オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

チャート・レビュー UKチャート 2022年5月26日付

2022-05-23 | チャート・レビュー (UK)

 

ユーロビジョンの曲が計5曲エントリー!

位置は高いとはいえないけど、エントリーしたのを見れただけで嬉しい。

チャート・アクションとしてはおそらく一時的なものだけど、

去年のマネスキンみたいな大物がこの中から出てくるかも!

まあ、ユーロビジョン出た時点でもう十分大物だけど。

 


 

(集計期間:5月13日~5月19日)

  title artist
1 As It Was Harry Styles
2 Space Man Sam Ryder
3 Go Cat Burns
4 About Damn Time Lizzo
5 First Class Jack Harlow
6 N95 Kendrick Lamar
7 Die Hard Kendrick Lamar, Blxst, Amanda Reifer
8 Peru Fireboy DML, Ed Sheeran
9 Starlight Dave
10 Baby Aitch, Ashanti

 

(コメント)

> ハリー・スタイルズ7週連続!2022年の記録ではエンカント・キャスト "We Don't Talk About Bruno" とタイの最長首位記録です。思えば2019~2020年に爆売れした『ファイン・ライン』(2019) からは全英1位シングルが出ていませんでしたね。大ヒットした "Adore You"、"Watermelon Sugar" は記録で言えばよりアメリカの方が高く、そのために本国イギリスでのヒットがちょっと地味に感じられました。ところが今回はいきなり1位で、それも他を寄せ付けないような独走状態!つい最近サード・アルバム『ハリーズ・ハウス』が満を持してリリースされましたが、前作『ファイン・ライン』と同様、爆売れは間違いなさそう。

 

> 楽しみをとっておこうと思って敢えて聴かないでいましたが、サム・ハントを聴こうと思ったときにサム・ライダーの名前が頭をよぎり、欲望に負けて "Space Man" を聴いてしまいました。改めて通常バージョンを聴いてみて、まさに完璧な曲!ユーロビジョン準優勝、そしてその効果で今週2位に急上昇したのも納得できます。出身のイギリスだけじゃなく他の国でも売れてほしい!というか、少なくともヨーロッパでは売れるでしょう。ちなみに優勝したウクライナのカルーシュ・オーケストラ "Stefania" は38位にエントリーしていて、非・英語ながらTop40入りできています。

 

> 今週のTop10は全体的にヒップホップが多い!1~3位はポップ勢が占めているとはいえ、4位以下は8位の "Peru" 以外すべてラッパーの曲です。リゾさんはポップにクロスオーバーした "About Damn Time" で英国でもしっかりブレイク中!2019年にメジャー・デビューしたとき、 1発目 "Truth Hurts" はそれほどでもなかったものの、よりポップな2発目 "Good As Hell" はTop10入りのヒットになり、それで英国での人気が確立しました。"Truth Hurts" は未だにノリきれないけど、何回も聴いてその特異性がだんだん分かってきたという思い出のある曲です。

 

> ケンドリック・ラマーの人気はやっぱり世界的だったわけで、イギリスでもTop10に2曲が初登場。アメリカのラッパーで、全英チャートTop10に同時に複数の曲を初登場させた人といえば、2018年のエミネム(『カミカゼ』リリース時)を覚えています。同時に3曲でしたが、すごいのは翌週もその3曲がTop10に残ったということ。鬼強でしたね...当時のエミネムの影響力。話を戻して、残念ながら「スリー・ソングス・ルール」によりケンドリック・ラマーの全英シングル・チャートでのアクションは部分的にしか観察できませんでしたが、それでもTop10に2曲は十分すごいアクションといえます。本国アメリカではどうなるのやら...。

 

  title artist
11 Bam Bam Camila Cabello, Ed Sheeran
12 Wait For U Future, Drake, Tems
13 Where Did You Go Jax Jones, MNEK
14 United In Griff Kendrick Lamar
15 2Step Ed Sheeran, Lil Baby
16 IFTK Tion Wayne, La Roux
17 Crazy What Love Can Do David Guetta, Becky Hill, Ella Henderson
18 BMW Bad Boy Chiller Crew
19 She's All I Wanna Be Tate Mcrae
20 House On Fire Mimi Webb

 

(コメント)

> 今週はケンドリック・ラマーの初登場でTop10落ちしちゃったけど、"Bam Bam feat. エド・シーラン" のチャート・アクションは安定的で安心。曲全体に占める生声の比率が高い曲ってバラードに多いと思うのですが、カミラ & エドの生の歌声がほとんどの同曲はバラードとも明るいポップ・ソングともとれ、微妙なところです。...ところで、カミラさんの声ってすごいですよね。幅がすごく広くて、低くても高くても気持ちいい。天才的な声だと思ってます。

 

> ここではそんなにヒップホップは多くないかな...?フューチャー "Wait For U" のアクションが安定的なのはちょっと意外です。まあ、まだ登場3週目なので安定性は確かではありませんが。18位のヒップホップ集団、バッド・ボーイ・チラー・クルーは一時Top10入りしていましたが、もうピーク・アウトしてしまったようです。...と、16位の曲を見過ごしていました。ション・ウェイン?さんで、デイヴ、Aitch らと同じく大人気のブリティッシュ・ラッパーです。イギリスのラップ・シーンも知れば知るほど深いですね...。たくさんの人が売れてるから、覚えられなくなりそう。

 

> エド・シーラン "2Step" が思いのほか強く、Top10入りは怪しいですが急落は回避しています。うーん、まだ聴いてないから分かんないけど、"The Joker And The Queen" とはいろいろ違うのかな?"2Step" に関してはリル・ベイビーが参加しているからかアメリカでも受けが悪くないようだし。『=』(2021) は相変わらずアルバム・チャートで大ヒット中ですが、シングルの方もまだまだチャートで順調な状態が続きそうです。

 

> 19、20位が両方女性ポップ・シンガーの曲で、最新のヒットですね。テイト・マクレーさんはメディアに多く取り上げられるようになったのは2021年ですが、イギリスでは先行して2020年秋ごろにはすでに売れていました。なので、去年デビューした大型の新人ポップ・シンガーというと、彼女を除くとオリヴィア・ロドリゴしかいなくなります(※主観)。今年はユーロビジョンをきっかけに、何人か(世界的に)デビューしてほしいと思いますね。とりあえずサム・ライダーさんは確定してるので、彼以外にも何人か。



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