ジェイソン・アルディーンが新曲の歌詞とMVで物議...!?
カントリーの、しかも若手ではなくもはやベテランの域に近い中堅が、こんなことになるとは...。
ブレイク・シェルトンならまだありそうだったけど、ジェイソン氏は本当に、騒動が似つかわしくないような感じの印象だった。
実際に物議を醸した曲を聴いてみても、カントリーの王道といった感じで、歌詞は確かに過激に思えたけど、
少なくともメロディからは攻撃的・疑問提起的なものは感じられなかったため、とりあえず、騒動を狙った感じではなさそう。
7月のUSシングル / アルバム・チャートについて振り返っていきます。
各チャートごとに活躍が目覚ましかったアーティストを数名ピックアップし、彼らのチャート・アクションを振り返り、
そのうえで各チャートの全体的なレビュー(今月はどんなチャートだったか)もする形です。よろしくお願いします。
<シングル・チャート>
1.オリヴィア・ロドリゴ
新世代のポップ・スターが早くもシーンに帰還!!2年前に "drivers license"、"Good 4 U" 等で最強のメジャー・デビューを果たしたオリヴィアさんが、早くも新曲 "Vampire" をリリースし、戻ってきました。"Vampire" は初登場で全米1位。これに関しては、2年前にすでに "drivers license" が初登場1位を達成していて、それはキャリアにおけるシングル1曲目にもかかわらず初登場1位というものすごいことだったので、もはや今回の2回目は驚きませんでしたね。同曲、1位に登場後残念ながら早くもチャートを下降気味ですが、個人的にはまたすぐに勢いを戻して、もう数週1位を記録しておいてほしいです。今年の傾向的に、ナンバーワン・ソングの間でも1週のみ1位の曲と、長期間に渡り1位を獲得する曲に2極化してしまっていて、私はその傾向があまり好きではないので、そろそろ中程度に大ヒットする曲が生まれてほしいと思いますね。
2.ルーク・コムズ
女性シンガー、トレイシー・チャップリンの過去曲 "Fast Car" のカバーが、2位にまで!!オリヴィア・ロドリゴやBTSのジュングクが初登場で上に来ましたが、勢いは落としていないので、機会さえあればいつでも1位を狙える状態です。ルーク・コムズもキャリア初の1位あるかも...!と、数か月前からちょっと期待していましたが、本当に2位まできてしまいました。モーガン・ウォーレンを自然な形で抜けるか、注目ですね。...それと、トレイシーさんの原曲も聴きました!男性のルーク・コムズが力強く歌っているカバーから曲を知ったので、女性がこれを歌って盛り上がるのか?と懐疑的でしたが、サビで一気にドラムと感情が入り、切なくもかっこよくてカバー同様すごく良かったです。リリック・ビデオを数回見ただけですが、それだけでも曲の主題になっていそうな風景が連想させられました。2回繰り返される "You got a fast car, is it fast enough so you can fly away? ..." という節が好きです。
3.シザ
セカンド・アルバム『SOS』(2022) から "Kill Bill" が大ヒットしてもう半年経ちますが、このタイミングで2曲目のバンガーが登場。同アルバムから、"Snooze" が全米Top20入りして11位まで浮上しました。スローで「ザ・R&B」って感じの曲ですが、何ていうか、原点回帰のような印象を受けます。2017年、デビューしたての頃の彼女のヒット曲 "Love Galore feat. トラヴィス・スコット"、"The Weekend" なんかに雰囲気が似てて、それらを私は正直好んでいなかったのですが、"Snooze" を聴いて確かに懐かしい感がありました。ただ、一つ違うのは自分の感触で、"Snooze"、意外といいかも、って...。シザだからチャートを上昇しているのだと思いますが、こういうシンプルなR&Bがチャートを上昇することもかなり減ってきた気がする(ワケありなR&Bはたくさんヒットしても)ので、同曲のヒットは案外貴重なのかもしれません。⏰
<アルバム・チャート>
4.リル・ウージー・ヴァート
今月も今年3月から1位を独走するモーガン・ウォーレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』に打ち勝つ作品が登場!1つ目がリル・ウージー・ヴァートの『ピンク・テープ』で、それは絶対にアルバムに収録されることはないだろうと思っていた彼のシングル、"Just Wanna Rock" を収録した彼のサード・アルバムです。単発シングル感が強かったとはいえ、大ヒットしたのでアルバムに入れてくれたのかもしれません。一方で、"Watch This ( ARIZONATEARS Pluggnb Remix )" という曲も先行してヒットしていたのですが、こっちは収録されませんでした。個人的にはお気に入りでしたが...。ただ、これによってリル・ウージー・ヴァートは1作目から3作連続で全米1位をとったことになって、普通にすごいです。今後は、アルバムからもう1発ヒットが出てくれたら最高ですね。
5.ペソ・プルマ
こちらは1位ではありませんが、デビュー作『ジェネシス』がいきなり全米3位に登場。アルバム・チャートは、いかに事前に人気を積んできたとて新人には厳しい結果を見せるものですが、彼の場合はいきなり3位!しかもラテン・アーティストのデビュー・アルバムで3位は、歴代最高ではないでしょうか。バッド・バニーでさえ11位だったので...!しかも、基本的にはどんどん下降していく登場2週目以降も、同作は全然食い下がる気配を見せず、むしろ2位以上に最高位を更新してやろうというような粘り強いチャート・アクションを見せています。背景には、もちろんここ半年でペソ・プルマの株がメキシコの国内外で爆上がりし、名前が広まったこともあると思いますが、ラテン・ミュージック自体の更なる流行も今回の3位を後押ししていると思います。今年は、カロル・Gがアルバム・チャート1位をとった月のチャート・レビューでも書きましたが、特にラテンが強いです。ヒップホップ最強時代終焉の穴を埋めているのは、特定の一つのジャンルではないと思っていましたが、実はラテンかもしれません。
6.テイラー・スウィフト
2010年リリースのサード・アルバム『スピーク・ナウ』を、再録したアルバム『スピーク・ナウ(テイラーズ・ヴァージョン)』が今月リリースされました。これが、今月モーガン氏を打ち負かした2つ目のアルバムです。シングル・チャートの方ですでに "Cruel Summer"、"Karma ( Remix ) feat. アイス・スパイス" という『スピーク・ナウ』とは関係のない新シングル2曲がヒットしてるのに、もしくはアルバム・チャートの方でもツアー効果で旧作が次々にチャートを再浮上してるのに、そこにさらに新たな刺激が加わった形です。『スピーク・ナウ』はカントリー調の "Mean" と、 "Mine" の別のアーティストがカバーしたバージョンしか聞いたことがありませんが、再録版の1位獲得はやはり原作の人気があってこそでしょう。『スピーク・ナウ(テイラーズ・ヴァージョン)』はテイラー・スウィフトの旧作再録プロジェクトの第3弾で、再録版シリーズは3作連続での全米1位獲得になりました。これにより、彼女の全米アルバム・チャート1位獲得は12作目になり、これはなんと女性として歴代最多だそう。正直、彼女のこの記録を破る人は2020年代では絶対出てこないと思います。🥇
まとめ
全米シングル・チャート・・・初登場勢とルーク・コムズ「ファースト・カー」が14週間1位を記録しているモーガン・ウォーレン「ラスト・ナイト」を崩しにかかる! & 映画『バービー』関連曲がじわじわチャート浮上中!
全米アルバム・チャート・・・リル・ウージー・ヴァートとテイラー・スウィフトが1位奪取! & ラテン勢・K-Pop勢相変わらず好調!
ラ、ラップ・アルバムが、今年の上半期に1作もチャート1位をとれなかった!?
シングルも、ラップ・ソングのチャート1位は上半期でゼロ!?
その事実を伝えるネット記事をたまたま見て、ハッとした...。
アルバムは7月にリル・ウージー・ヴァートが達成したけど、シングルは今のところドレイクですら2位。
🐁 え、これ、やばくない...?って、事の異常さに気づいた今日この頃。今月も記事を読んでくださった方ありがとうございました。 🐁