オーストラリアのエレクトロ・ポップ・デュオ、SHOUSE(スハウス)の Love Tonight がTop20落ち。
しかし今週は上位に初登場が多かったため、それは一時的なものと思われる。
1か月ぶりにUKチャート・レビュー
title | artist | |
1 | Easy On Me | Adele |
2 | Shivers | Ed Sheeran |
3 | Bad Habits | Ed Sheeran |
4 | Overpass Graffiti | Ed Sheeran |
5 | Cold Heart ( PNAU Remix) | Elton John × Dua Lipa |
6 | Love Nwantiti ( Ah Ah Ah ) | Ckay |
7 | Heat Waves | Glass Animals |
8 | Obsessed With You | Central Cee |
9 | Out Out | Joel Corry, Jax Jones, Charlie XCX, Saweetie |
10 | Meet Me At Our Spot | The Anxiety |
#1
3週目の首位を死守。アデルの1位はこれで3曲目で、本国イギリスとしては意外と少ない。2008年のデビューでUKチャートを賑わせましたが、1位まではとれなかったようです。UKチャートの歴代記録では、サントラの Skyfall (最高2位)など惜しい曲はいくつかあったんですけどねー。
#2
5thアルバム『=』が安定のアルバム・チャート1位を取ったエド・シーラン。UKチャートの「スリー・ソングス・ルール」(同じアーティストの曲は上位3曲までしかランクインできない)により、ストリーミング消費によって起きる大量初登場アクションは起こりませんでしたが、それでも2~4位を占めたことはすごいことで、このルールがなかったらTop10は寡占状態になっていたのだと思わせてきます。まあそれもそれで見てみたかったけど…。
#3
「スリー・ソングス・ルール」で上位3曲に入れず今週はチャート上から消えると思っていましたが、エドの中で2位だったため残りました。2019年に4thアルバム『No.6 コラボレーションズ・プロジェクト』がリリースされたときは、直前までTop10でヒットしていたリード・シングル I Don't Care が上位3曲に入れずいきなり消えたのを覚えています。その時はこのルールをよく知らなかったので混乱していましたね。
#4
(恐らく)新しくアルバムからカットされたシングル。MVではエドが Shape Of You (2017) のMVで登場した力士に出会い、日本語で会話をするというシーンがあるそう。エドが出ているシーンかは忘れましたが、テイラー・スウィフトの End Game feat. エド・シーラン & フューチャー (2017) のMVでも日本が一つの舞台になっていましたね。懐かしい。
#5
先月の今頃、Cold Heart はエドの Shivers に阻まれて首位に着けずにいましたが、エドがSNSで大好きなエルトン・ジョンを1位に押し上げてほしいと人々に呼びかけたところ、本当にそれが実現しました。人為的なチャート操作はあまり好きではありませんが、エドがやったことだと正直全然悪い気がしません。 エルトンさん、先週はアルバム・チャートでも1位を取りました!
#7
変動の速いUKチャートでは目安として2か月(だいたい9週)以上Top10をキープできたら大したものだと勝手に思っているのですが、Heat Waves も今週でそれを達成できてよかったです。とはいえ、最近のUKチャートは変動が鈍い傾向があるようですが。
#9
全体の変動が鈍いこともあり予想以上にTop10滞在が長く続いている曲。ジョエル・コリーは2019年に Sorry でメジャー・デビューし、2020年前期に Lonely をヒットさせたあと、Head & Heart with MNEK でヨーロッパに流行を作りました。そして今年もすでに Bed with レイ & デヴィッド・ゲッタ が大ヒットした、いわゆるヒット・メイカーです。今週も将来ヒットしそうなメイベルとのコラボ曲が初登場していました。
#10
祝・Top10入り!! ジ・アングザエティーは俳優のタイラー・コールとウィロー・スミスによるロック・デュオで、ウィローは10年前に Whip My Hair がUK2位を記録しているのでTop10入りは2曲目ですが、デュオとしては初の快挙です!コーラスが一度しか流れないという特徴があるこの曲、今後の展開が気になります。
title | artist | |
11 | My Heart Goes ( La Di Da ) | Becky Hill, Topic |
12 | Thats What I Want | Lil Nas X |
13 | My Universe | Coldplay × BTS |
14 | Woman | Doja Cat |
15 | Tell Me Something Good | Ewan McVicar |
16 | Stay | The Kid Laroi, Justin Bieber |
17 | Girls Want Girls | Drake, Lil Baby |
18 | No Competition | D-Block Europe |
19 | Better Days | Dermot Kennedy |
20 | Coming For You | Switchotr, A1 & J1 |
#11
このところ3週連続で同位を維持しています。つまりTop10入りするチャンスを2度逃したということになりますが、一つ確実に言えることは勢いが弱まっている、ということでしょう。ベッキー・ヒルはキャリアはあるものの、今年初めてスタジオ・アルバム『オンリー・オネスト・オン・ジ・ウィークエンド』をリリースし、7位を記録しました。
#12
リルナズの歌詞としてはかなり明るい『モンテロ』(2021) からのサード・シングル。最高位である10位をキープしていましたが、今週はランクダウンです。チャート的には動きがちょっと微妙で分かりづらいですね。本国USでもヒットできるのでしょうか...?
#13
やっぱり下がるチャート・アクションでしたが、それでも今のところ上位を維持しているといえるので、コールドプレイがUKメインストリームに復活できたんだと思っています。先々週は『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』でアルバム・チャート9作連続1位を達成しましたし。
#15
読み方は分かりませんが、スコットランドの新人DJの曲です。Rufusとチャカ・カーンの昔のヒット曲 Tell Me Something Good を使用しており、同名ですがリミックスのようなものなので、細かく言うとカバーにはなりません。
#17
Top20で唯一生き残っているドレイクの曲。アメリカではそれが Way 2 Sexy なのにイギリスでは違うんですよね~。ドレイクさんですが、最近 Knife Talk feat. 21サヴェージ & プロジェクト・パット のMVを公開したのでそちらはチャートを上がってくるのか、楽しみです。
#18
D-ブロック・ユーロップはイギリスのトラップ・デュオ(トラップはラップの一種)。7曲目のTop20入りでUKヒットを量産しているすごいデュオなのですが、未だTop10入りはゼロとなっています。この曲、一応聴きましたがあまり流行になりそうな音楽ではなかったですね…。フリースタイルのようなイメージです。
#19
野太い声が特徴の売れっ子、ダーモット・ケネディは2019年後期に Outnumbered という曲でメジャー・デビューした人です。ジョージ・エズラなんかと比較されていそうですが、彼が新曲のリリースを休んでいる今ダーモット・ケネディはゲストに引っ張りだこ。今年上旬、ゲスト参加したメデューサの Paradise が大ヒットしたのが記憶に新しいですね。
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#21
SHOUSE(スハウス)の Love Tonight が先週の20位からランクダウン。4分半くらいある長い曲で、とてもキャッチ―な音楽だと思います。Meet Me At Our Spot と同時にTop20入りを果たしましたが、それがTop10に到達したのに対してこちらは停滞気味と言わざるを得ません。もうちょっと、16位ぐらいまで上がってくれるとすっきりするんですが…。
相変わらずこのチャートは知らない人ばかり…。
1年に何人もUKデビューしているんだろうけど、翌年以降も勢いが続くのはほんの一握り。
その意味でやっぱり厳しいチャート。
でも普通に考えれば、1年だけでも売れたら嬉しいはず。
今週は以上で…。読んでくださった方ありがとうございました。