前回の首輪の件
あの癒着して血が出た首から
無理矢理剥がした時の
叫び声を聞いたのではないかと思う。
そんな仕打ちを受けてもたけちゃんは勝手口の前にキチンと座って家族が出てくるのを待っていた。
『ケナゲ』と言う言葉以外浮かばないわ。
もちろん飼えない事情があるなら預かろうか
と、2度ほど申し出たが大丈夫との回答
しつこくしても逆に良くないと諦めた
夏はほとんど影がない炎天下
彼なりに物影を探して耐える
エアコンの室外機ヨコとか
ガンガン温風出てるし水が出るので衛生状態も良くない
飲み水はボウルに入れっぱなしなので熱湯だろう
冬も同じようなもので。
ただ、柴犬はアンダーコートがしっかり生えるのでそれは大丈夫のようだ
フンの量が増えてることで
ご飯だけは食べさせてもらっているとわかる。
ある日とっても立派な犬小屋が置かれた。
きっと何万円もするであろう大型のものだ。
それまでの仕打ちに対してのギャップに
『どうした⁉』と驚くばかりだったが案の定
彼が喜んで中に入ることはなかった
私も忘れてない。
あの小さなケージに何週間も閉じ込められてたんだから。
狭いところは怖いはずだよ
長いこと中に入らなかったが
寒い日だったか暑い日だったか、中で寝るようにはなった
豪華な犬小屋の贈り物があったけど
家族の対応が劇的に変わった様子はなく
やっぱり独りぼっちのままだった