、小さくてメルヘンチックで、静かな町がいい。おいしいワインもあるといい。マインツやヴィースバーデンでも良いが、もっとこじんまりしていて、できれば今まで訪れたことがないところがいいな…
フランクフルトから行きやすいそんな町はないかと、ライン河畔を中心に探してみた。ボッパルトやザンクト・ゴアールは行ったことはないがもうひとつ町並みに魅力が欲しい。リューデスハイムは以前行ったことがあって賑やかで楽しかったけれど、ここは友人のドイツ人はクソミソに言ってたし…
ドイツ語のサイトでBacharachという町を見つけた。町の名前はこれまで旅行ガイドなどで見たことがなかった。ネットで日本語の旅行レポートがいくつかヒットして、木組みの家の町並みがとてもいい感じ。フランクフルト空港から1時間程度で行くことができるし、おいしいワインも飲めそうだし…
こうしてヨーロッパ旅行の初日の滞在先はライン河畔のバッハラッハという町に決めた。
フランクフルト空港駅のローカル線用の地下ホームから普通列車に乗るのだが、切符売り場が見つからず、ホームにあった自販機で切符を買おうとしたら現金を受け付けてくれない。困っていると、地元に住んでいる風の小さい子連れの日本人家族のお父さんが声をかけてくれ、自分のプリペイドカードで僕たち家族分の切符を買ってくれた。細かいお金がなく多めに渡そうとしたら「端数分はいいですよ」と言ってくれた。旅の最初で早速現地の人の(しかも日本人)親切に預かってしまった!感謝!!この電車で乗り換え駅のビンゲン(Bingen)へ向かった。
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この電車が遅れたせいでビンゲンで接続するはずの電車に乗れず、1時間近く待つことに。。でも、ビンゲンのホームの目の前はライン川、その背後にはお城も見え、景色がキレイだった。
ようやくやってきた電車に乗り、10分ほどで5時半にバッハラッハ到着。静かな駅だ。乗ってきた電車を見送るホームのうしろの丘の上にはお城が見える。
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駅前は殺風景だが、駅前の通りを泊まる予定のホテル方面へ歩いて行くと、木組みのメルヘンチックな町並みが現れた。観光客も行き交って楽しそう。
ホテルは駅から7~800メートル程度のところにあった。石畳の道を重いスーツケースを押して行くのはいつものことながら本当にタイヘン。。。 汗だくになって行き着いたホテル"Zur Post"は、周囲の町並みに溶け込む木組みの壁の素敵な外観。ホテルの女主人がにこやかに迎えてくれ、部屋に続く狭い階段でスーツケースを一つ持ってくれた。 4人部屋はとても広くてインテリアも雰囲気があり、娘は入った途端に歓声を上げた。さあ、長旅の疲れはあるけれど、まだ明るいうちに町の散策に出かけよう! | ![]() |
ホテルはこの町のメインストリートに面していて、窓辺にキレイな花が飾られた木組みの古い家並みがズラリと並んでいる。ワインの名産地だけに、その背後にはぶどう畑の斜面が迫っている。町のパンフレットによれば、バッハラッハは中世の13世紀初頭から、ワインの生産と交易で栄えていたという。中世の面影が色濃く残っている。
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ドイツ大好きの娘(遠くの人影)は写真を撮るのに夢中で散歩について来やしない…
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「A」の頭文字をあしらった薬屋さんの看板。「バッカス薬局(BacchusApotheke)」とはワインの名産地にちなんだ命名か?
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そしてワインレストランではワイン用陶器のピッチャーが看板に!
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ドアノブにニワトリが… かわいい
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丘の上から街を見下ろすお城は、駅のホームから見えたバッハラッハの町のシンボルでもあるシュターレック城。
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レストランの店先で休憩中のお店のご夫婦の間に割り込んで記念写真!
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メインストリートのOberstraßeから側道に入ると、町に住んでいる人達の生活のニオイが感じられる。窓辺や玄関先の飾りつけも綺麗なものや楽しげなものなど、それぞれの家の個性が感じられる。 そしてこの側道を進むと、ゆったりと流れる大きなライン川の船着場に出る… | ![]() |
この辺りはライン川クルージングのハイライトの区間だけあって、大型の観光船が次々と行き交う。そして、ライン川は昔から重要な物資の輸送に使われていて、それは今でも変わらない。観光船を更に上回る数の大小の貨物船も頻繁に行き来していた。
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ライン河畔に住む人たちを昔から悩ませていたのが、春先によく起こる川の増水による洪水だ。これは今でも食い止めることはできていない。歴史的な洪水は、こうして建物の壁に水位が記され、年号が刻まれて記録されている。ちなみにここには「1988年3月」と記されていた。
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レストラン「ポストホフ」 Posthof Bacharach
空はまだまだ明るいがもう8時も回ったし、そろそろ夕食にしようか… と街中を歩いて、いい雰囲気でワインもいろいろ試せそうな"Posthof"というレストランを見つけた。左手前の木組みのファサードがせり出した切妻屋根のある大きな入口を入っていくと、中はお店の名前に"Hof(中庭)"とあるように、広い中庭で食事やワインを楽しむ人達で賑わっていた。
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ここは中世の頃、町の教会の牧師館として使われ、18世紀には今で言えば郵便業が営まれていたのが「ポストホフ」という店の名前の由来とのこと。歴史を感じる館の中庭席で、地元バッハラッハ産のワインとおいしい料理を楽しんだ。
ワインは成人の3人がそれぞれ別のグラスワインを注文。僕が飲んだのは "Oberweseler Riesling trocken"。リースリングというと「甘い」イメージだが、辛口のリースリングは地元ならではかも。フルーティーで新鮮で本当に美味しかった!ほかの人のワインも試したがどれもが絶品!あまりお酒が飲めない奥さんも「超おいしい!」と喜んでいた。
そして僕が食べたお品はお店の名前を冠した"Posthofbraten"。タマネギソースのかかったお肉の串焼きとベイクドポテト。ワインにとてもよく合った!
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ゆっくりワインと食事を楽しんでお店を出た9時頃、ようやく空も暗くなってきた。夕暮れどきにライトで照らされた町並みを眺めながら少しぶらぶらした。
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翌朝は早起きして、朝食前に一人ホテルの近くでスケッチ。空気がひんやりして爽やか。気温は17度。猛暑続きの東京から来た身としてはこれだけで夢のよう。
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朝食を済ませてまず向かったのは丘の上のお城。高いところに何かあれば行ってみたくなるのは山好きの僕の習性だが、一緒について来た家族もここは気に入ったに違いない。
メインの通りから脇の坂道を登っていけば、ライン川とバッハラッハの町が手に取るように見えるようになってくる。かつて、フランスの文豪ビクトル・ユゴーが「太陽が雲をかすめて空の天窓から町を照らせば、バッハラッハは類を見ないほどの魅力を放つ」と、旅の日記帳に記したというこの町は、本当に息を呑むほど美しい。
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お城へ続く田舎道の脇には野イチゴがたくさん実っていた。甘酸っぱくてジューシーな実を口に放り込みながら道を上るにつれて、お城がだんだんと迫ってくる。
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シュターレック城 Burg Stahleck
![]() | やってきたシュターレック城。石畳のエントランスを上りつめると、まずは堅牢な入口が出迎えてくれる。 このお城はいつ誰のために建てられたかという記録は残っていないらしいが、ザクセン公ハインリヒ獅子公の息子と宮中伯コンラートの娘が1194年、ここでひっそりと結婚式を挙げたという記録が残っているという。 そんな中世のロマンスを引くお城だが、約90年前からユースホステルとして使われている。こんなお城に安く普通に泊まれるなんてちょっと興味があるな… |
薄暗い門をくぐり抜けると、中世の騎士物語に出てきそうなお城の塔が聳え…
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お城のテラスに出ればこの眺め!
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テラスにはカフェもあって、ユースホステルの宿泊客以外でもお茶を飲みながら中世のお城と素晴らしい眺望を心ゆくまで楽しむことができる。
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お城の敷地は思った以上に広く、探検気分であちこち歩いてみた。
昨日電車を乗り換えたビンゲンから、ライン川に沿って約65キロ北上したコブレンツまでの「ライン渓谷中流上部」地域は世界遺産に指定されていて、ここを船や鉄道で旅すれば次々と古城を目にする。ここシュターレック城もその一つというわけだが、こんなお城がいくつもあるなんて何だかワクワクする。ドイツがメルヘンの国と呼ばれるのも納得!
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古城からの帰り道は、城壁に沿って造られている木立の中の遊歩道を歩いた。木漏れ日とマイナスイオンと小鳥の鳴き声のなかのちょっとしたハイキング気分が味わえる。
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ヴェルナー礼拝堂 Die Wernerkapelle
遊歩道を下り町に近づいてきて、この町の大聖堂・ペータース教会がすぐ下に見えるあたりに、骨格だけの廃墟のような礼拝堂が建っている。これはバッハラッハを象徴する建物と言われていて、中世のこんな悲しい話が残されている…
町の人たちは口々に「ユダヤ人の仕業だ」と叫び 多くのユダヤ人が殺害された 人々はヴェルナー少年の死を悼み 礼拝堂を建てた 長い年月をかけ 礼拝堂は1426年に完成したが 1689年 シュターレック城が爆破されたとき この礼拝堂もその破片でひどく傷んでしまった その後 山崩れで崩壊する危険を防ぐため 礼拝堂の大部分は解体された それから約100年を経た1981年 この礼拝堂の再建が始まった この再建には キリスト教徒とユダヤ教徒の和解の願いが込められている |
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この話は町のインフォメーションサイトのドイツ語の説明の抄訳だが、ということはこれは廃墟のように見えるがまだ再建途中ということ?あるいは、完成した姿は見る人がそれぞれに心に思い描いてください、ということなのかも…
ペータース教会 Die Peterskirche
ヴェルナー礼拝堂から石段を下って行けば、すぐに街の中心にあるペータース教会に行き着く。ライン川沿いの周辺にある他の町の教会と同じく、渓谷の地形で平地があまりなく、斜面にしがみつくように建てられている。
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建設は西暦1100年頃から始まり、完成したのは14世紀というが、ヨーロッパの教会は気が遠くなるほど長い年月をかけ、何世代にもわたって建設される例は珍しくない。そのため建物の様式もいくつもの時代が反映され、このペータース教会も後期ロマネスクとゴシック様式が混在しているという。内部では中世に描かれた美しいフレスコ画を観ることができる。
山の上のお城まで行き、遊歩道をぐるりと歩いて再び街中へ戻ってきたところで、休憩にアイス!日本にもワサビ味とかどぶろくアイスといったご当地アイスがあるのと同じで、バッハラッハの美味しいワインの銘柄(ブドウの種類)の一つである「バッハラッハ・リースリングワインアイス」というのがあったのでこれにした。これはまさしくリースリングだった!
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"Eigene Kreation"は「特製」といったところ
アイスを食べたあとは、しばらくそれぞれ別行動をとった。僕と奥さんは最初一緒に買い物をして、ブドウの柄のテーブルクロスを購入。そのあとは一人で、町外れのまだ歩いていないところを散歩した。
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木組みの家は町の中心部だけでなく町外れにもたくさんあって、ワイン畑の広がる丘陵地帯の背景ととてもマッチして惚れ惚れする美しさ。
屋根付きの城壁と見張りの塔が見えるが、バッハラッハの城壁はこの地方の町のなかでもとりわけ保存状態が良いとのことで、町をぐるりと取り囲んでいて、城壁の上は遊歩道にもなっている。この遊歩道へ行きたかったのだが、入口が見つからない。。
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ハイキングのための標識があちこちにある。10キロを超えるコースや、なかには20キロにも及ぶ本格的なハイキングコースもある。時間があればハイキングもしてみたかったな(炎天下は暑そうだが。。)
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お昼にまた家族みんなが集合して、泊まったホテルの隣りのカフェ・レストランで昼食。僕が頼んだのはパリッとした皮の焼きビーフソーセージとザワークラウト(Rindwurst mit Sauerkraut)、そして昼間っからまたバッハラッハワイン!だってライン地方のワインはこれで飲みおさめだからね。
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お昼のあと、今度はみんなでまた町を散歩した。人口2000人ほどの小さな町だから同じ風景に出くわすことも多いが、時間がある限りこの風景を目に焼き付けておきたかった。何度同じところを歩いても飽きることはない。 ホテルで荷物をピックアップして駅へ。ホテルの女ご主人さんが笑顔で見送ってくれた。「バッハラッハ、本当に素敵な町でした。でも日本の旅行ガイドで紹介されてるのは見たことないんですよ。」と言うと、「じゃあ是非あなたがみんなに宣伝してくださいね。」 「そうします!」と答えたので、ここで大々的に宣伝を… | ![]() |
ライン河畔を旅するならバッハラッハは一番のオススメですよー!
ルクセンブルク ~天然の起伏が生きる緑の首都~
ヨーロッパ家族旅行2014
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