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9月B定期(指揮:スタインバーグ)

2005年08月31日 | N響公演の感想(~2016)
8月31日(水)ピンカス・スタインバーグ指揮 NHK交響楽団
《9月Bプロ》 サントリーホール

【曲目】
1.モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527~序曲、ドン・オッターヴィオのアリア「」 
2.モーツァルト/歌劇「魔笛」K.620~序曲、タミーノのアリア「なんと美しい絵姿」
3.モーツァルト/歌劇「イドメネオ」K.366~序曲、イドメネオのアリア「」
以上テノール独唱:ヘルベルト・リッパート
4.モーツァルト/交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」


B定期ではモーツァルトプロがよく行われる。今回のモーツァルトプロはスタインバークの指揮にテノールのリッパードが客演し、3つのオペラの序曲と、それぞれからアリアが1曲歌われた。
くそ真面目なオッターヴィオのアリアはこれまで、あまり面白いと思ったことはなかったのだが、名歌手リッパードにかかると表情がふんわりと広がり、熱い思いまで伝わる愛の歌となり、このアリアの本当の魅力を堪能できた。タミーノのアリアもロマンティックな面を出しあこがれに満ちた名唱だったし、イドメネオのアリアでのコロラトゥーラもお見事。リッパードは豊かな表情のある美声が安心できる存在感と奥行きに支えられた歌でホールをリッパード色で満たした。マロさんコンマスのN響が節度と表情を持って名バックを務めた。
3つの序曲もオペラが始まるわくわく感を盛り立てるようなテンションを感じる演奏。落ち着いた響き、懐の深さが貫禄を添える。

後半の「ジュピター」もこうした前半の好ましさを発揮した好演だった。スタインバーク指揮の「ジュピター」は、随分前にオーストリア放送響の演奏で聴いたことがあるが、この時と同様の印象を持った。それは豊かな響き、堅実な運び、安定感といったもの。いいところもあるが、面白味とか躍動感とか、瑞々しい歌が感じられないし聞こえて来ないところはこの指揮者の真面目さゆえか?

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