「秋の味覚」サンマに高値懸念 例年にない不漁の恐れ
百貨店の鮮魚売り場に並ぶサンマ=3日午後、東京都豊島区 |
今年のサンマ漁が例年にない不漁に陥る可能性が高まっている。水産庁が3日発表した2010年の北西太平洋サンマの推定資源量は、221万トンと昨年の351万トンから4割近く減少した。
先月8日に北海道東部沖で始まった流し網漁も、漁獲量が昨年に比べ約4分の1と激減。市場では卸値が高騰し、「秋の味覚」の代表格に早くも高値懸念が出てきた。
農林水産省の統計ではサンマの漁獲量は08、09年と年間30万トンを超える豊漁が続き、食卓では手ごろな価格でサンマを楽しむことができた。だが、資源量などからみて、今年の漁獲量は大幅減が予想される。
「道東小型サンマ漁業協議会」によると、7月8日の流し網漁解禁後、同月末までに釧路など北海道東部の4漁港に水揚げされた量は421トン。昨年の同時期の1726トンに比べ約4分の1で、協議会は「ここまで落ち込んだ記憶はない」という。
水産庁は、資源量が減った原因は「不明」としているが、水産関係者からは猛暑など異常気象に関係があるという声も出ている