漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1047

2022-09-11 06:05:19 | 古今和歌集

さかしらに なつはひとまね ささのはの さやぐしもよを わがひとりぬる

さかしらに 夏は人まね 笹の葉の さやぐ霜夜を わが一人寝る

 

よみ人知らず

 

 分別がありそうに装って夏は人の真似をして独り寝をしていたが、笹の葉がさやさやと鳴る冬の霜夜に、私は本当に寂しく独り寝をしている。

 「さかしら」は「賢しら」で利口ぶること。夏には利口ぶって人まねで独り寝をしていたが、寒い冬になって今は本当に寂しい独り寝をしている、という歌ですね。「笹」は「霜」と一緒に詠まれることの多い語で、古今集でも 05630663 にそんな歌があります。

 

(0563)
ささのはに おくしもよりも ひとりぬる わがころもでぞ さえまさりける

笹の葉に 置く霜よりも 一人寝る わが衣手ぞ さえまさりける

 

紀友則

 

(0663)
ささのはに おくはつしもの よをさむみ しみはつくとも いろにいでめやは

笹の葉に 置く初霜の 夜を寒み しみはつくとも 色に出でめやは

 

凡河内躬恒

 



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