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伊藤若冲

2006-08-04 00:02:41 | 美術[あ]
 プライスコレクション 若冲と江戸絵画展。上野の東京国立博物館・平成館へ行ってきた。かなり見ごたえのあるボリュームで足がぼうぼうになってしまった。

 「鳥獣花木図屏風」の升目描きはやっぱりすごい。どうしてこんなに手間のかかる描き方をしたのだろうと、当時の若冲の心持を聞いてみたい気がする。この絢爛豪華な屏風と対照的な「鶴図屏風」は墨一色で質素で心休まる。省略した丸い鶴を形作る強弱のついた絶妙なラインがすごくいい。「紫陽花双鶏図」のド派手な鶏の存在もものすごく惹きつけられるものがある。

 若冲以外の画家の作品もあれこれあって、好きなものもあれば嫌いなものもある。気に入った作品は、

・猛虎図(源)(亀岡規礼) どちらも円山応挙の弟子だが、虎の毛並みのリアルな柔らかさがすごい。

・三十六歌仙図屏風(酒井抱一) どうもひとり足りない気がするんだけど・・・便所に行ってる時の絵なのか。ひとつの部屋に集まってワイワイやっている情景が、なんか歌人オフ会の記念写真みたいでおもしろい。

・雪中松に兎・桜に鴉図屏風(葛蛇玉) 一面にポツポツと降り続く雪と枝に積もる雪の白さにカラスとウサギが溶け込んでなにやらしている。モノクロームな静寂感がいい。白がいい。

・松に鶴図屏風(森徹山) 大量の鶴が立ったり飛んだりしているが、作成途中で画家が死んでしまった。塗りかけの鶴たちが色を無くしたまま、まるでこの世とあの世の境目でどちらに行こうか迷っているようだ。

ブームになっているので、やたら混雑している。時間に余裕を持って出かけたほうがよい。

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