なにぶん、なりゆき なもんで
、・ 改め らくごしゃ の なりゆき(也がついたり、つかなかったり)
あの社会人時代の、馬鹿なオレ。子守するほう、の。( 摸摸具和の5 )
ほんとうに、
この丘の森の、
この樹の「うろ」の中に、
エゾモモンガが、
いるのだろうか。
環境の変化で、臆病に、警戒しているのか。
すでに、根城を、移しているんじゃないだろうか。
プロデューサーが、
タレコミ料を、ケチったんじゃないだろうか。
動物カメラマンは、
本当の居場所を教えるために、
一旦、がせネタで、再度、本気の情報料を、
請求しようとしているんじゃないだろうか。
疑心暗鬼で、自己崩壊しそうになった、
馬鹿なオレは、あれやこれやと、愚想した。
翌晩は、早めの16時頃、旅館で、
ゆっくり食事を摂って、
小一時間をかけて、
現場に向かった。
寒さに耐えるため、
頼りないドカジャンのほかに、
カラダの中に、脂肪を溜め込もうと、
旅館の食事には、
脂やバターを、多めに使って欲しいと、注文をした。
愚かな防寒対策。
セッティングは、昨日、苦労して、
一度でも、かたちが、出来ているから、
初日より遅めの、18時前くらいから、
準備を始めた。
カメラの三脚、照明、バッテリー、コード、等、
すべての機材を、
ハイエースから、小高い丘に運び、
セッティングをして、
エゾモモンガの出現を待ち、
待ちぼうけをくらい、
すべての機材を、
小高い丘から、ハイエースに片付け、
その機材用ハイエースと、
ゼネレーターを積んだトラックを運転して、
ベースの天人峡の旅館に、
小一時間かけて、戻る。
一体、何日間、この作業が続くのだろうか ?
誰も、何も、保証するものは、ないのだ。
当てのない、終わりの見えない、不安な作業だ。
信じなければいけないのは、
高級な暖かさそうなダウンジャケットと、
ダウンパンツを履いた、
動物カメラマンの、情報だけだ。
まずは、
この「うろ」に、エゾモモンガが、
必ずいると信じて、
この環境に、慣れさせなくてはならないと、
へなちょこ精鋭撮影作業部隊、
隊長プロデューサーは、判断し、
オレたちは、了解し合い、
不安を 幻(まぼろし)と払いのけ、
この作戦を継続した。
「フィルムチェンジ!」と、
次のロールに、撮影はつづきます。
初出 17/10/16 07:43 再掲載 一部改訂
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