3月9日
レミオロメンの日です。
そんなことないかもしれませんが、卒業を感じさせるシーズンです。私は暖かい日の当たる冬の終わりに身を預けながら、今の自分自身の変わり目にとてつもなく強大な不安を感じています。
定着した仕事もなく、住む場所はまだ決まらず、お金もない日々。それでもこうしてブログに今の心境を書き連ねる。少しでも自分の考えに整理をつけるためでもありますし、どこにも吐き出せない自分の気持ちをぶちまけてやりたい思いもあったりと。
久々に小説を読みました。
喜多川康という方の書いたものでして、私が読んだ作品は『運転者』という名前の長編作品になります。保険会社に勤める男性が、仕事も家庭もうまくいかないような状況の中で、ふと自分の目の前に、手を挙げていないのに停まったタクシーがありました。そして後部座席が開いたその中へ、まるで誘われるように乗ってしまいます。そのタクシー運転手は男性の運が好転するような場所に連れて行くという。
さまざまな場所に連れられて、そしてたくさんの人との交流で、運とは一体何なのかを悟って行く、
そんなお話です。
面白かったです。スタバで読んでいたのですが、思わず涙が出そうな場面もありました。シリアスすぎず、難しい描写もほとんどなかったので、スラスラ読めました。タイプ的には重松清に近いのかなとも思いましたが、もっとライトな感じだと思います。重松清はもっと家族に焦点を当てた作品が多いのですが、私が読んだ『運転者』は家族というよりも、人生に行き詰まる人たちに刺さるような、そんな内容だと思います。
ああ、運がいいとか悪いとか、嘆いたり羨んだりすることって多いけれど、結局はこの話の中で言われているように、運とはその人が使ったり溜めたり、あるいは他の人に繋げていったり、そんなふうにして世界を回って行く中での、媒体のようなものに過ぎないのでしょう。
というふうに作中で言われていたのか覚えていませんが、大体そのようなものだと自分は認識しています。今度喜多川康さんの講演が大阪で開かれるとのとなので、見にいこうかと思っています。皆様もよろしければ一度読んでみてください。
amazon unlimitedの読み放題で読めるかと思いますので、是非是非。