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こわいひと

 とある映像制作会社で副社長が犯した会社の公金横領、上司の立場で部下への請求書、領収書、帳簿の改竄命令事件があった。

本来なら、業務上横領罪、私文書偽造罪を問われるところ、会社への貢献を考慮して(良く分からない理屈だがよくある話だろう)、横領金の返金免除(何十年も継続し計算出来ないのもあるだろうし、そもそも社長も黙認していたようだ)、映像制作物の著作権の一切の放棄で、会社からの放逐、解雇で手打ちとなった。

手打ちと言うと、なんだが5分の交渉のようだが、10:0だったのだろう。

なぜ、この時期にという問題もあったようだが社長の腹ひとつであったであろう。満を持しての解雇する時期だったのだろう。

裁判であれば、執行猶予期間は過ぎていても、モラル的には戻れるような立場ではない副社長、そのひとが、すでに表舞台に戻って来ていた。

不動産も蓄財もたんまりあるはずなのに。金ではない、のだ。

実は、金ではないことではなく、おおいに金なのかも知れない。

大人しく出来なかったのか。この辺りがこのひと、にんげんの我欲、性(さが)なのか。なんという業、いや、病理なのか。

表舞台に出る事で不愉快に思う者もいるだろう、このひとに被害に遭われた方もいるだろう。

そして、この病理を利用する者たち(このひとも含めて)もいるという事だ。実に、人間というものはこわいものか。

犯罪を黙認して利用価値がなくなったら切り捨てる社長、物凄くこわい。

しかし、これを書いてる自分が一番こわいのかも。

だが、この世の中なら良くある話ですまされるのだろう、か。

この感覚が正常なのか、異常なのか、にんげんとはこわい、ものだ。

 

 

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