オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

チャート・レビュー USチャート 2023年5月

2023-05-29 | チャート・レビュー (US)

 

「3曲目リミックス」という何もかっこよくない言葉を作ってみる。

例えばリゾが今年2月頃に最新アルバム『スペシャル』(2022) からサード・シングル "Special" をリリースしたけど、

それはR&Bシンガーのシザを追加したリミックス・バージョンでのリリースだった。

これを「3曲目リミックス」(必ずしもサード・シングルに限らず、アルバムから3曲目のヒット狙いという意味で)と定義すると、

テイラー・スウィフトとビヨンセが続けて「3曲目リミックス」を発動した。...チャートへの影響は如何に!?

 


 

5月、USチャートでのアクションが目覚ましかったアーティストを何組か挙げ、それらを振り返ります。

そのうえで、シングル・チャート、アルバム・チャートそれぞれどんな特徴があった月だったかを振り返っていこうと思います。

硬い話だと思うので、嫌気が差したらアーティストごとの振り返りは無視しちゃってください!

 

<全米シングル・チャート>

1.ドレイク

 先月のことでしたが、新曲 "Search & Rescue" がチャートで2位に初登場して、すぐにトップ層からは落ちてしまいましたが現在もTop20を維持しています。ただ、初登場の威力、下降スピードをこれまでの同じような動きをしたシングルと比べると、どちらも今回は劣っているように感じました。ドレイク最強時代も、限界が見え始めているような感じですね。とはいえ、個人的にはドレイクのこのようなダークな曲は好きで、改めてドレイクの音楽でしか味わえない満足があると感じます。第二のドレイク的なアーティストが現れてきませんが、現実的に無理なのでしょう。

 

2.Fifty Fifty

 K-Popの新星が、ストリーミングで成功して全米Top20入り!BTS や BLACKPINK が初登場で新曲をTop20入りさせたことはありましたが、下から上がってきてのTop20インは初めて見ました(「江南スタイル」があるのでK-Popとして史上初ではないと思いますが)。イギリスでは、女性K-Popグループとして史上初めてシングル・チャートTop10入りを果たしていて、すごいことになっています。アメリカでも女性K-PopグループがTop10入りしたことはこれまでにないので、記録が作られるかどうか、注目ですね。🏹

 

3.ルーク・コムズ

 カバー曲「ファースト・カー」が9位に上がって、「フォーエヴァー・アフター・オール」(2020、最高2位)、「ザ・カインド・オブ・ラブ・ウィー・メイク」(2022、最高8位)に続く自身3曲目のTop10入り成功!本当に1位が見えてきました。ところで、過去曲のサンプリングによるヒットは増えているものの、純粋なカバー曲が大ヒットするのは少し久しぶりな気がします。ここ数年のそれを思い出してみると、マネスキンの "Beggin"、ウィーザーの "Africa"、バッド・ウルヴスの "Zombie" なんかが思い出されて、全部ロック・バンドによるカバー・ヒットでした。他ジャンルのアーティストのそれを思い出せないのは自分がロック好きだからというのもあるかもしれませんが、そもそも他ジャンルでカバーという行為がそんなにメジャーではない可能性もあります。カバー・バンドという言葉もあるように、カバーといったらロックなのでしょうか。🚗

 

<全米アルバム・チャート>

4.ジョナス・ブラザーズ

 2019年に復活した国民的アイドル・トリオ、ジョナス・ブラザーズが4年ぶりに新アルバムをリリース!『ザ・アルバム』という超シンプルなタイトルの新作からは、"Waffle House" というシングルがチャートを上昇しています。...ただ、個人的に思ったのは、ジョナス・ブラザーズのお三方は2019年に復活してアルバム『ハピネス・ビギンズ』をリリースした後も、シングル "What A Man Gotta Do"(2020)、"X feat. カロル・G"(2020)、"Who's In Your Head"(2021) を続けて発表していたのですが、特に "What A Man Gottta Do" は普通にけっこうヒットしてたのに、それらは全部今年の新アルバムに収録されなかったのが気になりました。まあ、よくあることではありますが、結局あの3曲は単発っていう括りで終わるのね...って感じです。

 

5.エド・シーラン

 ニュー・アルバム『-』から、3曲は聴きましたが確かにメインストリーム向けではないです。"Eyes Closed" に関しては、エド・シーランがファースト・シングルにバラードを持ってくるのは珍しく、正直言って商業的ではないような気がしますね。アルバムはやはり本人の言う通り、今の自分の状態を表現することを完全に優先させたようなイメージですが、とはいえエド・シーランの新作なので、チャートの結果はついてきてしまいます。『-』は、全英アルバム・チャートでは2週連続1位、全米アルバム・チャートでは初登場2位。シングルも、"Eyes Closed" に続いてルーク・コムズとデュエットしたバージョンの "Life Goes On" がヒットしそうな気配です。...ところで、ルーク・コムズがカントリー以外のアーティストとコラボするのは初めてではないかと思われます。だから、ちょっとびっくりで...。🥀

 

※ Wikipedia 見ただけですが、見た限りではエド・シーランが初めて!

 

6.ベイリー・ジマーマン

 知らない間にデビュー・アルバム『リリジャスリー』が出ていました。去年のEP『リーヴ・ザ・ライト・オン』は、作品としては第一作目で、かつEPなのにいきなり全米9位で驚いたわけですが、同時に「これはデビュー・アルバムが出たときはもっとすごいぞ」と思っていました。結果としては、『リリジャスリー』は全米7位で、シングル "Rock And A Hard Place" も大ヒットしたのにあんまりいかなかったな...というのが正直な感想ですが、アルバムの総売り上げポイントに占めるストリーミングの比重がものすごく高かったのは印象的でした。やはりベイリーさんも、モーガン先輩に続くストリーミング型のカントリー・シンガーです(珍しい)。✨

 

全体振り返り

全米シングル・チャート >>> 上位はまだまだ堅いけど、伸びる曲はどんどん伸びてる! & ラテン・ブームが若干落ち着いた印象!

全米アルバム・チャート >>> Mさんの独走はまだまだ続く...!だけど2位以下のチャートも相変わらず新作がどんどん入ってきたりしてて、相変わらず好況です!! 

 


 

UKシングル・チャートで、ユーロビジョン旋風が起こった。

Top10に一気にユーロビジョンで順位が高かった3曲がデビューして、UK代表マエ・ミュラーの "I Wrote A Song" もTop10に急上昇。

チャート全体では100位以内に計13曲もの関連曲がデビューする事態になった。

その翌週、多くは早くもチャート圏外にダウンしてしまったけど、それでもあの週の旋風はすごかった。

🦓 ...以上です!!!読んでくださった方、読み飛ばしでもありがたいです、ありがとうございました! 🦓

 



最新の画像もっと見る