勤務していて入荷品を倉庫に運んでいた時の話です。売り場から他の従業員から電話が!「照明器具の件で、“わかる人を呼んでくれ”とお客様からなので、対応をお願い出来ますか?」・・・それも電話越しに男性の声で“わかる奴とかいないのかよ!”と・・・助け舟だな?と売り場に急ぐと、若夫婦とお母さんらしき3人での家族連れが!(単独のクレーマーかと思い過ごしてしまったか・・・)
旦那「この3980円の照明と5980円の照明(器具)、6畳用と8畳用との違いだとわかるけど、6畳用には3200ルーメン(LED)と書いてあって、8畳用には何ルーメンとか書いていないから、どのくらいの明るさの違いか分からないだろ」(ルーメン数を言って、違いがわかるのか?)
私「梱包されている箱にルーメン数が書いていないので、この3200ルーメンとPOPに書いてある事が、何の根拠かわかりませんので・・・申し訳ありません。本社入力のPOPですので詳細は確認しておきます。メーカーサイドで6畳用、8畳用と書いてあるのは、その明るさに順応した明るさを確保していると言う意味ですので・・・」(このあたりから不穏な空気が・・・)
旦那「根拠もないルーメン数の表示をしている事自体、客に対して悪い事だと思っていないの?」
私「確かに旦那さんの言う通りです。本当に申し訳ございません。私も気が付いていたら貼ったりしておりませんでした。」
旦那「じゃあ、どうやってこの照明の明るさの違いを比べる事が出来るの?」
私「LEDの数や配置が異なっておりまして、発光ダイオードの数自体が違うのですよ」(カバーを外して中を見せることに)
奥様「でも、6畳用の方が明るく見えるわ」(奥様が口を出してきたので見たら、顔がニヤついている。その後ろにいるお母さんらしき女もニヤついている・・・こいつら、家族そろってのクレーマーか?そうとなりゃ、此方もプロとしての意地が!)
私「ルーメン表示の件ですが、照明器具の位置や天井の高さによって、明るさの感じ方は個々に異なってきますので、どちらの部屋に取り付ける予定ですか?天井高とかお教え願いますか?それに応じた明るさのルーメン表示の照明器具を選定しますので・・・」
旦那「そんな話をしにき来たんじゃない!ルーメン表示が貼ってない事に比べる基準が無いだろって言っているんだよ。話題をすり替えるなよ」
私「申し訳ございません。でも、今お話しした通り、6畳用のルーメン表示の根拠がありませんし、そうなるとどのような明るさを望んでいるのか?こちらもわかりかねますので」(旦那のにらむ顔に対して、此方も無表情で対応)・・・
近くを通ったお客様から「店員さ~ん、用事が済んだら此方も聞きたい事があるのだけど・・・」。「では、ご検討くださいませ」と言って、そそくさと呼んでくれたお客様の方へ(回避)。そのお客様の用事が済んで戻ってみたら、その家族は居なくなっておりました(怒って帰ったかな?陳列棚の商品は減っていないし)。上長に報告したところ“トラブルの元となるPOPは剥がしておけ”と売り場に来て検証。そして、とんでもない事が発覚!いつの間にか本社の売価変更が掛かっていたみたいで3980円が4980円に値上がっておりました!3980円の方を買っていかれていたら、レジでクレーマー全開となっていた事でしょう。
結果良しと考えましょう。通販事業の怖さは、商品が届いてからの評価やレビューですが、それと違って、接客が伴う小売業は、どうしても人との会話が販売に繋がるかが結果です。でも、こういうクレーマー相手に対しては、早々に手放して帰らせた方が良いのが得策かとも思います。「お客様は神様です」と言えるのは、販売している従業員の考えであって、「買いに来てやっているのだから丁重に扱え」と言う客はいりません!
こういう客に会うたびに「買わなくていいから、二度と来るな!」「じゃあ、他店で買えば」と喉元まで出かかりながらも「申し訳ございません・・・」と言えるようになるのも販売のプロです!と、毎回、自分で自分を褒めています。そうする事で勤務後のビールが美味いのですよ♪
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます