政治評論家、浅川博忠氏の話
「小沢さんが相当に躊躇(ちゅうちょ)した決断に見えた。小沢さんの中では、菅直人政権が本当に立ち往生した段階で救世主のように名乗りを上げたかったはず。しかし、山岡賢次氏(副代表)や松木謙公氏(国会対策筆頭副委員長)といった親小沢グループの圧力に屈した形に見える。ここで出馬を断念すれば、彼らの離反も招きかねない。小沢さん自身も勝算は見えていないはずだ。
自民党の総裁選は派閥でガチガチに固まっていて票読みもしやすかったが、民主党のグループはつながりが緩く勝敗を読むのは難しい。1票の奪い合い、血で血を洗う戦い生臭い戦いになるだろう。
菅グループ対小沢グループの全面対決という図式となったが、どちらが勝っても遺恨が残ることになる。負けた陣営は党を割ることにもつながる。そしてその先に自民党の一部勢力との連携を模索するはずだ。そうなると一気に自民党の再編にも直結する。
ただ小沢総理が誕生しても政治とカネの問題が消えるわけではない。
検察審査会の判断がどうなっても野党側が『証人喚問に応じなければ審議拒否』などと攻撃してくるのは間違いない。政治とカネは小沢さんの弱点であり続ける。長期政権はあり得ないだろう。
ただ、激しい代表選で政治に空白が生まれるだろう。国民の最大関心事である円高や株価への対策は進まない。国民不在とはまさにこのことだ」
若い世代に夢と希望を~お願いします