もう音楽の方はやめちゃったけど、
コメディアンとアーティストを兼業してる人といえばチャイルディッシュ・ガンビーノ!
グラミーの年間最優秀レコードを受賞した "This Is America" が最も名高いけど、他にもいくつかヒット曲がある実力派。
あと、これは失礼かもしれないけど、
チャンス・ザ・ラッパーってコメディアン向いてそう。
というわけで、後編です。
全米シングル・チャートを参考に、シングル曲がチャートを上昇または下降する要因について書いています。
引き続き列挙していきますが、より重要でメインの項目から挙げていったので、後編は中身がけっこう薄くなるかもしれません。
代わりに、分かりやすい要因が多くなると思います。
...あ、あと言い忘れてましたが、「曲が売れる/売れない理由」みたいな広い話ではなく、より直感的な、狭い話です。
ほとんどが短期的なチャート変動についてですね。
軽い気持ちで読んでくだされば幸いです。
6.NFLハーフタイム・ショーでのパフォーマンス
前編で「音楽アワード / TVショーでのパフォーマンス」をランクアップ要因として挙げていましたが、これもほとんど同じようなものです、NFLハーフタイム・ショーは現地で放送されますし。一つ違うのは、NFLハーフタイム・ショーではパフォーマンスをするアーティストが過去の曲も演奏したりするのですが、それも再エントリーという形で現在のチャートにランクインし、くっきりとパフォーマンス効果が確認されるところです。総合チャートのようなメイン・チャートでは見られないかもしれませんが、ジャンル別などのより細かいチャートでは演奏された曲のランクインを確認できたりします。もちろんパフォーマーのアーティストは自身の最新曲や現在進行形で売れている曲も演奏するので、それは確実にチャートにおけるランクアップ要因となるでしょう。ザ・ウィークエンドがパフォーマーだった2021年、当時ヒットしていた "Blinding Lights"と"Save Your Tears"を演奏したところ、前者は3位キープ、後者は8位から一気に4位までランクアップして最高位を更新していました。視聴率がとてつもなく高いというNFLのハーフタイム・ショー、偉そうに語っておきながら自分は興味あるアーティストがパフォーマンスする時のみ見る人なので、過去1回意図的に無視してます。
7.TikTokでの動画投稿の流行
やったことないくせに、TikTok の話!知らないなりに頑張ります...、これだけちょっと広めな話かもしれません。短い動画を投稿するアプリ、TikTok で流行ることがシングル曲の長期的なチャート上昇要因になっており、長期的な上昇要因としては2022年現在ではかなり重要かと思われます。というのも、チャートの上位はよく調べたら TikTok 流行が由来(ヒットの主要因)というものがたくさんあったりするわけで、決して無視できない因子なのです。長期的なのである一時点で再生回数が急増する、ということはあまりなく、ある程度の時間をかけて流行歌はチャートの上位に上がってきます。TikTok はダンス動画の投稿が盛んなこともあり、流行る(バズる)音楽はこれまではそのほとんどがポップ、R&B、ヒップホップなどでしたが、2021年はグラス・アニマルズという英ロック・バンドの "Heat Waves"が TikTok でバズりましたし、ウォーカー・ヘイズというカントリー・シンガーの "Fancy Like"もバズりました。また、ダンス以外でもダンカン・ローレンスの "Arcade" は、サビを流しながらそのメロディに合った多種の感情を次々に顔で表現するという動画の投稿が流行っていました。つまり、もう何でもありになっています。予測不能な流行を生み出す TikTok ですが、おかげでたくさんのいい曲に出会えたので間接的に感謝、ですね。
8.「フォートナイト」内でバーチャル・コンサート開催
「フォートナイト」は世界中にユーザーがいるオンライン(通信)ゲームで、たぶんアクション系のゲームです(よく知らない)。フォートナイトのゲームの中で有名な洋楽アーティストがバーチャル・ライブを行うということが過去に3回あり、すべて当時話題になっていました。どうやってライブをしているのかなどの技術的な話は全然分かりませんが、その第1回・マシュメロ (2019)、第2回・トラヴィス・スコット (2020) のライブのアーカイブは見ました...すごかったですね。第3回・アリアナ・グランデ (2021) のコンサートは行われたことをしばらく忘れていたので、そろそろ見ておきたいです。アリアナさんの時は当時現在進行形でヒットしている曲がなかったため、チャートへの影響が見られませんでしたが、第1回、第2回の影響は大きかった!覆面DJマシュメロによる第1回バーチャル・ライブが行われた2019年2月、当時彼は "Happier feat. バスティル" が前年からの続きで全米で大ヒットしていましたが、前年に3位を記録して以降その数字を超えることはなく、2019年2月はもうピーク・アウトの時期でした。ところがフォートナイトでの初のバーチャル・ライブが大いに話題となり、その効果で"Happier"は8位から2位に急騰。本当にまさかの最高位更新でしたね。また、第2回・トラヴィス・スコットのライブでは彼はライブ中に新曲を披露しており、それが話題になってその新曲 "The Scotts"は初登場1位をとりました。まだ3回ですが、フォートナイトの人気には圧倒されます、チャートに影響が出るほどですからね。ライブを見て、演奏された曲をチェックしたくなったユーザーがたくさんいたということでしょう。
9.訃報
有名、もしくは注目され始めているアーティストの訃報は皮肉ながらその人の曲のランクアップ要因になります。過去にヒット曲を持つ有名アーティストの訃報があったら、皆その人のことを思い出して過去の代表曲を聴くことがあるのでしょう。...というか、自分もあります、ジュース・ワールドさんの時で。影響の大きさですが、生前、より有名でより近い時代に売れていたアーティストほどチャートへの影響が大きいです。また、訃報効果は基本的に一時的で、長くチャートを揺らすことはありません。死後に遺族らによってリリースされた遺作が生前の成績を上回る売れ行きを記録することもありますが、それはとりあえず別の話です。とはいえ、大きな訃報効果は代表的なシングル曲の最高位など、たびたび生前の記録を更新してしまうことがあり、それを見るたびに少し嫌というか、微妙な気持ちになります。最近では注目され始めていたラッパーの「訃報デビュー」なんかもありました、訃報によって本格的に注目を浴びたということで...。先述した遺作アルバムについてはこの記事でちょっと分析をしています。気になったら見てみてください。
10.事件の発生
主にアーティストに関する悪い事件について。驚くことかもしれませんが、ランクダウン要因だけではなくランクアップ要因にもなります(ランクダウン要因は結局これだけ)。事件の発生がチャートに影響を及ぼすことは知っていたのですが、その上でランクダウンの要因なんてあるんだ!と思ってました。なぜかというと、それまでに見てきた事件の例はすべてチャートの上昇要因になっていたからです。2019年、YNWメリーというラッパーが殺人罪に問われたというニュースが流れ、当時全米チャートの下位で売れ始めていた彼のシングル "Murder On My Mind" が一気にTop20入り。彼のメジャー・デビューのきっかけとなってしまいました。また、長期的にも2018年のシックスナイン騒動(ラッパーのシックスナインは性的暴行などの9つの罪の容疑で拘束され、最高で終身刑ともなる刑の重さに関する裁判を受け続けた)は彼の当時のデビュー・アルバム『ダミー・ボーイ』やその収録曲のストリーミング再生回数を押し上げる要因になりました(結果が見られたのは主にアメリカ)。普通に考えたら恐ろしいことですけどね、まるで他人の不幸を楽しんでいるかのようで。ただ、話題はそれがいいものだろうと悪いものだろうと音楽においては消費者行動に影響を与えることは間違いないようです。一方事件がシングルのランクダウン要因になることもあり、上に書いたようにランクアップの要因としてしか知らなかった自分には意外でした。2021年、モーガン・ウォーレンの失言事件ですね。詳細は省きますが失言がバッドニュースとして広まり、その効果で当時全米チャートに入っていた彼のシングルは事件後次々にチャートを下降。本当にこんなこともあるんだ!と思いました。本来は普通なんですけどね。最後に、事件発生の影響の特徴をまとめると、一時的にシングルが大きくランクアップ/ダウンした後も効果が続くことが多いので、これは長期的な要因だといえます。また長くなってしまって申し訳ないのですが...以上で。
いや~、すばらしく見栄えの悪い記事でした。
段落とか分けた方がいいし、全項目で共通した書き方(文の構成)があるほうがよっぽど読みやすいでしょう。
でもまあ、そういう長々と書くっていうコンセプトでやってるのもあるし、今回はいいか。