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異邦人たちのパリ

2007-02-11 01:33:34 | 美術[あ]
「異邦人(エトランジェ)たちのパリ」
 ポンピドー・センター所蔵作品展@国立新美術館
 芸術の都パリを彩った外国人アーティストの作品を集めた展示。

 1月21日オープンした六本木の国立新美術館に行ってきた。黒川紀章が設計した、うねうねとしたガラスエリアが特徴的な建築物。展示スペースは広いけど、3階建てで、意外にこじんまりとして見えた。個性的なデザインは前だけで、後ろのほうは単なる匣みたいだ。その函の中に展示室が整然と並んでいる。前面のガラス張りと吹き抜けのため、通路やレストラン部分は開放的な雰囲気がする。展示を見終わった頃にはレストラン前には順番待ちの行列が延々と続いていた。ランチがディナーになりそうな行列である。その割りに展覧会のほうはそれほど混雑もしていなくて見やすかった。

 藤田嗣治 「カフェにて」・・・色白の女性が黒いドレスで、カフェで頬杖をついている。テーブルの上にはハンドバッグや飲み物、ペン、インク壺、書き損じたかのような汚れた便箋などが置いてある。窓際には光る後ろ頭の給仕と、山高帽を被ったおっさんがいる。そしておっさんの右側、窓の外には片足の無い男が松葉杖をして歩み去る姿が小さく描いてある。この男に特別な意味があるわけでもないのだろうが、何か不思議な感じがした。「パリの私の部屋」も2枚並べて展示されていた。家具の上のいろいろな小物が、チマチマと描かれている。いずれの作品も白っぽい静寂感が漂ってくる。おかっぱ頭に丸めがね、両耳にイヤリングみたいなのをつけて、ちょび髭を生やして猫を抱えた藤田の自画像・・・なかなかどうして変質者っぽい。

 アルベルト・ジャコメッティ 「テーブル」・・・不気味な顔と腕がついている。
 ヴィクトール・ブラウネル 「狼テーブル」・・・歯を剥き出したオオカミがついている。
どちらもうちには置きたくないテーブルだった。

 アントニ・ミラルダ、ベネ・ロッセル 「パリ、ラ・クンパルシータ」・・・銃を構えた等身大の白い兵士の像を持ったり転がしたりしながら、朝から晩までパリの街中を練り歩く。そのうちミニクーパーの天井にくくりつけて走り回るという、いたしかたない行為を撮影したビデオ作品。

 パリのポンピドー・センターは一生工事中のような超個性的な外観をしていて、一度行ってみたいが、昔、ルーヴルに行った代わりに、ぽんぴ堂に行きそびれたまま今に至る。ミュージアムショップに「ポソピドゥー・セソター・ガイド」とカタカナでタイトルがついた本が売っていた。ぽそぴどかよ! せそたーかよ! ちょっとかっこ悪かったので買わなかった。

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